はじめにもし、愛する子どもの心臓がまだ動いていたら。身体には温かさがあり、髪も爪も伸び、目の前には確かにその子の身体がある。それでも医療の側から、もう戻ることはないと告げられたら、親はその子を「亡くなった」と受け入れられるのでしょうか。東野圭吾『人魚の眠る家』が読者に突きつけるのは、脳死や臓器提供という医学的な問題だけではありません。それよりも深いところにあるのは、「愛するとは、何をすることなのか」という問いです。薫子は娘・瑞穂を救おうとします。できることがあるなら、やる。可能性が残っているなら、待つ。母親として諦めない。けれど今回のImaginary … [Read more...] about 東野圭吾『人魚の眠る家』考察|愛する人を手放すということ

