들어가며
韓国の若者たちは、本当に「ポジティブが足りない」のでしょうか。
한국의 청년들은 정말 ‘긍정이 부족한’ 걸까요?
それとも、頑張りすぎているのでしょうか。
아니면 너무 오래, 너무 많이 애써온 걸까요?
一番でなければ意味がないと思う高校生。
1등이 아니면 의미가 없다고 생각하는 고등학생.
夢のために自分の体まで追い込む練習生。
꿈을 위해 자신의 몸까지 몰아붙이는 연습생.
97社から断られ、自分まで否定されたように感じる就職活動中の青年。
97곳에서 거절당한 뒤 자기 자신까지 부정당했다고 느끼는 취업 준비생.
鏡を見るたびに、自分の顔を嫌いになっていく大学生。
거울을 볼 때마다 자신의 얼굴을 더 싫어하게 되는 대학생.
そして、兵役を前に「怖い」と言えない青年。
그리고 군 복무를 앞두고 ‘무섭다’고 말하지 못하는 청년.
5人が抱えている問題は、すべて違います。
다섯 사람이 안고 있는 문제는 모두 다릅니다.
けれど、その奥には似た言葉があります。
하지만 그 깊은 곳에는 비슷한 말이 있습니다.
「もっと頑張らなければ。」
“더 열심히 해야 해.”
「成功しなければ。」
“성공해야 해.”
「きれいでなければ。」
“예뻐야 해.”
「強くなければ。」
“강해야 해.”
「こうでなければならない。」
“이래야만 한다.”
この物語では、チャン・ウォニョン、キム・チャンオク、キム・ミギョンの3人が、そんな若者たちを一人ずつ訪ねます。
이 이야기에서는 장원영, 김창옥, 김미경 세 사람이 그런 청년들을 한 명씩 찾아갑니다.
ウォニョンは、苦しい出来事の中にも別の見方を探します。
원영은 힘든 사건 속에서도 다른 시선을 찾습니다.
キム・チャンオクは、心の中に閉じ込めてきた言葉を外へ出す手伝いをします。
김창옥은 마음속에 가둬두었던 말을 밖으로 꺼낼 수 있도록 돕습니다.
キム・ミギョンは、生活を守りながら次へ進む現実的な方法を考えます。
김미경은 삶을 지키면서 다음으로 나아갈 수 있는 현실적인 방법을 찾습니다.
3人は毎回、冗談のように「ポジティブ競争」を始めます。
세 사람은 매번 장난처럼 ‘긍정 경쟁’을 시작합니다.
誰が一番早く、この状況から良いものを見つけられるか。
누가 가장 먼저 이 상황에서 좋은 것을 발견할 수 있을까.
けれど、物語が進むにつれて、その競争の意味も変わっていきます。
하지만 이야기가 진행될수록 그 경쟁의 의미도 달라집니다.
本当に一番ポジティブなのは、3人ではありません。
정말 가장 긍정적인 사람은 세 사람이 아닙니다.
怖くても話した人。
무서워도 말한 사람.
疲れていると認めた人。
지쳤다는 것을 인정한 사람.
食べることを選んだ人。
먹는 것을 선택한 사람.
休むことを選んだ人。
쉬는 것을 선택한 사람.
もう一度、自分自身を選んだ人。
다시 한번 자기 자신을 선택한 사람.
そんな若者たち自身でした。
바로 그런 청년들 자신이었습니다.
これは、「何でもラッキーと思えばいい」という物語ではありません。
이것은 ‘모든 일을 럭키라고 생각하면 된다’는 이야기가 아닙니다.
ラッキーと言えない日もあります。
럭키라고 말할 수 없는 날도 있습니다.
そんな日は、つらかったと言っていい。
그런 날에는 힘들었다고 말해도 됩니다.
そして明日、小さなラッキーを一つ探せばいい。
그리고 내일 작은 럭키 하나를 찾아보면 됩니다.
韓国編は、そんなポジティブの形を探す5つの物語です。
한국 편은 그런 긍정의 모습을 찾아가는 다섯 개의 이야기입니다.
(本稿に記されている対話はすべて仮想のものであり、実在の人物・発言とは関係ありません。)
第6話 一番でなければ意味がない - 제6화 1등이 아니면 의미가 없다

午後十一時十分。
오후 11시 10분.
ソウル。
서울.
有名な学習塾が集まる街では、まだ多くの学生が歩いていた。
유명 학원들이 모여 있는 거리에는 아직도 많은 학생들이 걷고 있었다.
大きなリュック。
커다란 가방.
参考書。
참고서.
イヤホン。
이어폰.
コンビニのコーヒー。
편의점 커피.
眠そうな顔。
졸린 얼굴.
街は夜なのに、まだ一日が終わっていないようだった。
밤이 깊었지만, 이곳에서는 아직 하루가 끝나지 않은 것처럼 보였다.
その中を、一人の女子高校生が歩いていた。
그 사이로 한 여고생이 걷고 있었다.
17歳。
열일곱 살.
名前はソヨン。
이름은 서연.
高校二年生。
고등학교 2학년이었다.
手には、今日返された模試の成績表がある。
손에는 오늘 돌려받은 모의고사 성적표가 들려 있었다.
全国順位。
전국 순위.
学校順位。
학교 순위.
科目別偏差値。
과목별 성적.
数字が細かく並んでいた。
수많은 숫자가 빼곡하게 적혀 있었다.
いつもなら上位にいる。
평소라면 늘 상위권이었다.
今回は違った。
하지만 이번에는 달랐다.
順位が大きく下がった。
순위가 크게 떨어졌다.
ソヨンは紙を何度も見た。
서연은 성적표를 몇 번이고 다시 보았다.
そして、スマートフォンを開く。
그리고 스마트폰을 열었다.
母親からメッセージ。
엄마에게서 메시지가 와 있었다.
「結果どうだった?」
“결과 어떻게 나왔어?”
ソヨンは返信欄を開く。
서연은 답장 창을 열었다.
何も書けない。
아무 말도 쓸 수 없었다.
画面を閉じた。
그녀는 화면을 껐다.
家に帰ったのは午前零時を過ぎてからだった。
집에 도착했을 때는 이미 자정이 지나 있었다.
母親はまだ起きていた。
엄마는 아직 잠들지 않고 기다리고 있었다.
「お疲れさま。」
“고생했어.”
「うん。」
“응.”
「模試どうだった?」
“모의고사는 어땠어?”
ソヨンは靴を脱ぎながら答える。
서연은 신발을 벗으며 대답했다.
「普通。」
“그냥 그랬어.”
「順位は?」
“등수는?”
「まだちゃんと見てない。」
“아직 제대로 안 봤어.”
「そう。」
“그래.”
母親は少し間を置いて言った。
엄마는 잠시 말을 멈췄다가 말했다.
「次は頑張ればいいよ。」
“다음에 더 열심히 하면 되지.”
悪い言葉ではなかった。
나쁜 말은 아니었다.
でも、ソヨンにはこう聞こえた。
하지만 서연에게는 이렇게 들렸다.
「今のままでは足りない。」
“지금의 너로는 부족해.”
自分の部屋へ入る。
서연은 자기 방으로 들어갔다.
机の上には参考書が積まれている。
책상 위에는 참고서가 높이 쌓여 있었다.
壁には志望大学の名前。
벽에는 목표 대학의 이름이 붙어 있었다.
スマートフォンには、同じ塾へ通う友人たちのメッセージ。
스마트폰에는 같은 학원에 다니는 친구들의 메시지가 계속 올라왔다.
「今回上がった!」
“이번에 올랐어!”
「数学やばかった。」
“수학 진짜 어려웠다.”
「次こそ一桁いきたい。」
“다음에는 꼭 한 자릿수 등수 찍고 싶어.”
ソヨンは何も返さない。
서연은 아무 답장도 하지 않았다.
鏡を見る。
거울을 바라봤다.
疲れた顔。
지쳐 보이는 얼굴.
そして小さく言った。
그리고 아주 작은 목소리로 말했다.
「私は、下がったら何が残るんだろう。」
“내 등수가 내려가면… 나한테는 뭐가 남는 걸까.”
数日後。
며칠 뒤.
高校の相談担当者から、三人の女性へ連絡が入った。
학교 상담 담당자로부터 세 사람에게 연락이 왔다.
チャン・ウォニョン。
장원영.
キム・チャンオク。
김창옥.
キム・ミギョン。
김미경.
三人は、ソウル市内の小さなカフェで話を聞いていた。
세 사람은 서울의 작은 카페에 모여 이야기를 듣고 있었다.
キム・ミギョンが資料を見る。
김미경이 자료를 살펴봤다.
「成績は十分高いですね。」
“성적은 여전히 아주 좋은데요.”
キム・チャンオクが言う。
김창옥이 말했다.
「だから苦しいんでしょう。」
“그래서 더 힘든 겁니다.”
ウォニョンが顔を上げる。
원영이 고개를 들었다.
「高いから?」
“성적이 높아서요?”
「はい。」
“네.”
「高い位置にいる人ほど、下がる怖さがあります。」
“높은 곳에 오래 있던 사람일수록 내려가는 것을 더 무서워할 수 있어요.”
ウォニョンは少し考える。
원영은 잠시 생각했다.
「分かる気がします。」
“조금 알 것 같아요.”
「ずっと良い状態で見られていると、少し崩れただけでも、自分全部が崩れたように感じることがあります。」
“계속 좋은 모습만 보여줘야 한다고 느끼면, 조금만 흔들려도 내 전부가 무너진 것처럼 느껴질 때가 있어요.”
キム・ミギョンが言った。
김미경이 말했다.
「今回の目的は順位を戻すことではありません。」
“이번에 우리가 해야 할 일은 등수를 다시 올리는 게 아닙니다.”
ウォニョンが聞く。
원영이 물었다.
「じゃあ何ですか?」
“그럼 뭘 해야 하죠?”
「順位と本人の価値を、一度離してあげることです。」
“등수와 이 아이의 가치를 잠시 떼어놓는 겁니다.”
キム・チャンオクが笑う。
김창옥이 미소를 지었다.
「今回も競争にしますか?」
“이번에도 긍정 경쟁을 해볼까요?”
ウォニョンも笑った。
원영도 웃었다.
「せっかくなので。」
“좋아요. 해봐요.”
キム・ミギョンが聞く。
김미경이 물었다.
「何を競います?」
“이번에는 뭘로 경쟁할까요?”
ウォニョンは少し考えてから答えた。
원영은 잠시 생각한 뒤 대답했다.
「誰が一番早く、ソヨンさんの中に順位以外の長所を見つけられるか。」
“누가 제일 먼저 서연이에게서 성적과 상관없는 장점을 많이 찾아내는지 해봐요.”
三人は、翌日の夕方、塾近くの小さなカフェでソヨンと会った。
세 사람은 다음 날 저녁, 학원 근처의 작은 카페에서 서연을 만났다.
ソヨンは少し緊張していた。
서연은 조금 긴장한 표정이었다.
「すみません。」
“죄송합니다.”
ウォニョンが笑う。
원영이 웃었다.
「最初に謝らなくて大丈夫です。」
“처음부터 미안하다고 하지 않아도 돼요.”
「でも、こんなことで。」
“하지만 이런 일로……”
キム・チャンオクがすぐ聞いた。
김창옥이 바로 물었다.
「こんなこと?」
“이런 일이라니요?”
ソヨンは黙った。
서연은 입을 다물었다.
「もっと大変な人もいます。」
“저보다 더 힘든 사람도 많잖아요.”
「私は別に。」
“저는 뭐……”
少し間があった。
잠시 침묵이 흘렀다.
「恵まれてます。」
“충분히 좋은 환경에 있어요.”
キム・チャンオクが静かに言った。
김창옥이 조용히 말했다.
「苦しさに順位をつけなくていいんですよ。」
“힘듦에도 등수를 매길 필요는 없습니다.”
ソヨンが顔を上げる。
서연이 고개를 들었다.
「誰かのほうが苦しいから、自分は苦しくないことにしなくていい。」
“누군가가 더 힘들다고 해서, 내 힘듦이 없어지는 건 아니에요.”
ソヨンは何も言わなかった。
서연은 아무 말도 하지 않았다.
ウォニョンが模試の結果を見せてもらった。
원영은 서연의 모의고사 성적표를 받아 보았다.
「この順位が下がった日、最初に何を思いました?」
“등수가 떨어진 걸 봤을 때 제일 먼저 무슨 생각이 들었어요?”
「終わった。」
“끝났다.”
「何が終わった?」
“뭐가 끝났다고 생각했어요?”
ソヨンは少し考えた。
서연은 잠시 생각했다.
「将来。」
“제 미래요.”
「一回の模試で?」
“모의고사 한 번으로요?”
「頭では違うって分かってます。」
“머리로는 아니라는 걸 알아요.”
「でも。」
“그런데.”
「友達は上がってる。」
“친구들은 올랐고.”
「私は下がった。」
“저는 떨어졌어요.”
「親も期待してる。」
“부모님도 기대하고 있고.”
「先生も。」
“선생님도요.”
ウォニョンは聞いた。
원영이 물었다.
「自分まで下がった気がした?」
“등수만 떨어진 게 아니라, 나 자신까지 떨어진 것 같았어요?”
ソヨンの目が少し動いた。
서연의 눈빛이 흔들렸다.
「はい。」
“네.”
ウォニョンはうなずいた。
원영은 고개를 끄덕였다.
「私も、数字で見られることがあります。」
“저도 숫자로 평가받을 때가 있어요.”
「順位。」
“순위.”
「再生回数。」
“조회수.”
「人気。」
“인기.”
「評価。」
“평가.”
ソヨンは真剣に聞いていた。
서연은 진지하게 듣고 있었다.
「数字って、分かりやすいです。」
“숫자는 아주 이해하기 쉬워요.”
「でも、分かりやすすぎるんです。」
“그런데 너무 이해하기 쉬워서 문제가 될 때도 있어요.”
「数字が悪いと、自分まで悪くなったように感じる。」
“숫자가 나쁘면, 나까지 나빠진 것처럼 느껴져요.”
「でも、その数字はあなたの全部を測ってない。」
“하지만 그 숫자가 서연 씨의 전부를 측정하는 건 아니에요.”
キム・ミギョンがノートを開いた。
김미경이 노트를 펼쳤다.
「一週間の予定を見せてもらえますか?」
“일주일 일정을 보여줄 수 있을까요?”
ソヨンはスマートフォンを見せた。
서연은 스마트폰 일정표를 보여주었다.
学校。
학교.
塾。
학원.
自習。
자습.
模試。
모의고사.
宿題。
숙제.
睡眠。
수면.
キム・ミギョンは画面を見つめた。
김미경은 화면을 한참 바라보았다.
「睡眠、何時間ですか?」
“잠은 몇 시간 자요?”
「五時間くらいです。」
“다섯 시간 정도요.”
「土日は?」
“주말은요?”
「六時間。」
“여섯 시간이요.”
「運動は?」
“운동은요?”
「しません。」
“안 해요.”
「友達と遊ぶ時間は?」
“친구들과 노는 시간은요?”
ソヨンは少し笑った。
서연은 작게 웃었다.
「受験が終わってから。」
“입시 끝나고요.”
キム・ミギョンは予定表を閉じた。
김미경은 일정표 화면을 닫았다.
「これは努力の予定表ではありません。」
“이건 노력의 시간표가 아닙니다.”
ソヨンが見る。
서연이 그녀를 바라봤다.
「何ですか?」
“그럼 뭔가요?”
「消耗の予定表です。」
“소진의 시간표예요.”
ソヨンは少し笑った。
서연은 조금 웃었다.
「でも、みんなこれくらいやってます。」
“하지만 다들 이 정도는 해요.”
キム・ミギョンは首を振った。
김미경은 고개를 저었다.
「みんなが疲れているなら、疲れる方法が正しいとは限りません。」
“모두가 지쳐 있다고 해서, 지치는 방식이 옳다는 뜻은 아닙니다.”
ウォニョンが小さくうなずいた。
원영도 작게 고개를 끄덕였다.
「休むと遅れる感じ、ありますよね。」
“쉬면 뒤처지는 느낌이 들죠.”
ソヨンはすぐ答えた。
서연은 바로 대답했다.
「すごくあります。」
“엄청요.”
「私が一時間休んでる間に、誰かが一時間勉強してると思う。」
“제가 한 시간 쉬는 동안 누군가는 한 시간 더 공부하고 있을 것 같아요.”
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「では、その誰かが眠っている間も、ずっと勉強しますか?」
“그럼 그 누군가가 자는 동안에도 계속 공부할 건가요?”
ソヨンは少し笑った。
서연은 조금 웃었다.
「それは無理です。」
“그건 못 하죠.”
「そうですよね。」
“그렇죠.”
「競争には終わりがありません。」
“경쟁에는 끝이 없습니다.”
「だから、自分で止まる場所を決めないといけない。」
“그래서 내가 멈출 지점을 스스로 정해야 해요.”
キム・チャンオクが続けた。
김창옥이 말을 이었다.
「ソヨンさん。」
“서연 씨.”
「一番怖いのは、大学に落ちることですか?」
“가장 두려운 건 대학에 떨어지는 건가요?”
「はい。」
“네.”
「本当に?」
“정말요?”
ソヨンは少し迷った。
서연은 잠시 망설였다.
「たぶん。」
“아마도요.”
「もし落ちても、誰も怒らないと言われたら?」
“만약 떨어져도 아무도 화내지 않는다고 하면요?”
ソヨンは黙った。
서연은 말이 없었다.
「それでも怖い?」
“그래도 무서울까요?”
長い沈黙。
긴 침묵이 이어졌다.
「少し違うかもしれません。」
“조금 다른 것 같아요.”
「何が怖い?」
“뭐가 가장 무서워요?”
ソヨンの目に涙がたまった。
서연의 눈에 눈물이 고였다.
「お母さんが。」
“엄마가……”
声が震えた。
목소리가 떨렸다.
「がっかりするのが怖いです。」
“실망할까 봐 무서워요.”
三人とも黙っていた。
세 사람 모두 조용히 있었다.
ソヨンは続けた。
서연이 말을 이어갔다.
「お母さん、ずっと私のためにお金払ってくれて。」
“엄마가 계속 저를 위해 돈을 써주셨어요.”
「塾も。」
“학원도.”
「教材も。」
“교재도.”
「私は、いい大学に入ったら喜んでくれると思って。」
“좋은 대학에 들어가면 엄마가 좋아할 거라고 생각했어요.”
「だから落ちたら。」
“그래서 떨어지면……”
「全部無駄にしたみたいで。」
“모든 걸 헛되게 만든 것 같을 것 같아요.”
キム・チャンオクが静かに言った。
김창옥이 조용히 말했다.
「もしかしたら。」
“어쩌면.”
「大学に落ちることより。」
“대학에 떨어지는 것보다.”
「愛されなくなることが怖いのではありませんか。」
“사랑받지 못하게 될까 봐 두려운 건 아닐까요?”
その瞬間、ソヨンの涙が落ちた。
그 순간 서연의 눈물이 흘러내렸다.
ウォニョンがティッシュを差し出した。
원영은 티슈를 건넸다.
「今日、一つラッキーを探してもいいですか?」
“오늘 여기서 작은 행운 하나 찾아봐도 될까요?”
ソヨンが涙を拭きながら笑った。
서연은 눈물을 닦으며 웃었다.
「こんなところに?」
“이런 상황에서도요?”
「うん。」
“응.”
「今日、成績の話をしに来たと思っていました。」
“오늘은 성적 때문에 온 줄 알았어요.”
「でも、本当に怖かったことが見つかった。」
“그런데 진짜 두려웠던 게 뭔지 찾았잖아요.”
「それって、かなり大きな発見だと思います。」
“그건 꽤 큰 발견이라고 생각해요.”
ソヨンは少し考えた。
서연은 잠시 생각했다.
「問題が増えた気もしますけど。」
“문제가 더 커진 것 같기도 한데요.”
ウォニョンは笑った。
원영이 웃었다.
「見えない問題より、見える問題のほうがいいです。」
“보이지 않는 문제보다는 보이는 문제가 낫죠.”
ソヨンも少し笑った。
서연도 조금 웃었다.
キム・ミギョンが紙を二つに分けた。
김미경은 종이를 두 칸으로 나눴다.
左側に書いた。
왼쪽에 적었다.
「成績を上げる」
「성적을 올린다」
右側に書いた。
오른쪽에 적었다.
「自分を壊さない」
「나를 망가뜨리지 않는다」
「これから、この二つを同じくらい大事にします。」
“앞으로는 이 두 가지를 같은 만큼 중요하게 생각합시다.”
ソヨンが驚いた。
서연은 놀랐다.
「同じくらい?」
“같은 만큼이요?”
「はい。」
“네.”
「睡眠を一時間増やす。」
“수면을 한 시간 늘리고.”
「週に一回は塾を早く出る。」
“일주일에 한 번은 학원을 일찍 나오고.”
「模試の翌日は、復習だけにする。」
“모의고사 다음 날은 복습만 하고.”
「友達と食事をする時間も予定に入れる。」
“친구들과 밥 먹는 시간도 일정에 넣는 겁니다.”
ソヨンが心配そうに聞いた。
서연이 걱정스러운 표정으로 물었다.
「それで順位が下がったら?」
“그러다가 등수가 더 떨어지면요?”
キム・ミギョンは笑った。
김미경은 웃었다.
「壊れない方法で勉強して、それでも下がったなら、そこから考えればいい。」
“나를 망가뜨리지 않는 방식으로 공부했는데도 떨어진다면, 그때 다시 생각하면 됩니다.”
「壊れてから考えるよりずっといいです。」
“망가진 뒤에 생각하는 것보다 훨씬 낫습니다.”
ウォニョンが急に手をたたいた。
원영이 갑자기 손뼉을 쳤다.
「では、ポジティブ競争を始めましょう。」
“그럼 긍정 경쟁을 시작해 볼까요?”
ソヨンも笑った。
서연도 웃었다.
「本当にやるんですね。」
“진짜 하는 거예요?”
「もちろん。」
“물론이죠.”
「一分間で、成績とは関係ないソヨンさんの長所を見つけます。」
“1분 동안 성적과 상관없는 서연 씨의 장점을 찾아볼게요.”
キム・ミギョンが時計を見る。
김미경이 시계를 봤다.
「スタート。」
“시작.”
ウォニョン。
원영.
「正直。」
“솔직함.”
キム・ミギョン。
김미경.
「責任感。」
“책임감.”
キム・チャンオク。
김창옥.
「家族思い。」
“가족을 아끼는 마음.”
ウォニョン。
원영.
「我慢強い。」
“끈기.”
キム・ミギョン。
김미경.
「計画性がある。」
“계획성이 있어요.”
キム・チャンオク。
김창옥.
「期待されることを大切にできる。」
“다른 사람의 기대를 소중하게 생각할 줄 알아요.”
ウォニョン。
원영.
「話す勇気がある。」
“말할 용기가 있어요.”
キム・ミギョン。
김미경.
「助けを受け入れる力がある。」
“도움을 받아들일 힘도 있어요.”
ソヨンが笑い始めた。
서연이 웃기 시작했다.
「もういいです。」
“이제 됐어요.”
ウォニョンが言う。
원영이 말했다.
「まだ二十秒あります。」
“아직 20초 남았어요.”
「そんなにあるんですか?」
“저한테 그렇게 많아요?”
キム・チャンオクが笑った。
김창옥이 웃었다.
「成績表には書いてないだけです。」
“성적표에 적혀 있지 않을 뿐이에요.”
その日の夜。
그날 밤.
三人はソヨンと母親が話す場に一緒にいた。
세 사람은 서연과 어머니가 대화하는 자리에 함께 있었다.
ソヨンは何度も言葉に詰まった。
서연은 몇 번이나 말을 멈췄다.
「お母さん。」
“엄마.”
「うん。」
“응.”
「今回、順位下がった。」
“이번에 등수가 떨어졌어.”
母親は静かに聞いていた。
어머니는 조용히 듣고 있었다.
「ごめんなさい。」
“미안해.”
母親の表情が変わった。
어머니의 표정이 바뀌었다.
「なんで謝るの?」
“왜 미안해?”
ソヨンは涙をこらえた。
서연은 눈물을 참았다.
「お金もいっぱい払ってもらって。」
“엄마가 돈도 많이 써줬고.”
「もし大学落ちたら。」
“만약 대학에 떨어지면.”
「がっかりする?」
“실망할 거야?”
母親はしばらく何も言えなかった。
어머니는 잠시 아무 말도 하지 못했다.
そして、ソヨンの手を握った。
그리고 서연의 손을 잡았다.
「大学に落ちたら、悲しいかもしれない。」
“대학에 떨어지면 속상할 수도 있지.”
ソヨンの顔が固くなる。
서연의 얼굴이 굳었다.
母親は続けた。
어머니는 말을 이어갔다.
「でも。」
“하지만.”
「あなたが壊れるほうが、ずっと悲しい。」
“네가 무너지는 게 훨씬 더 슬퍼.”
ソヨンの涙が一気に落ちた。
서연의 눈물이 한꺼번에 쏟아졌다.
「私は。」
“나는.”
「あなたが一番になってほしいんじゃない。」
“네가 꼭 1등이 되길 바라는 게 아니야.”
「元気でいてほしい。」
“건강하게 있어 줬으면 좋겠어.”
ソヨンは泣きながら笑った。
서연은 울면서 웃었다.
「それ、先に言ってよ。」
“그 말을 진작 해주지.”
母親も泣きながら笑った。
어머니도 울면서 웃었다.
「ごめん。」
“미안해.”
帰り道。
돌아가는 길.
三人は漢江沿いを歩いていた。
세 사람은 한강을 따라 걷고 있었다.
ウォニョンが聞いた。
원영이 물었다.
「今日の勝者は誰ですか?」
“오늘 긍정 경쟁 우승자는 누구예요?”
キム・ミギョンがすぐ答えた。
김미경이 바로 대답했다.
「お母さん。」
“어머니요.”
キム・チャンオクもうなずいた。
김창옥도 고개를 끄덕였다.
「私もそう思います。」
“저도 그렇게 생각합니다.”
ウォニョンが少し残念そうに笑った。
원영은 조금 아쉬운 듯 웃었다.
「また負けました。」
“또 졌네요.”
キム・チャンオクが笑う。
김창옥이 웃었다.
「いい競争ですよ。」
“좋은 경쟁이죠.”
「私たちが負けるほど、本人たちは元気になる。」
“우리가 질수록 당사자는 더 강해지니까요.”
ウォニョンも笑った。
원영도 웃었다.
「それなら、ずっと負けてもいいですね。」
“그렇다면 계속 져도 괜찮겠네요.”
一週間後。
일주일 뒤.
ソヨンから写真が届いた。
서연에게서 사진이 한 장 도착했다.
友達とトッポッキを食べている写真だった。
친구들과 떡볶이를 먹고 있는 사진이었다.
メッセージが添えられていた。
메시지도 함께 적혀 있었다.
「今日は塾を一時間早く出ました。」
“오늘은 학원을 한 시간 일찍 나왔어요.”
その下にもう一行。
그 아래에 한 줄이 더 있었다.
「少し罪悪感があります。」
“조금 죄책감이 들어요.”
そして、最後に。
그리고 마지막으로.
「でも、おいしかったです。」
“그래도 맛있었어요.”
ウォニョンは笑った。
원영은 웃었다.
「これはラッキーですね。」
“이건 럭키네요.”
キム・ミギョンが言った。
김미경이 말했다.
「罪悪感が消えてから休むのではなく、罪悪感があっても休めた。」
“죄책감이 사라진 뒤에 쉰 게 아니라, 죄책감이 있어도 쉴 수 있었네요.”
キム・チャンオクが微笑んだ。
김창옥이 미소 지었다.
「それが変化です。」
“그게 변화입니다.”
数週間後。
몇 주 뒤.
次の模試の結果が出た。
다음 모의고사 결과가 나왔다.
ソヨンの順位は、少し上がった。
서연의 등수는 조금 올랐다.
以前なら、その数字を何度も確認していただろう。
예전 같았다면 그 숫자를 몇 번이고 확인했을 것이다.
でも今回は違った。
하지만 이번에는 달랐다.
ソヨンは成績表を一度見たあと、机の引き出しへ入れた。
서연은 성적표를 한 번 본 뒤 서랍에 넣었다.
そして友達へメッセージを送った。
그리고 친구에게 메시지를 보냈다.
「今日、何食べる?」
“오늘 뭐 먹을래?”
友達からすぐ返事が来た。
친구에게서 바로 답장이 왔다.
「トッポッキ。」
“떡볶이.”
ソヨンは笑った。
서연은 웃었다.
順位が上がったから笑ったのではなかった。
등수가 올라서 웃은 것은 아니었다.
順位が自分の全部ではなくなったからだった。
등수가 더 이상 자신의 전부가 아니었기 때문이다.
その夜。
그날 밤.
ソヨンはノートの最後のページに一行だけ書いた。
서연은 노트 마지막 페이지에 한 줄을 적었다.
「一番じゃなくても、私は私のまま残っている。」
“1등이 아니어도, 나는 여전히 나다.”
その言葉の下に、小さくもう一つ書き加えた。
그 아래에 아주 작게 한 줄을 더 적었다.
「今日は、それで十分。」
“오늘은 그걸로 충분하다.”
第7話 夢のために食べない少女 - 제7화 꿈을 위해 먹지 않는 소녀

午後七時。
오후 7시.
ソウル江南。
서울 강남.
高層ビルの地下にあるダンススタジオから、大きな音楽が響いていた。
고층 빌딩 지하의 댄스 연습실에서는 큰 음악 소리가 울려 퍼지고 있었다.
鏡張りの部屋。
거울로 둘러싸인 연습실.
汗だくの練習生たち。
땀에 젖은 연습생들.
何度も繰り返されるダンス。
끝없이 반복되는 안무.
「もう一回!」
“한 번 더!”
インストラクターの声が響く。
트레이너의 목소리가 연습실을 가득 채웠다.
その中で、一人の少女が踊っていた。
그 가운데 한 소녀가 춤을 추고 있었다.
18歳。
열여덟 살.
名前はジウン。
이름은 지은.
幼いころからアイドルになる夢だけを見てきた。
어릴 때부터 아이돌이 되는 꿈만 바라보고 살아왔다.
歌。
노래.
ダンス。
춤.
語学。
외국어.
表情の練習。
표정 연기.
毎日十時間以上。
매일 열 시간이 넘는 연습.
それでもデビューできる保証はない。
그렇다고 데뷔가 보장되는 것도 아니었다.
練習が終わったのは夜十時。
연습이 끝난 것은 밤 10시였다.
他の練習生たちはコンビニへ向かった。
다른 연습생들은 편의점으로 향했다.
ジウンだけは部屋へ残った。
지은만 연습실에 남아 있었다.
バッグから水だけを取り出す。
가방에서 물병만 꺼냈다.
ゆっくり飲む。
천천히 물을 마셨다.
お腹は空いていた。
배는 고팠다.
でも食べなかった。
하지만 먹지 않았다.
数日前、体重測定があった。
며칠 전 체중 측정이 있었다.
「あと一キロ落とそう。」
“1킬로만 더 빼보자.”
スタッフは軽く言った。
스태프는 가볍게 말했다.
責めたわけではない。
비난한 것도 아니었다.
それでもジウンの心には、その一言だけが残った。
하지만 지은의 마음에는 그 한마디만 남아 있었다.
翌日。
다음 날.
午前十一時。
오전 11시.
練習中、ジウンは急にふらついた。
연습 도중 지은은 갑자기 비틀거렸다.
音楽が止まる。
음악이 멈췄다.
仲間が駆け寄る。
연습생들이 달려왔다.
「大丈夫?」
“괜찮아?”
ジウンは笑った。
지은은 웃으며 말했다.
「大丈夫。」
“괜찮아.”
その笑顔は少し苦しかった。
하지만 그 미소는 힘겨워 보였다.
事務所の担当者は心配になり、知人を通して三人へ相談した。
소속사 관계자는 걱정이 되어 지인을 통해 세 사람에게 상담을 요청했다.
チャン・ウォニョン。
장원영.
キム・チャンオク。
김창옥.
キム・ミギョン。
김미경.
三人は静かなカフェで話を聞いていた。
세 사람은 조용한 카페에서 이야기를 듣고 있었다.
キム・ミギョンが資料を見る。
김미경이 자료를 살펴봤다.
「健康診断では問題ありません。」
“건강검진에는 큰 이상이 없습니다.”
キム・チャンオクが言う。
김창옥이 말했다.
「でも心は限界に近いですね。」
“하지만 마음은 거의 한계에 와 있습니다.”
ウォニョンは静かにうなずいた。
원영은 조용히 고개를 끄덕였다.
「私も少し分かります。」
“저도 조금은 이해할 수 있어요.”
翌日。
다음 날.
三人はジウンと会った。
세 사람은 지은을 만났다.
ジウンは少し緊張していた。
지은은 조금 긴장한 표정이었다.
「今日はありがとうございます。」
“오늘 와주셔서 감사합니다.”
ウォニョンは優しく笑った。
원영은 부드럽게 미소 지었다.
「今日はダイエットをやめさせに来たわけじゃないよ。」
“오늘 다이어트를 그만두라고 말하러 온 건 아니야.”
ジウンは少し驚いた。
지은은 조금 놀란 표정을 지었다.
「違うんですか?」
“아닌가요?”
「違う。」
“아니야.”
「夢を守る方法を、一緒に考えに来たの。」
“꿈을 지키는 방법을 함께 생각해 보려고 왔어.”
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「ジウンさん。」
“지은 씨.”
「はい。」
“네.”
「一番怖いことは何ですか?」
“가장 두려운 게 무엇인가요?”
「太ることです。」
“살이 찌는 거요.”
「その次は?」
“그 다음은요?”
ジウンは少し考えた。
지은은 잠시 생각했다.
「デビューできないこと。」
“데뷔하지 못하는 거요.”
「その次は?」
“그 다음은요?”
長い沈黙。
긴 침묵이 흘렀다.
そして小さく答えた。
그리고 아주 작은 목소리로 말했다.
「忘れられることです。」
“잊혀지는 거요.”
三人とも何も言わなかった。
세 사람은 아무 말도 하지 않았다.
ウォニョンが静かに話し始めた。
원영이 조용히 입을 열었다.
「私も、いつも見られる仕事をしています。」
“저도 늘 사람들의 시선을 받는 일을 하고 있어요.”
「体型も。」
“체형도.”
「表情も。」
“표정도.”
「写真も。」
“사진도.”
「全部見られます。」
“모든 것이 평가받죠.”
ジウンは真剣に聞いていた。
지은은 진지하게 듣고 있었다.
「でもね。」
“그런데 말이야.”
「夢をかなえるために体を守ることと、夢のために体を壊すことは、同じじゃない。」
“꿈을 이루기 위해 몸을 관리하는 것과, 꿈 때문에 몸을 망치는 것은 전혀 다른 일이야.”
ジウンは目を伏せた。
지은은 고개를 숙였다.
キム・ミギョンがノートを開いた。
김미경이 노트를 펼쳤다.
「質問があります。」
“질문이 있어요.”
「今、デビューしたら。」
“지금 당장 데뷔하게 된다면.”
「この体力で一年活動できますか?」
“지금 체력으로 1년 동안 활동할 수 있을까요?”
ジウンは答えられなかった。
지은은 대답하지 못했다.
「半年は?」
“6개월은요?”
沈黙。
침묵.
「三か月は?」
“3개월은요?”
ジウンは小さく首を横に振った。
지은은 작게 고개를 저었다.
ウォニョンが笑った。
원영이 미소를 지었다.
「じゃあ今日はポジティブ競争。」
“그럼 오늘도 긍정 경쟁을 해볼까?”
ジウンも少し笑った。
지은도 조금 웃었다.
「今回は何ですか?」
“이번에는 뭘로요?”
「誰が一番、夢を長く続けられる方法を見つけられるか。」
“누가 가장 오래 꿈을 이어갈 수 있는 방법을 찾는지.”
キム・チャンオクが言う。
김창옥이 말했다.
「私はまず、ご飯を食べながら話したいです。」
“저는 우선 밥을 먹으면서 이야기하고 싶습니다.”
ジウンは少し困ったように笑う。
지은은 난처한 듯 웃었다.
「今日は食べてもいい日です。」
“오늘은 먹어도 되는 날이에요.”
ウォニョンが首をかしげる。
원영이 고개를 갸웃했다.
「食べてもいい日?」
“먹어도 되는 날?”
「はい。」
“네.”
「食べてはいけない日もあります。」
“먹으면 안 되는 날도 있어요.”
ウォニョンは静かに言った。
원영은 조용히 말했다.
「そのルールを決めた人は、あなたの夢を応援している人?」
“그 규칙을 만든 사람이 정말 네 꿈을 지켜주는 사람일까?”
ジウンは何も答えられなかった。
지은은 아무 대답도 하지 못했다.
三人は近くの食堂へ入った。
세 사람은 근처 식당으로 들어갔다.
温かいスープが運ばれてくる。
따뜻한 국이 나왔다.
ジウンは最初、スプーンを持てなかった。
지은은 처음에는 숟가락을 들지 못했다.
ウォニョンが一口食べる。
원영이 먼저 한 숟갈을 먹었다.
「おいしい。」
“맛있다.”
キム・チャンオクも笑う。
김창옥도 웃었다.
「本当に。」
“정말 맛있네요.”
キム・ミギョンが続く。
김미경도 한 숟갈을 먹었다.
「体が喜んでいます。」
“몸이 좋아하는 맛이에요.”
三人を見ていたジウンは、小さく笑った。
세 사람을 바라보던 지은도 작게 웃었다.
そして、ゆっくりスプーンを手に取った。
그리고 천천히 숟가락을 들었다.
一口。
한 숟갈.
また一口。
또 한 숟갈.
目に涙が浮かんだ。
눈가에 눈물이 맺혔다.
「久しぶりです。」
“오랜만이에요.”
「こんなに安心して食べたの。」
“이렇게 마음 편하게 밥을 먹은 게.”
帰り際。
ウォニョンはジウンへ言った。
돌아가는 길에 원영이 지은에게 말했다.
「デビューは夢。」
“데뷔는 꿈이야.”
「でも。」
“하지만.”
「あなた自身は、それより大切。」
“너 자신은 그 꿈보다 더 소중해.”
ジウンは静かにうなずいた。
지은은 조용히 고개를 끄덕였다.
その日、彼女が守ったのは体重ではなかった。
그날 그녀가 지킨 것은 체중이 아니었다.
未来だった。
바로 자신의 미래였다.
食事を終えた四人は、ゆっくり店を出た。
식사를 마친 네 사람은 천천히 식당을 나섰다.
夜風は昼間より少し涼しかった。
밤바람은 낮보다 조금 시원했다.
ジウンは久しぶりに満腹感を感じていた。
지은은 오랜만에 배부름을 느끼고 있었다.
その感覚が少し怖かった。
하지만 그 감각이 조금 두려웠다.
「明日、体重が増えていたらどうしよう。」
“내일 체중이 늘어 있으면 어떡하지...”
思わず本音が口からこぼれた。
무심코 속마음이 입 밖으로 흘러나왔다.
三人はすぐには答えなかった。
세 사람은 바로 대답하지 않았다.
少し歩いてから、ウォニョンが話し始めた。
잠시 걸은 뒤 원영이 조용히 입을 열었다.
「ジウンさん。」
“지은 씨.”
「はい。」
“네.”
「今、一番守りたいものは何?」
“지금 가장 지키고 싶은 게 뭐야?”
ジウンは迷わず答えた。
지은은 망설임 없이 대답했다.
「夢です。」
“꿈이요.”
ウォニョンは優しくうなずいた。
원영은 부드럽게 고개를 끄덕였다.
「じゃあ、その夢は誰がかなえるの?」
“그럼 그 꿈은 누가 이루는 거야?”
「私です。」
“제가요.”
「そう。」
“맞아.”
「だから、一番守らなければいけないのは、夢じゃない。」
“그래서 가장 먼저 지켜야 하는 건 꿈이 아니야.”
「夢をかなえるあなた自身。」
“그 꿈을 이룰 바로 너야.”
ジウンは足を止めた。
지은은 걸음을 멈췄다.
その言葉を何度も心の中で繰り返した。
그 말을 마음속으로 여러 번 되새겼다.
キム・チャンオクが静かに続けた。
김창옥이 조용히 말을 이었다.
「ジウンさん。」
“지은 씨.”
「もし明日、デビューできると言われたら。」
“만약 내일 당장 데뷔할 수 있다고 하면.”
「今のままの生活を続けますか?」
“지금 같은 생활을 계속할 수 있을까요?”
ジウンは首を横に振った。
지은은 고개를 저었다.
「無理です。」
“못 합니다.”
「ステージの途中で倒れるかもしれません。」
“무대에서 쓰러질지도 몰라요.”
「歌えなくなるかもしれません。」
“노래도 못 할 수 있어요.”
キム・チャンオクは微笑んだ。
김창옥이 미소 지었다.
「それが答えです。」
“그게 답입니다.”
キム・ミギョンはノートを開いた。
김미경은 노트를 펼쳤다.
紙を真ん中で二つに分ける。
종이를 가운데에서 둘로 나누었다.
左にはこう書いた。
왼쪽에는 이렇게 적었다.
「今日の評価」
「오늘의 평가」
右にはこう書いた。
오른쪽에는 이렇게 적었다.
「十年後の私」
「10년 후의 나」
「どちらを選びますか?」
“둘 중 무엇을 선택할래요?”
ジウンは少し笑った。
지은은 작게 웃었다.
「十年後です。」
“10년 후요.”
「では。」
“그렇다면.”
「今日だけを見て自分を苦しめるのは終わりです。」
“오늘 하루의 평가만으로 자신을 괴롭히는 건 이제 끝내야 합니다.”
ウォニョンが突然笑い出した。
원영이 갑자기 웃기 시작했다.
「そうだ。」
“맞다.”
「今日のポジティブ競争の結果を発表します。」
“오늘 긍정 경쟁 결과를 발표할게.”
ジウンも笑った。
지은도 웃었다.
「もう決まったんですか?」
“벌써 끝난 거예요?”
「もちろん。」
“물론이지.”
キム・ミギョンが聞く。
김미경이 물었다.
「優勝は誰ですか?」
“우승은 누구죠?”
ウォニョンは少し考えるふりをした。
원영은 잠시 생각하는 척했다.
「今回は……。」
“이번에는……”
ジウンを見る。
지은을 바라보았다.
「ジウンさん。」
“지은 씨.”
ジウンは驚く。
지은은 놀랐다.
「私?」
“저요?”
「今日、一番勇気が必要だったことは何?」
“오늘 가장 큰 용기가 필요했던 일이 뭐였지?”
ジウンは少し考える。
지은은 잠시 생각했다.
「ご飯を食べたこと……です。」
“밥을 먹은 거요……”
ウォニョンはうれしそうに笑った。
원영은 환하게 웃었다.
「そう。」
“맞아.”
「それが今日、一番ポジティブだった。」
“그게 오늘 가장 긍정적인 행동이었어.”
帰り道。
ジウンは駅まで三人を送った。
지은은 세 사람을 역까지 배웅했다.
改札の前で立ち止まる。
개찰구 앞에서 발걸음을 멈췄다.
「一つ聞いてもいいですか?」
“하나만 여쭤봐도 될까요?”
「もちろん。」
“물론이지.”
「もしデビューできなかったら。」
“만약 데뷔하지 못하면요.”
「私は失敗ですか?」
“저는 실패한 사람이 되는 걸까요?”
三人は顔を見合わせた。
세 사람은 서로를 바라보았다.
最初に答えたのはキム・チャンオクだった。
가장 먼저 입을 연 사람은 김창옥이었다.
「夢がかなわなかった人はいます。」
“꿈을 이루지 못한 사람은 있습니다.”
「でも。」
“하지만.”
「人生そのものが失敗だった人はいません。」
“인생 자체가 실패한 사람은 없습니다.”
キム・ミギョンが続けた。
김미경이 말을 이었다.
「努力は、デビューだけのためではありません。」
“노력은 데뷔만을 위한 것이 아닙니다.”
「努力した人は、その経験を別の場所でも生かせます。」
“노력한 사람은 그 경험을 다른 곳에서도 살릴 수 있습니다.”
最後にウォニョンが静かに言った。
마지막으로 원영이 조용히 말했다.
「でも。」
“하지만.”
「私は、まだ終わってない夢を失敗とは呼ばない。」
“아직 끝나지 않은 꿈은 실패라고 부르지 않아.”
ジウンの目に涙が浮かんだ。
지은의 눈가에 눈물이 맺혔다.
二週間後。
2주 후.
ウォニョンのスマートフォンに一枚の写真が届いた。
원영의 스마트폰에 사진 한 장이 도착했다.
練習室だった。
연습실 사진이었다.
床にはお弁当箱が置かれている。
바닥에는 도시락이 놓여 있었다.
メッセージが添えられていた。
짧은 메시지도 함께 있었다.
「今日はちゃんと食べました。」
“오늘은 제대로 먹었습니다.”
その下にもう一行。
그 아래에는 한 줄이 더 적혀 있었다.
「前よりよく踊れました。」
“예전보다 더 잘 춤췄습니다.”
ウォニョンは画面を見ながら微笑んだ。
원영은 화면을 보며 미소 지었다.
「よかった。」
“다행이다.”
キム・ミギョンも笑った。
김미경도 웃었다.
「体は正直ですね。」
“몸은 정직하네요.”
キム・チャンオクは静かに窓の外を見た。
김창옥은 조용히 창밖을 바라보았다.
「夢は。」
“꿈은.”
「走る人だけがかなえるものではありません。」
“무조건 달리는 사람만 이루는 것이 아닙니다.”
「休みながらでも。」
“쉬어 가면서도.”
「食べながらでも。」
“잘 먹으면서도.”
「泣きながらでも。」
“울면서도.”
「前へ進み続ける人がかなえるものです。」
“계속 앞으로 나아가는 사람이 이루는 것입니다.”
その夜。
ジウンは練習日誌の最後に、初めてこんな一文を書いた。
그날 밤 지은은 연습 일기의 마지막에 처음으로 이런 문장을 적었다.
「夢を守るために、今日は私も守った。」
“꿈을 지키기 위해, 오늘은 나 자신도 지켰다.”
第8話 百社に断られた青年 - 제8화 백 번 거절당한 청년

午前九時二十分。
오전 9시 20분.
仁川。
인천.
小さなワンルームの床に、スーツ姿の青年が座っていた。
작은 원룸 바닥에 정장을 입은 한 청년이 앉아 있었다.
26歳。
스물여섯 살.
名前はミンジュン。
이름은 민준.
大学を卒業してから、もう一年以上が過ぎていた。
대학을 졸업한 지 벌써 1년이 넘었다.
机の上には履歴書。
책상 위에는 이력서.
自己紹介書。
자기소개서.
資格証明書。
자격증 사본.
英語試験の成績表。
영어 시험 성적표.
そして、何十通もの不採用メール。
그리고 수십 통의 불합격 메일.
ミンジュンは、それを全部保存していた。
민준은 그 메일을 전부 보관하고 있었다.
スマートフォンが鳴った。
스마트폰 알림이 울렸다.
また一通のメール。
또 한 통의 메일이었다.
件名を見ただけで分かった。
제목만 봐도 알 수 있었다.
「選考結果のご案内」
“채용 결과 안내”
ミンジュンはしばらく画面を見ていた。
민준은 한동안 화면만 바라봤다.
そして開いた。
그리고 메일을 열었다.
「慎重に検討した結果、今回はご希望に添えない結果となりました。」
“신중하게 검토한 결과, 이번에는 함께하지 못하게 되었습니다.”
何度も見た文章だった。
수없이 봐온 문장이었다.
ミンジュンはスマートフォンを伏せた。
민준은 스마트폰을 뒤집어 놓았다.
今日で、九十七社目。
오늘로 아흔일곱 번째였다.
母親から電話が来た。
엄마에게서 전화가 왔다.
ミンジュンは出るか迷った。
민준은 받을지 말지 망설였다.
数秒後、電話に出た。
몇 초 뒤 전화를 받았다.
「もしもし。」
“여보세요.”
「今日、面接だったよね?」
“오늘 면접 있었지?”
「うん。」
“응.”
「どうだった?」
“어땠어?”
「普通。」
“그냥 그랬어.”
「結果はいつ?」
“결과는 언제 나온대?”
ミンジュンは少し黙った。
민준은 잠시 말이 없었다.
「まだ。」
“아직.”
嘘だった。
거짓말이었다.
「そう。」
“그래.”
母親は明るい声で続けた。
엄마는 밝은 목소리로 말을 이었다.
「焦らなくていいよ。」
“조급해하지 마.”
「あなたなら絶対大丈夫。」
“너라면 분명 잘될 거야.”
ミンジュンは目を閉じた。
민준은 눈을 감았다.
その言葉を、もう何度聞いただろう。
그 말을 이미 몇 번이나 들었을까.
「うん。」
“응.”
電話を切った。
전화를 끊었다.
部屋の壁には、大学時代の写真が貼ってあった。
벽에는 대학 시절 사진이 붙어 있었다.
卒業式。
졸업식.
友人たち。
친구들.
みんなスーツ姿で笑っていた。
모두 정장을 입고 웃고 있었다.
その中の何人かは、もう会社員だった。
그중 몇 명은 이미 회사원이 되어 있었다.
銀行。
은행.
IT企業。
IT 기업.
大手メーカー。
대기업.
公務員試験に合格した友人もいる。
공무원 시험에 합격한 친구도 있었다.
SNSを開けば、そんな投稿が流れてくる。
SNS를 열면 그런 소식이 계속 올라왔다.
「初給料で両親にプレゼントしました。」
“첫 월급으로 부모님께 선물했습니다.”
「入社一年目、頑張ります。」
“입사 1년 차, 열심히 하겠습니다.”
「同期と初めての会食。」
“동기들과 첫 회식.”
ミンジュンは画面を閉じた。
민준은 화면을 껐다.
午後一時。
오후 1시.
三人の女性が、仁川へ向かっていた。
세 여성이 인천으로 향하고 있었다.
チャン・ウォニョン。
장원영.
キム・チャンオク。
김창옥.
キム・ミギョン。
김미경.
今回、三人へ相談したのはミンジュンの大学時代の友人だった。
이번에 세 사람에게 상담을 요청한 것은 민준의 대학 친구였다.
最近、ミンジュンが友達とほとんど会わなくなった。
최근 민준은 친구들을 거의 만나지 않았다.
昼夜が逆転している。
낮과 밤이 뒤바뀌었다.
面接がある日だけスーツを着る。
면접이 있는 날에만 정장을 입었다.
不採用のたびに、数日間部屋から出なくなる。
불합격 통보를 받을 때마다 며칠씩 방에서 나오지 않았다.
そして最近、こんな言葉を口にしたという。
그리고 최근에는 이런 말을 했다고 한다.
「もう、社会から必要とされてないんだと思う。」
“이제 사회가 나를 필요로 하지 않는 것 같아.”
三人は近くのカフェで、先に話をしていた。
세 사람은 근처 카페에서 먼저 이야기를 나누고 있었다.
キム・ミギョンが資料を見る。
김미경이 자료를 살펴봤다.
「九十七社。」
“아흔일곱 곳.”
ウォニョンが驚く。
원영이 놀랐다.
「そんなに受けたんですか?」
“그렇게 많이 지원했어요?”
「はい。」
“네.”
「書類で落ちた会社もあります。」
“서류에서 탈락한 곳도 있고.”
「最終面接まで行った会社もあります。」
“최종 면접까지 간 곳도 있습니다.”
キム・チャンオクが静かに言った。
김창옥이 조용히 말했다.
「九十七回も断られた人に。」
“아흔일곱 번이나 거절당한 사람에게.”
「もう一回頑張れと言うのは、簡単です。」
“한 번만 더 힘내라고 말하는 건 쉽습니다.”
「でも、九十七回分の疲れは消えません。」
“하지만 아흔일곱 번의 피로는 사라지지 않죠.”
ウォニョンが少し考えた。
원영은 잠시 생각했다.
「今回は何を競います?」
“이번 긍정 경쟁은 뭘로 할까요?”
キム・ミギョンが答えた。
김미경이 대답했다.
「誰が一番早く仕事を見つけられるか、ではありません。」
“누가 가장 빨리 취업시킬 수 있는지를 겨루는 건 아닙니다.”
キム・チャンオクが笑う。
김창옥이 웃었다.
「誰が一番早く、彼を『不採用』という言葉から離せるか。」
“누가 가장 먼저 민준 씨를 ‘불합격’이라는 말에서 떼어놓을 수 있는지 해보죠.”
ウォニョンもうなずいた。
원영도 고개를 끄덕였다.
「それ、いいですね。」
“그거 좋네요.”
午後三時。
오후 3시.
三人はミンジュンと会った。
세 사람은 민준을 만났다.
場所は、彼の家から歩いて十分ほどのカフェだった。
장소는 그의 집에서 걸어서 10분 정도 떨어진 카페였다.
ミンジュンはスーツではなく、パーカー姿で来た。
민준은 정장이 아니라 후드티를 입고 나왔다.
目の下には少しクマがあった。
눈 밑에는 피곤한 기색이 보였다.
「今日はありがとうございます。」
“오늘 와주셔서 감사합니다.”
キム・ミギョンが言う。
김미경이 말했다.
「今日は履歴書を直しません。」
“오늘은 이력서를 고치지 않을 겁니다.”
ミンジュンが驚いた。
민준은 놀랐다.
「そうなんですか?」
“그런가요?”
「面接の練習もしません。」
“면접 연습도 하지 않을 거예요.”
「では何を?」
“그럼 뭘 하죠?”
キム・ミギョンは笑った。
김미경은 웃었다.
「一度、就活を机から降ろしましょう。」
“취업 준비를 잠시 책상에서 내려놓읍시다.”
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「ミンジュンさん。」
“민준 씨.”
「最近、自分のことを何と呼んでいますか?」
“요즘 스스로를 뭐라고 부르나요?”
ミンジュンは意味が分からないような顔をした。
민준은 질문의 뜻을 잘 모르겠다는 표정을 지었다.
「自分のこと?」
“저 자신을요?”
「心の中で。」
“마음속에서요.”
「たとえば。」
“예를 들면.”
「無職。」
“백수.”
「失敗者。」
“실패자.”
「遅れている人。」
“뒤처진 사람.”
ミンジュンは苦笑した。
민준은 쓴웃음을 지었다.
「全部です。」
“다 맞아요.”
ウォニョンが静かに聞いた。
원영이 조용히 물었다.
「じゃあ、もし明日内定が出たら?」
“그럼 내일 합격 연락이 오면요?”
「成功者です。」
“성공한 사람이죠.”
「一日で?」
“하루 만에요?”
ミンジュンは少し笑った。
민준은 조금 웃었다.
「そう言われると変ですね。」
“그렇게 말하니까 좀 이상하네요.”
ウォニョンも笑った。
원영도 웃었다.
「昨日まで失敗者で、今日から成功者。」
“어제까지는 실패자였다가 오늘부터 성공한 사람.”
「会社一社のメールで、人間全部が変わるんですか?」
“회사 한 곳의 메일로 사람 전체가 바뀌는 걸까요?”
ミンジュンは答えなかった。
민준은 대답하지 않았다.
キム・チャンオクが聞く。
김창옥이 물었다.
「九十七社から断られたとき。」
“아흔일곱 곳에서 거절당했을 때.”
「一番痛かった言葉は何ですか?」
“가장 아팠던 말은 무엇이었나요?”
ミンジュンはしばらく考えた。
민준은 한동안 생각했다.
「言葉じゃないです。」
“말이 아니에요.”
「じゃあ何ですか?」
“그럼 뭔가요?”
「母親の顔です。」
“엄마 얼굴이요.”
三人の表情が少し変わった。
세 사람의 표정이 조금 달라졌다.
ミンジュンは続けた。
민준은 말을 이어갔다.
「実家に帰ると。」
“본가에 가면.”
「母が普通に接してくれるんです。」
“엄마는 평소처럼 대해줘요.”
「何も責めない。」
“저를 탓하지도 않고.”
「焦らなくていいって言う。」
“조급해하지 말라고 해요.”
「でも。」
“그런데.”
「近所の人に会うと。」
“동네 사람을 만나면.”
「息子さん、どこに就職したの?って聞かれる。」
“아드님은 어디 취업했냐고 물어봐요.”
「母が笑って。」
“엄마가 웃으면서.”
「今準備中なんですって答える。」
“지금 준비 중이라고 대답해요.”
ミンジュンは目を伏せた。
민준은 고개를 숙였다.
「その顔を見るのが、一番つらいです。」
“그때 엄마 얼굴을 보는 게 제일 힘들어요.”
キム・チャンオクが静かに聞いた。
김창옥이 조용히 물었다.
「お母さんを失望させたと思っていますか?」
“어머니를 실망시켰다고 생각하나요?”
「はい。」
“네.”
「お母さんがそう言いましたか?」
“어머니가 그렇게 말했나요?”
「言ってません。」
“아니요.”
「では。」
“그렇다면.”
「誰がそう言っていますか?」
“누가 그렇게 말하고 있나요?”
ミンジュンはしばらく何も言わなかった。
민준은 한동안 아무 말도 하지 않았다.
そして、小さく答えた。
그리고 작게 대답했다.
「僕です。」
“제가요.”
ウォニョンが言った。
원영이 말했다.
「一つ、ラッキーを探してもいいですか?」
“여기서 작은 행운 하나 찾아봐도 될까요?”
ミンジュンが少し笑う。
민준은 조금 웃었다.
「またラッキーですか?」
“여기서도 럭키인가요?”
「はい。」
“네.”
「九十七社落ちました。」
“아흔일곱 곳에서 떨어졌어요.”
「全然ラッキーじゃないですよ。」
“전혀 럭키하지 않은데요.”
ウォニョンもうなずいた。
원영도 고개를 끄덕였다.
「そこはラッキーじゃないです。」
“그건 럭키하지 않아요.”
ミンジュンが少し驚く。
민준은 조금 놀랐다.
「でも。」
“하지만.”
「九十七回受けても、まだ九十八社目を探していた自分は残っています。」
“아흔일곱 번 떨어지고도 아흔여덟 번째 회사를 찾고 있던 민준 씨는 아직 남아 있어요.”
「それは、かなり強いと思います。」
“그건 꽤 강한 힘이라고 생각해요.”
ミンジュンは少し笑った。
민준은 조금 웃었다.
「ただ諦めが悪いだけかもしれません。」
“그냥 포기를 못 하는 걸 수도 있죠.”
ウォニョンも笑った。
원영도 웃었다.
「それなら、その諦めの悪さを長所にしましょう。」
“그렇다면 그 포기하지 않는 성격을 장점으로 쓰면 되죠.”
キム・ミギョンがノートを出した。
김미경이 노트를 꺼냈다.
紙に三つの言葉を書いた。
종이에 세 단어를 적었다.
「生活」
「생활」
「回復」
「회복」
「就職」
「취업」
ミンジュンが見る。
민준이 종이를 바라봤다.
「就職が最後なんですか?」
“취업이 마지막이네요?”
「はい。」
“네.”
「今までは、就職が最初でした。」
“지금까지는 취업이 맨 앞에 있었죠.”
「だから生活も睡眠も全部、就職に合わせていました。」
“그래서 생활도 수면도 전부 취업 준비에 맞췄습니다.”
「これからは順番を変えます。」
“이제 순서를 바꿔봅시다.”
「朝は何時に起きますか?」
“아침에는 몇 시에 일어나요?”
ミンジュンは少し恥ずかしそうに答えた。
민준은 조금 민망한 표정으로 대답했다.
「昼十二時くらい。」
“낮 12시쯤이요.”
「寝るのは?」
“잠드는 시간은요?”
「朝四時。」
“새벽 4시요.”
キム・ミギョンはうなずいた。
김미경은 고개를 끄덕였다.
「最初に直すのは履歴書ではありません。」
“가장 먼저 고칠 것은 이력서가 아닙니다.”
「睡眠です。」
“수면입니다.”
ミンジュンが笑った。
민준이 웃었다.
「そんなことで仕事決まりますか?」
“그걸로 취업이 되나요?”
「仕事を決めるためではありません。」
“취업을 위한 게 아닙니다.”
「ミンジュンさんを戻すためです。」
“민준 씨 자신을 되찾기 위한 겁니다.”
キム・チャンオクが言った。
김창옥이 말했다.
「ずっと『選ばれる側』にいると。」
“계속 ‘선택받는 사람’의 자리에만 있으면.”
「自分に選ぶ力があることを忘れます。」
“나에게도 선택할 힘이 있다는 걸 잊게 됩니다.”
ミンジュンが顔を上げる。
민준이 고개를 들었다.
「僕が選ぶ?」
“제가 선택한다고요?”
「はい。」
“네.”
「会社もミンジュンさんを選びます。」
“회사가 민준 씨를 선택하는 것도 맞습니다.”
「でも、ミンジュンさんも会社を選ぶんです。」
“하지만 민준 씨도 회사를 선택하는 겁니다.”
「面接は審判の日ではありません。」
“면접은 심판받는 날이 아닙니다.”
「お互いが合うかを見る日です。」
“서로 맞는지 확인하는 날입니다.”
ミンジュンはその言葉を何度も考えていた。
민준은 그 말을 몇 번이나 되새겼다.
「今まで。」
“지금까지.”
「面接に行くたびに。」
“면접을 볼 때마다.”
「お願いだから選んでくださいって思ってました。」
“제발 저를 뽑아달라고 생각했어요.”
キム・ミギョンが言う。
김미경이 말했다.
「次から一つ質問を持って行きましょう。」
“다음 면접부터는 질문 하나를 꼭 가지고 갑시다.”
「どんな?」
“무슨 질문이요?”
「私は、この会社で三年働きたいと思えるだろうか。」
“나는 이 회사에서 3년 동안 일하고 싶은가.”
ミンジュンの表情が少し変わった。
민준의 표정이 조금 달라졌다.
ウォニョンが突然手をたたいた。
원영이 갑자기 손뼉을 쳤다.
「では今日のポジティブ競争。」
“그럼 오늘의 긍정 경쟁.”
ミンジュンが笑う。
민준이 웃었다.
「来ましたね。」
“드디어 나오네요.”
「今回は。」
“이번에는.”
「九十七回の不採用から、九十七個の良かったことを探します。」
“아흔일곱 번의 불합격에서 아흔일곱 개의 좋은 점을 찾아봅시다.”
ミンジュンは目を丸くした。
민준은 눈을 크게 떴다.
「無理ですよ。」
“그건 불가능해요.”
キム・チャンオクも笑った。
김창옥도 웃었다.
「私も無理だと思います。」
“저도 그건 힘들 것 같은데요.”
キム・ミギョンが言う。
김미경이 말했다.
「十個にしましょう。」
“열 개로 줄입시다.”
ウォニョンが少し残念そうに笑った。
원영은 조금 아쉬운 듯 웃었다.
「では十個。」
“그럼 열 개.”
一つ目。
첫 번째.
「面接に慣れた。」
“면접에 익숙해졌다.”
二つ目。
두 번째.
「自分が苦手な質問が分かった。」
“내가 어려워하는 질문을 알게 됐다.”
三つ目。
세 번째.
「行きたくない会社も分かった。」
“가고 싶지 않은 회사도 알게 됐다.”
四つ目。
네 번째.
「履歴書を書くのが速くなった。」
“이력서 쓰는 속도가 빨라졌다.”
五つ目。
다섯 번째.
「一年前より話せるようになった。」
“1년 전보다 말을 더 잘하게 됐다.”
ミンジュンが少しずつ笑い始めた。
민준은 조금씩 웃기 시작했다.
六つ目。
여섯 번째.
「九十七回落ちても、まだここにいる。」
“아흔일곱 번 떨어졌는데도 아직 여기 있다.”
ウォニョンがすぐ言った。
원영이 바로 말했다.
「それ、大きいです。」
“그건 정말 커요.”
七つ目。
일곱 번째.
ミンジュンは自分で言った。
민준이 직접 말했다.
「面接へ行くたびに、知らない街へ行った。」
“면접 갈 때마다 새로운 동네에 가봤어요.”
三人が笑った。
세 사람이 웃었다.
「それも入ります?」
“그것도 포함돼요?”
ウォニョンが即答した。
원영이 바로 대답했다.
「入ります。」
“당연하죠.”
八つ目。
여덟 번째.
「スーツが似合うようになった。」
“정장이 잘 어울리게 됐다.”
今度はミンジュン自身が笑った。
이번에는 민준 자신이 웃었다.
「それは関係ないでしょう。」
“그건 취업이랑 상관없잖아요.”
「ポジティブ競争ですから。」
“긍정 경쟁이니까요.”
九つ目。
아홉 번째.
キム・チャンオクが言った。
김창옥이 말했다.
「人から断られる痛みを知った。」
“거절당하는 사람의 아픔을 알게 됐다.”
ミンジュンの笑顔が少し静かになった。
민준의 웃음이 조금 잦아들었다.
「それは。」
“그건.”
「いつか誰かを採用する立場になったら。」
“언젠가 누군가를 채용하는 자리에 가게 된다면.”
「大きな財産になります。」
“큰 자산이 될 겁니다.”
ミンジュンはゆっくりうなずいた。
민준은 천천히 고개를 끄덕였다.
十個目。
열 번째.
三人がミンジュンを見る。
세 사람이 민준을 바라봤다.
「最後は本人。」
“마지막은 본인이 해야죠.”
ミンジュンは長く考えた。
민준은 오래 생각했다.
そして言った。
그리고 말했다.
「九十七社が僕を選ばなかったけど。」
“아흔일곱 회사가 저를 선택하지 않았지만.”
少し間を置いた。
잠시 말을 멈췄다.
「僕まで僕を選ばない必要はない。」
“저까지 저 자신을 선택하지 않을 필요는 없는 것 같아요.”
三人とも何も言わなかった。
세 사람은 아무 말도 하지 않았다.
ウォニョンが最初に笑った。
원영이 가장 먼저 웃었다.
「今日の優勝、決まりですね。」
“오늘 우승자는 정해졌네요.”
ミンジュンも笑った。
민준도 웃었다.
「また本人ですか?」
“또 당사자인가요?”
「はい。」
“네.”
カフェを出る前。
카페를 나가기 전.
キム・ミギョンが一つだけ宿題を出した。
김미경은 숙제를 하나 내줬다.
「次の一週間。」
“다음 일주일 동안.”
「応募は禁止です。」
“지원은 금지입니다.”
ミンジュンが驚いた。
민준은 놀랐다.
「一週間も?」
“일주일이나요?”
「はい。」
“네.”
「朝起きる。」
“아침에 일어나고.”
「食べる。」
“밥을 먹고.”
「歩く。」
“걷고.”
「友達に会う。」
“친구를 만나고.”
「夜に寝る。」
“밤에 자는 것.”
「それだけ。」
“그것만 합시다.”
ミンジュンは不安そうだった。
민준은 불안한 표정이었다.
「一週間休んだら、もっと遅れませんか?」
“일주일 쉬면 더 늦어지는 거 아닌가요?”
キム・ミギョンは首を振った。
김미경은 고개를 저었다.
「止まっている人が休むのではありません。」
“멈춰 있는 사람이 쉬는 게 아닙니다.”
「走りすぎた人が休むんです。」
“너무 오래 달린 사람이 쉬는 겁니다.”
その日、ミンジュンは家へ帰る途中で、久しぶりに友人へ連絡した。
그날 민준은 집으로 돌아가는 길에 오랜만에 친구에게 연락했다.
「今日、時間ある?」
“오늘 시간 있어?”
すぐ返事が来た。
바로 답장이 왔다.
「ある。どうした?」
“있지. 왜?”
ミンジュンは少し迷った。
민준은 잠시 망설였다.
そして書いた。
그리고 메시지를 보냈다.
「飯食おう。」
“밥 먹자.”
友人から数秒後に返事が来た。
친구에게서 몇 초 뒤 답장이 왔다.
「やっと誘ってくれたな。」
“드디어 네가 먼저 부르네.”
ミンジュンはスマートフォンを見ながら、少し笑った。
민준은 스마트폰을 보며 조금 웃었다.
九十七社目の不採用が届いた朝。
아흔일곱 번째 불합격 메일을 받은 아침.
彼は、自分がまた一日部屋に閉じこもると思っていた。
그는 자신이 또 하루 종일 방 안에 있을 거라고 생각했다.
でもその夜。
하지만 그날 밤.
彼は誰かとご飯を食べに行こうとしていた。
그는 누군가와 밥을 먹으러 가고 있었다.
まだ仕事はない。
아직 직장은 없다.
内定もない。
합격 소식도 없다.
不安も消えていない。
불안도 사라지지 않았다.
それでも。
그래도.
少しだけ、自分の人生が「就職活動」より大きく見え始めていた。
조금씩 자신의 인생이 ‘취업 준비’보다 더 크게 보이기 시작했다.
一週間の「就活禁止期間」が始まった。
일주일 동안의 ‘취업 준비 금지 기간’이 시작됐다.
最初の二日間、ミンジュンは落ち着かなかった。
처음 이틀 동안 민준은 마음이 편하지 않았다.
パソコンを開けば、求人サイトを見たくなる。
노트북을 켜면 채용 사이트를 보고 싶어졌다.
スマートフォンを持てば、企業の採用情報を確認したくなる。
스마트폰을 들면 기업 채용 공고를 확인하고 싶어졌다.
「今休んでいる間にも、誰かが応募している。」
“내가 쉬는 동안에도 누군가는 지원하고 있을 텐데.”
そんな考えが頭から離れなかった。
그런 생각이 머릿속에서 떠나지 않았다.
三日目。
셋째 날.
ミンジュンは朝八時に起きた。
민준은 아침 8시에 일어났다.
久しぶりだった。
오랜만이었다.
窓を開ける。
창문을 열었다.
朝の光が部屋に入ってきた。
아침 햇살이 방 안으로 들어왔다.
机の上には、履歴書の代わりに昨日買ったパンが置いてあった。
책상 위에는 이력서 대신 어제 사 온 빵이 놓여 있었다.
ミンジュンはコーヒーを入れた。
민준은 커피를 내렸다.
そして、ゆっくり朝食を食べた。
그리고 천천히 아침을 먹었다.
何か特別なことが起きたわけではない。
특별한 일이 일어난 것은 아니었다.
でも、朝に朝食を食べるだけで、一日が少し長く感じた。
하지만 아침에 아침밥을 먹는 것만으로 하루가 조금 길게 느껴졌다.
その日の午後。
그날 오후.
大学時代の友人と会った。
대학 시절 친구를 만났다.
友人は会社員になっていた。
친구는 이미 직장인이었다.
以前のミンジュンなら、その話を聞くだけで苦しくなっていた。
예전의 민준이었다면 그런 이야기를 듣는 것만으로도 힘들었을 것이다.
でもその日は違った。
하지만 그날은 조금 달랐다.
友人が言った。
친구가 말했다.
「会社入ったら全部うまくいくと思ってた。」
“회사에 들어가면 다 잘될 줄 알았어.”
ミンジュンが聞く。
민준이 물었다.
「違うの?」
“아니야?”
友人は笑った。
친구는 웃었다.
「全然。」
“전혀.”
「辞めたい日もある。」
“그만두고 싶은 날도 있어.”
「上司と合わない日もある。」
“상사랑 안 맞는 날도 있고.”
「同期と比べて落ち込む日もある。」
“동기랑 비교하다가 우울해지는 날도 있어.”
ミンジュンは少し驚いた。
민준은 조금 놀랐다.
「でもSNSでは楽しそうだった。」
“근데 SNS에서는 엄청 즐거워 보였는데.”
友人が笑う。
친구가 웃었다.
「SNSに『今日も疲れました』ばっかり載せないだろ。」
“SNS에 맨날 ‘오늘도 힘들었어요’만 올리진 않잖아.”
ミンジュンも笑った。
민준도 웃었다.
その夜。
그날 밤.
ミンジュンは久しぶりにSNSを開いた。
민준은 오랜만에 SNS를 열었다.
以前なら、友人たちの成功ばかり目に入っていた。
예전에는 친구들의 성공만 눈에 들어왔다.
でも今日は少し違った。
하지만 오늘은 조금 달랐다.
「見えている部分だけで、人の人生全部を決めていたかもしれない。」
“보이는 부분만 보고 다른 사람의 인생 전체를 판단했는지도 모르겠다.”
そう思った。
그런 생각이 들었다.
そして、スマートフォンを閉じた。
그리고 스마트폰을 껐다.
五日目。
다섯째 날.
ミンジュンは公園を歩いた。
민준은 공원을 걸었다.
何かの準備ではなく、ただ歩くために歩いた。
무언가를 준비하기 위해서가 아니라 그냥 걷기 위해 걸었다.
途中で、小さな子どもがボールを落とした。
걷다가 한 아이가 공을 떨어뜨렸다.
ミンジュンは拾って渡した。
민준은 공을 주워 건네줬다.
子どもが笑った。
아이가 웃었다.
「ありがとうございます。」
“감사합니다.”
ミンジュンも笑った。
민준도 웃었다.
ほんの数秒の出来事だった。
몇 초밖에 되지 않는 일이었다.
でもその瞬間。
하지만 그 순간.
誰かに必要とされるという感覚は、会社から内定をもらわなくても存在することに気づいた。
누군가에게 필요한 사람이 된다는 감각은 회사에서 합격 통보를 받지 않아도 존재할 수 있다는 걸 깨달았다.
一週間後。
일주일 뒤.
三人と再び会う日が来た。
세 사람을 다시 만나는 날이 왔다.
場所は前回と同じカフェ。
장소는 지난번과 같은 카페였다.
ウォニョンがミンジュンの顔を見る。
원영이 민준의 얼굴을 바라봤다.
「何か違いますね。」
“뭔가 달라졌네요.”
ミンジュンが笑う。
민준이 웃었다.
「髪切りました。」
“머리 잘랐어요.”
ウォニョンが笑った。
원영이 웃었다.
「それもあります。」
“그것도 있고요.”
キム・ミギョンが聞く。
김미경이 물었다.
「一週間、応募しませんでしたか?」
“일주일 동안 정말 지원 안 했어요?”
ミンジュンはうなずいた。
민준은 고개를 끄덕였다.
「ゼロです。」
“0개요.”
「どうでした?」
“어땠어요?”
「最初は怖かったです。」
“처음에는 무서웠어요.”
「でも。」
“그런데.”
「少し普通の人間に戻った感じがしました。」
“조금 평범한 사람으로 돌아온 느낌이었어요.”
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「普通の人間?」
“평범한 사람이라니요?”
ミンジュンが言う。
민준이 말했다.
「最近ずっと。」
“요즘 계속.”
「自分のことを就活生としか思ってなかったんです。」
“저 자신을 취준생으로만 생각하고 있었어요.”
「でも友達と会ったら。」
“그런데 친구를 만나고.”
「僕は友達でもあった。」
“저는 친구이기도 했고.”
「息子でもある。」
“아들이기도 하고.”
「誰かの先輩でもある。」
“누군가의 선배이기도 하고.”
「ただのミンジュンでもある。」
“그냥 민준이기도 하더라고요.”
キム・チャンオクが微笑んだ。
김창옥이 미소 지었다.
「いいですね。」
“좋네요.”
「役割が一つになると、その役割が失敗した瞬間に自分全部が失敗したように感じます。」
“역할이 하나뿐이라고 느끼면 그 역할이 흔들릴 때 내 전부가 실패한 것처럼 느껴질 수 있습니다.”
キム・ミギョンがノートを出した。
김미경이 노트를 꺼냈다.
「では。」
“그럼.”
「今日から就活を再開します。」
“오늘부터 취업 준비를 다시 시작합시다.”
ミンジュンが少し緊張した。
민준은 조금 긴장했다.
「はい。」
“네.”
「ただし。」
“단.”
「前と同じやり方は禁止です。」
“예전과 같은 방식은 금지입니다.”
「どう変えます?」
“어떻게 바꾸죠?”
キム・ミギョンは紙に書いた。
김미경이 종이에 적었다.
「数ではなく、合う会社。」
「숫자가 아니라, 맞는 회사。」
ミンジュンが見る。
민준이 종이를 봤다.
「何社でも受けるのではなく。」
“무조건 많이 지원하는 게 아니라.”
「一社ずつ、なぜ行きたいかを考える。」
“한 회사씩, 왜 가고 싶은지를 생각하는 겁니다.”
「会社から選ばれるためだけではなく。」
“회사에게 선택받기 위해서만이 아니라.”
「自分が選ぶために。」
“내가 선택하기 위해서요.”
ウォニョンが言った。
원영이 말했다.
「今日のポジティブ競争、テーマ決めました。」
“오늘 긍정 경쟁 주제 정했어요.”
ミンジュンが笑う。
민준이 웃었다.
「今度は何ですか?」
“이번에는 뭔데요?”
「九十八社目を受ける理由を、一番前向きに言える人。」
“아흔여덟 번째 회사에 지원하는 이유를 가장 긍정적으로 말하는 사람.”
キム・ミギョンが先に言った。
김미경이 먼저 말했다.
「九十七回分の経験があるから。」
“아흔일곱 번의 경험이 있으니까.”
キム・チャンオクが続く。
김창옥이 이어 말했다.
「もう、自分の価値を面接官に全部預けなくていいから。」
“이제 자신의 가치를 면접관에게 전부 맡길 필요가 없으니까.”
ウォニョンが言った。
원영이 말했다.
「次は『選んでください』ではなく、『お互いに合うか見てみましょう』って行けるから。」
“이번에는 ‘저를 뽑아주세요’가 아니라 ‘서로 잘 맞는지 봐요’라는 마음으로 갈 수 있으니까.”
三人がミンジュンを見る。
세 사람이 민준을 바라봤다.
「本人の答えは?」
“민준 씨 답은요?”
ミンジュンは少し考えた。
민준은 잠시 생각했다.
そして言った。
그리고 말했다.
「九十八社目は。」
“아흔여덟 번째 회사는.”
「九十七社に落ちた人が受ける会社じゃなくて。」
“아흔일곱 번 떨어진 사람이 지원하는 회사가 아니라.”
少し間を置いた。
잠시 말을 멈췄다.
「今までより、自分のことを少し知った人が受ける会社です。」
“예전보다 자신을 조금 더 알게 된 사람이 지원하는 회사예요.”
ウォニョンがすぐ拍手した。
원영이 바로 박수를 쳤다.
「優勝。」
“우승.”
ミンジュンが笑った。
민준이 웃었다.
「また僕ですか。」
“또 저예요?”
「今回もです。」
“이번에도요.”
数日後。
며칠 뒤.
九十八社目の面接の日が来た。
아흔여덟 번째 회사 면접 날이 왔다.
ミンジュンは鏡の前でネクタイを締めた。
민준은 거울 앞에서 넥타이를 맸다.
以前なら。
예전 같았으면.
「絶対に受かりたい。」
“무조건 합격해야 해.”
そう思っていた。
그렇게 생각했을 것이다.
今日は少し違った。
하지만 오늘은 조금 달랐다.
「この会社は、自分に合うだろうか。」
“이 회사는 나와 잘 맞을까.”
そう考えていた。
그렇게 생각했다.
面接室。
면접실.
面接官が聞いた。
면접관이 물었다.
「これまで多くの企業を受けていますね。」
“지금까지 많은 회사에 지원하셨네요.”
以前なら、恥ずかしかった質問だった。
예전 같았으면 부끄럽게 느꼈을 질문이었다.
ミンジュンはうなずいた。
민준은 고개를 끄덕였다.
「はい。」
“네.”
「かなり落ちました。」
“많이 떨어졌습니다.”
面接官が少し驚いた。
면접관이 조금 놀랐다.
ミンジュンは続ける。
민준은 말을 이어갔다.
「でも、その経験で分かったことがあります。」
“하지만 그 경험을 통해 알게 된 것이 있습니다.”
「どんな会社でもいいと思っていた時期がありました。」
“예전에는 어느 회사든 들어가기만 하면 된다고 생각했습니다.”
「今は違います。」
“지금은 다릅니다.”
「長く働きたいと思える場所を探しています。」
“오래 일하고 싶다고 느낄 수 있는 곳을 찾고 있습니다.”
面接官が聞いた。
면접관이 물었다.
「では、あなたから質問はありますか?」
“그럼 저희에게 질문이 있나요?”
ミンジュンは、一週間前に教えてもらった質問を思い出した。
민준은 일주일 전에 들었던 질문을 떠올렸다.
「あります。」
“있습니다.”
「この会社で三年以上働いている方が、ここに残っている一番の理由は何ですか?」
“이 회사에서 3년 이상 근무한 분들이 계속 남아 있는 가장 큰 이유는 무엇인가요?”
面接官は少し考えた。
면접관은 잠시 생각했다.
そして、丁寧に答え始めた。
그리고 천천히 답하기 시작했다.
ミンジュンは、その話を真剣に聞いた。
민준은 그 이야기를 진지하게 들었다.
初めてだった。
처음이었다.
面接で、相手の会社を自分が見ている感覚を持ったのは。
면접에서 자신도 회사를 바라보고 있다는 느낌을 받은 것은 처음이었다.
面接が終わった。
면접이 끝났다.
建物を出る。
건물을 나왔다.
空は晴れていた。
하늘은 맑았다.
スマートフォンを取り出す。
스마트폰을 꺼냈다.
ウォニョンたちのグループへ短いメッセージを送る。
원영과 두 사람에게 짧은 메시지를 보냈다.
「終わりました。」
“끝났습니다.”
その下にもう一行。
그 아래 한 줄을 더 적었다.
「受かったか分からないけど、今日は自分も会社を面接しました。」
“합격할지는 모르겠지만, 오늘은 저도 회사를 면접하고 왔습니다.”
すぐにウォニョンから返信が来た。
곧 원영에게서 답장이 왔다.
「それ、かなりラッキーです。」
“그거 꽤 럭키네요.”
ミンジュンは笑った。
민준은 웃었다.
三日後。
사흘 뒤.
一通のメールが届いた。
메일 한 통이 도착했다.
ミンジュンは画面を見る。
민준은 화면을 바라봤다.
件名。
제목.
「最終選考結果のご案内」
“최종 전형 결과 안내”
以前なら、心臓が大きく鳴っていた。
예전 같았으면 심장이 크게 뛰었을 것이다.
ミンジュンは深呼吸した。
민준은 깊게 숨을 들이마셨다.
メールを開く。
메일을 열었다.
「このたび、採用内定とさせていただくこととなりました。」
“이번 전형 결과, 최종 합격하셨음을 안내드립니다.”
しばらく動けなかった。
한동안 움직일 수 없었다.
九十八社目。
아흔여덟 번째 회사.
初めての内定だった。
첫 합격이었다.
ミンジュンは叫ばなかった。
민준은 소리를 지르지 않았다.
すぐSNSにも投稿しなかった。
바로 SNS에 올리지도 않았다.
最初に母親へ電話した。
가장 먼저 엄마에게 전화를 걸었다.
「もしもし。」
“여보세요.”
「どうしたの?」
“무슨 일이야?”
ミンジュンは少し笑った。
민준은 조금 웃었다.
「決まった。」
“됐어.”
母親の声が止まった。
엄마의 목소리가 멈췄다.
「本当に?」
“정말?”
「うん。」
“응.”
しばらく沈黙。
잠시 침묵이 흘렀다.
そして、電話の向こうから泣く声が聞こえた。
그리고 전화 너머로 울음소리가 들렸다.
「よく頑張ったね。」
“정말 고생했어.”
ミンジュンも目を閉じた。
민준도 눈을 감았다.
少しして、母親が言った。
잠시 뒤 엄마가 말했다.
「でもね。」
“근데 있잖아.”
「何?」
“뭐?”
「決まってなくても、私は同じこと言ってたと思う。」
“안 됐어도 엄마는 똑같이 말했을 것 같아.”
ミンジュンは黙った。
민준은 말이 없었다.
「よく頑張ったねって。」
“정말 고생했다고.”
その言葉を聞いた瞬間。
그 말을 듣는 순간.
九十八社目の内定より。
아흔여덟 번째 회사의 합격보다.
九十七回の不採用より。
아흔일곱 번의 불합격보다.
もっと大きなものが、心から落ちていくように感じた。
더 큰 무언가가 마음에서 내려놓아지는 느낌이 들었다.
数週間後。
몇 주 뒤.
三人はミンジュンともう一度会った。
세 사람은 민준을 다시 만났다.
今度はスーツ姿だった。
이번에는 정장을 입고 있었다.
入社前研修が始まったという。
입사 전 교육이 시작됐다고 했다.
ウォニョンが聞く。
원영이 물었다.
「今は成功者ですか?」
“이제 성공한 사람인가요?”
ミンジュンは笑った。
민준은 웃었다.
「前なら、そう言ってたと思います。」
“예전 같았으면 그렇게 말했을 것 같아요.”
「今は?」
“지금은요?”
「ただ、仕事が決まったミンジュンです。」
“그냥 취업한 민준입니다.”
三人が笑った。
세 사람이 웃었다.
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「九十七回の不採用は、今どう見えますか?」
“아흔일곱 번의 불합격이 지금은 어떻게 보이나요?”
ミンジュンは少し考えた。
민준은 잠시 생각했다.
「好きではないです。」
“좋지는 않습니다.”
三人が笑う。
세 사람이 웃었다.
「でも。」
“하지만.”
「全部消したいとも思いません。」
“전부 지워버리고 싶지도 않아요.”
「なぜ?」
“왜요?”
「九十七回落ちなかったら。」
“아흔일곱 번 떨어지지 않았다면.”
「会社に選ばれることが人生のゴールだと思ったままだったかもしれません。」
“회사에 선택받는 것이 인생의 목표라고 계속 생각했을지도 몰라요.”
キム・ミギョンが言った。
김미경이 말했다.
「では今日のポジティブ競争、最後の問題です。」
“그럼 오늘 긍정 경쟁 마지막 질문입니다.”
「内定より大切だったものは?」
“합격보다 더 중요했던 것은 무엇이었나요?”
ウォニョンが答える。
원영이 대답했다.
「自分をもう一度選んだこと。」
“자신을 다시 선택한 것.”
キム・チャンオクが答える。
김창옥이 말했다.
「お母さんの愛が、合否とは関係なかったと知ったこと。」
“어머니의 사랑이 합격 여부와 관계없다는 걸 알게 된 것.”
キム・ミギョンが答える。
김미경이 말했다.
「生活を取り戻したこと。」
“삶의 리듬을 되찾은 것.”
三人がミンジュンを見る。
세 사람이 민준을 바라봤다.
ミンジュンは笑った。
민준은 웃었다.
「僕は。」
“저는.”
少し考えた。
잠시 생각했다.
「九十八社目に受かったことより。」
“아흔여덟 번째 회사에 합격한 것보다.”
「九十八社目に、前と違う自分で行けたことです。」
“아흔여덟 번째 회사에 예전과 다른 마음으로 갈 수 있었던 게 더 중요했습니다.”
ウォニョンが拍手した。
원영이 박수를 쳤다.
「今日も優勝。」
“오늘도 우승.”
ミンジュンは笑った。
민준은 웃었다.
「この競争、本人が強すぎません?」
“이 경쟁은 당사자가 너무 강한 거 아닌가요?”
キム・チャンオクも笑った。
김창옥도 웃었다.
「それが目的です。」
“그게 목적입니다.”
その夜。
그날 밤.
ミンジュンは、保存していた九十七通の不採用メールを開いた。
민준은 저장해 두었던 아흔일곱 통의 불합격 메일을 열었다.
一通ずつ削除しようと思った。
하나씩 삭제하려고 했다.
でも、手を止めた。
하지만 손을 멈췄다.
そして新しいフォルダを作った。
그리고 새 폴더를 만들었다.
名前は、
폴더 이름은,
「失敗」
「실패」
ではなかった。
가 아니었다.
「途中」
「과정」
だった。
이었다.
九十七通のメールを全部そこへ移した。
아흔일곱 통의 메일을 모두 그 폴더로 옮겼다.
そして最後に、自分へ一通だけメールを送った。
그리고 마지막으로 자신에게 메일 한 통을 보냈다.
件名は。
제목은.
「九十八社目の前に、僕はもう戻っていた。」
「98번째 회사 전에, 나는 이미 나 자신을 되찾고 있었다.」
就職は人生を始める許可証ではない。
취업은 인생을 시작하게 해주는 허가증이 아니다.
誰かに選ばれる前から。
누군가에게 선택받기 전부터.
人は、自分の人生を選び直すことができる。
사람은 자신의 인생을 다시 선택할 수 있다.
そして時には。
그리고 때로는.
「選ばれなかった九十七回」が。
‘선택받지 못했던 아흔일곱 번’이.
自分自身を選び直すための時間になることもある。
자기 자신을 다시 선택하는 시간이 되기도 한다.
第9話 鏡を見るたびに嫌いになる - 제9화 거울을 볼 때마다 내가 싫어진다

午後五時四十分。
오후 5시 40분.
ソウル。
서울.
美容クリニックや化粧品店が並ぶ通りを、一人の少女が歩いていた。
성형외과와 화장품 매장이 줄지어 있는 거리를 한 소녀가 걷고 있었다.
19歳。
열아홉 살.
名前はユナ。
이름은 유나.
大学一年生。
대학교 1학년이었다.
スマートフォンを片手に持ち、何度も自分の顔を確認していた。
스마트폰을 한 손에 들고 몇 번이고 자신의 얼굴을 확인하고 있었다.
正面。
정면.
横顔。
옆모습.
少し上から。
조금 위에서.
少し下から。
조금 아래에서.
撮っては消す。
찍고 지운다.
また撮る。
다시 찍는다.
また消す。
또 지운다.
ユナは、昔から自分の顔が嫌いだったわけではない。
유나는 어릴 때부터 자신의 얼굴을 싫어했던 것은 아니었다.
中学生のころまでは、写真を撮られることも嫌ではなかった。
중학생 때까지만 해도 사진 찍히는 것을 싫어하지 않았다.
でも、高校へ入ってから変わった。
하지만 고등학교에 들어간 뒤 달라졌다.
友達との写真。
친구들과 찍은 사진.
SNS。
SNS.
動画。
영상.
加工アプリ。
보정 앱.
そこには、いつも比較する相手がいた。
그곳에는 언제나 비교할 대상이 있었다.
「鼻がもう少し高かったら。」
“코가 조금만 더 높았으면.”
「目がもう少し大きかったら。」
“눈이 조금만 더 컸으면.”
「輪郭がもう少し細かったら。」
“얼굴선이 조금만 더 갸름했으면.”
最初は、それくらいだった。
처음에는 그 정도였다.
大学へ入る前、ユナは初めて美容施術を受けた。
대학에 들어가기 전, 유나는 처음으로 미용 시술을 받았다.
変化は小さかった。
변화는 크지 않았다.
でも、写真を見ると少し満足した。
하지만 사진을 보면 조금 만족스러웠다.
「これなら前よりいい。」
“이제 전보다 낫다.”
そう思った。
그렇게 생각했다.
数か月後。
몇 달 뒤.
次は別の部分が気になり始めた。
이번에는 다른 부분이 신경 쓰이기 시작했다.
一つ直すと、別の一つが目につく。
하나를 바꾸면 다른 하나가 눈에 들어왔다.
また直す。
또 바꾼다.
すると、また別のところが嫌になる。
그러면 또 다른 부분이 싫어진다.
鏡を見る時間は、少しずつ長くなっていった。
거울을 보는 시간은 점점 길어졌다.
大学では、友人たちからよく言われた。
대학교에서는 친구들이 자주 말했다.
「ユナ、かわいいじゃん。」
“유나야, 너 예쁘잖아.”
でも、その言葉はほとんど届かなかった。
하지만 그 말은 거의 마음에 닿지 않았다.
ユナはいつもこう思った。
유나는 늘 이렇게 생각했다.
「本当にかわいい人には、そんなこと言わない。」
“진짜 예쁜 사람한테는 굳이 그런 말을 안 해.”
褒め言葉まで疑うようになっていた。
칭찬까지 의심하게 되어 있었다.
ある日の夜。
어느 날 밤.
ユナは自分の写真を加工していた。
유나는 자신의 사진을 보정하고 있었다.
目を少し大きくする。
눈을 조금 크게 만들고.
鼻を細くする。
코를 조금 더 얇게 만들고.
顎を短くする。
턱을 조금 줄이고.
肌を滑らかにする。
피부를 매끈하게 만들었다.
完成した写真を見て、少し笑った。
완성된 사진을 보고 조금 웃었다.
そのあと、スマートフォンの黒い画面に映った自分の顔を見た。
그러다 스마트폰의 검은 화면에 비친 자신의 얼굴을 봤다.
笑顔が消えた。
미소가 사라졌다.
「こっちが本物なんだ。」
“이게 진짜 나구나.”
その瞬間。
그 순간.
加工前の自分が、以前よりもっと嫌いに見えた。
보정 전의 자신이 예전보다 더 싫어 보였다.
翌週。
다음 주.
ユナは友人との約束を断った。
유나는 친구와의 약속을 취소했다.
「体調悪い。」
“몸이 안 좋아.”
本当は違った。
사실은 아니었다.
写真を撮られるのが嫌だった。
사진 찍히는 것이 싫었다.
友達と並ぶのが嫌だった。
친구와 나란히 서는 것이 싫었다.
誰かと比べる自分自身も嫌だった。
누군가와 비교하는 자기 자신도 싫었다.
数日後。
며칠 뒤.
大学の相談室から三人へ連絡が入った。
대학교 상담실에서 세 사람에게 연락이 왔다.
チャン・ウォニョン。
장원영.
キム・チャンオク。
김창옥.
キム・ミギョン。
김미경.
担当者はこう説明した。
상담 담당자는 이렇게 설명했다.
「生活は普通にできています。」
“일상생활은 어느 정도 하고 있습니다.”
「学校にも来ています。」
“학교에도 나오고 있고요.”
「でも、自分の顔を見ることにかなり時間を使っています。」
“하지만 자신의 얼굴을 확인하는 데 너무 많은 시간을 쓰고 있습니다.”
「SNSの投稿を何度も削除します。」
“SNS 게시물도 계속 올렸다가 지웁니다.”
「次の施術を受けたいと言っています。」
“또 다른 시술도 받고 싶다고 합니다.”
三人はソウル市内の静かなカフェで話を聞いていた。
세 사람은 서울의 조용한 카페에서 이야기를 듣고 있었다.
キム・ミギョンが言った。
김미경이 말했다.
「今回は『あなたはきれいです』と言って終わるわけにはいきません。」
“이번에는 ‘당신은 예뻐요’라고 말하고 끝낼 수는 없습니다.”
ウォニョンがうなずく。
원영이 고개를 끄덕였다.
「たぶん、本人はそれを何度も聞いています。」
“아마 본인은 그 말을 이미 수없이 들었을 거예요.”
キム・チャンオクが静かに言った。
김창옥이 조용히 말했다.
「問題は顔ではないかもしれません。」
“문제는 얼굴이 아닐 수도 있습니다.”
「では何ですか?」
“그럼 뭔가요?”
ウォニョンが聞いた。
원영이 물었다.
「顔を見たときに、自分へ何を言っているかです。」
“얼굴을 볼 때 자기 자신에게 어떤 말을 하고 있는지가 문제일 수 있습니다.”
ウォニョンは少し考えてから言った。
원영은 잠시 생각한 뒤 말했다.
「今日のポジティブ競争、難しそうですね。」
“오늘 긍정 경쟁은 좀 어려울 것 같네요.”
キム・ミギョンが笑った。
김미경이 웃었다.
「今回は褒め言葉の数で競ってはいけません。」
“이번에는 칭찬의 개수로 경쟁하면 안 됩니다.”
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「では何を競います?」
“그럼 뭘로 할까요?”
ウォニョンは答えた。
원영이 대답했다.
「誰が一番早く、ユナさんが自分を攻撃しない一日を作れるか。」
“누가 가장 먼저 유나 씨가 자기 자신을 공격하지 않는 하루를 만들 수 있는지 해봐요.”
翌日の午後。
다음 날 오후.
三人はユナと会った。
세 사람은 유나를 만났다.
ユナは緊張していた。
유나는 긴장한 표정이었다.
特にウォニョンを見た瞬間、表情が固くなった。
특히 원영을 보는 순간 표정이 굳었다.
「こんにちは。」
“안녕하세요.”
ウォニョンが笑顔で挨拶した。
원영이 웃으며 인사했다.
「こんにちは。」
“안녕하세요.”
ユナの視線は、ウォニョンの顔からなかなか離れなかった。
유나의 시선은 원영의 얼굴에서 쉽게 떨어지지 않았다.
数分後。
몇 분 뒤.
ユナが突然言った。
유나가 갑자기 말했다.
「正直に言っていいですか?」
“솔직하게 말해도 돼요?”
「もちろん。」
“물론이에요.”
「ウォニョンさんみたいな人に。」
“원영 씨 같은 분한테.”
少し言葉に詰まった。
잠시 말을 멈췄다.
「外見を気にしなくていいって言われても。」
“외모를 신경 쓰지 않아도 된다는 말을 들어도.”
「多分、私は信じられないです。」
“아마 저는 믿지 못할 것 같아요.”
空気が少し静かになった。
분위기가 조금 조용해졌다.
ウォニョンはすぐに答えた。
원영은 바로 대답했다.
「それでいいと思います。」
“그렇게 느껴도 괜찮다고 생각해요.”
ユナが驚いた。
유나는 놀랐다.
「え?」
“네?”
「私も、『気にしなくていい』とは言いません。」
“저도 ‘신경 쓰지 마’라고 말하지 않을 거예요.”
「私も外見を気にします。」
“저도 외모를 신경 써요.”
「仕事でも見られます。」
“직업적으로도 많이 평가받고요.”
「写真も動画も残ります。」
“사진도 영상도 계속 남아요.”
ユナは真剣に聞いていた。
유나는 진지하게 듣고 있었다.
ウォニョンは続けた。
원영은 말을 이어갔다.
「でも。」
“그런데.”
「外見を大切にすることと。」
“외모를 가꾸는 것과.”
「外見で自分をいじめることは違うと思うんです。」
“외모 때문에 자기 자신을 괴롭히는 것은 다르다고 생각해요.”
ユナの目が少し動いた。
유나의 눈빛이 조금 흔들렸다.
「自分をいじめる?」
“제가 저를 괴롭힌다고요?”
「はい。」
“네.”
「鏡を見るたびに。」
“거울을 볼 때마다.”
「ここが嫌。」
“여기가 싫고.”
「あそこも嫌。」
“저기도 싫고.”
「もっとこうなら。」
“조금만 더 이랬으면 좋겠고.”
「それを毎日、自分に言い続けたら。」
“그 말을 매일 자기 자신에게 반복한다면.”
「かなり厳しい人と一緒に暮らしているのと同じですよね。」
“굉장히 엄격한 사람과 하루 종일 같이 사는 것과 비슷하지 않을까요?”
ユナは黙った。
유나는 말이 없었다.
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「ユナさん。」
“유나 씨.”
「鏡を見たとき、一番よく言う言葉は何ですか?」
“거울을 볼 때 가장 자주 하는 말이 뭔가요?”
ユナは少し恥ずかしそうに答えた。
유나는 조금 부끄러운 듯 대답했다.
「最悪。」
“최악.”
「他には?」
“또요?”
「なんでこんな顔なんだろう。」
“왜 이렇게 생겼지.”
「他には?」
“또 있나요?”
ユナはしばらく黙った。
유나는 한동안 말이 없었다.
そして小さく言った。
그리고 작은 목소리로 말했다.
「これじゃ愛されない。」
“이러면 사랑받지 못할 거야.”
三人とも表情が変わった。
세 사람의 표정이 달라졌다.
キム・チャンオクが静かに聞いた。
김창옥이 조용히 물었다.
「その言葉。」
“그 말.”
「誰から最初に聞きました?」
“처음 누구에게 들었나요?”
ユナはすぐには答えなかった。
유나는 바로 대답하지 않았다.
しばらくして。
잠시 뒤.
「母です。」
“엄마요.”
ウォニョンがユナを見る。
원영이 유나를 바라봤다.
キム・ミギョンも何も言わずに待った。
김미경도 아무 말 없이 기다렸다.
ユナは続けた。
유나는 말을 이어갔다.
「小さいころから。」
“어릴 때부터.”
「もう少し痩せたらかわいいのに。」
“조금만 살 빼면 더 예쁠 텐데.”
「鼻はお父さんに似たね。」
“코는 아빠 닮았네.”
「写真写り悪いね。」
“사진이 잘 안 받네.”
「そういうことを。」
“그런 말을.”
「たぶん母は、悪気なく言ってました。」
“아마 엄마는 나쁜 뜻 없이 했을 거예요.”
「でも。」
“그런데.”
「ずっと残ってます。」
“계속 남아 있어요.”
キム・チャンオクがゆっくり言った。
김창옥이 천천히 말했다.
「ユナさん。」
“유나 씨.”
「もしかしたら今、鏡を見ながら話している声は。」
“어쩌면 지금 거울을 보면서 듣는 목소리는.”
「ユナさん自身の声ではないかもしれません。」
“유나 씨 자신의 목소리가 아닐 수도 있습니다.”
ユナが顔を上げた。
유나가 고개를 들었다.
「お母さんから聞いた言葉を。」
“어머니에게서 들었던 말을.”
「自分の声に変えて、毎日繰り返しているのかもしれない。」
“자기 목소리로 바꿔서 매일 반복하고 있는지도 모릅니다.”
ユナの目に涙が浮かんだ。
유나의 눈에 눈물이 맺혔다.
ウォニョンが静かに言った。
원영이 조용히 말했다.
「じゃあ。」
“그럼.”
「今日は顔を好きになる練習はしなくていいです。」
“오늘은 자기 얼굴을 좋아하는 연습은 하지 않아도 돼요.”
ユナが驚いた。
유나는 놀랐다.
「いいんですか?」
“그래도 돼요?”
「はい。」
“네.”
「嫌いから好きへ行くのは遠すぎる日もあります。」
“싫어하는 마음에서 좋아하는 마음까지 가는 건 너무 멀게 느껴지는 날도 있어요.”
「今日は。」
“오늘은.”
「嫌いから、攻撃しないところまで行きましょう。」
“싫어하는 마음에서, 적어도 공격하지 않는 데까지만 가봐요.”
キム・ミギョンがノートを開いた。
김미경이 노트를 펼쳤다.
紙に書く。
종이에 적었다.
「好きになる」
「좋아하기」
その下に。
그 아래에.
「責めない」
「비난하지 않기」
「今日の目標は下です。」
“오늘 목표는 아래쪽입니다.”
ユナが小さく笑った。
유나는 작게 웃었다.
「かなり低い目標ですね。」
“목표가 꽤 낮네요.”
キム・ミギョンも笑う。
김미경도 웃었다.
「低いから続けられるんです。」
“낮아야 계속할 수 있으니까요.”
ウォニョンが言った。
원영이 말했다.
「ではポジティブ競争。」
“그럼 긍정 경쟁.”
ユナも少し笑った。
유나도 조금 웃었다.
「もう始まるんですね。」
“벌써 시작하는 거예요?”
「今回は。」
“이번에는.”
「鏡を見たときに使える言葉を、一人一つ考えます。」
“거울을 볼 때 사용할 수 있는 말을 한 사람씩 하나씩 생각해 봐요.”
キム・ミギョンが最初に言った。
김미경이 먼저 말했다.
「今日も一日、一緒に生きる顔。」
“오늘도 하루를 같이 살아갈 얼굴.”
ユナが少し笑った。
유나는 조금 웃었다.
キム・チャンオクが言う。
김창옥이 말했다.
「責めなくてもいい顔。」
“비난하지 않아도 되는 얼굴.”
最後にウォニョン。
마지막으로 원영.
少し考えた。
잠시 생각했다.
「今日の私で、今日を過ごせる。」
“오늘의 나로도 오늘을 살아갈 수 있어.”
ユナはしばらく黙っていた。
유나는 한동안 말이 없었다.
「好きって言わなくてもいいんですね。」
“좋아한다고 말하지 않아도 되는 거네요.”
ウォニョンがうなずいた。
원영이 고개를 끄덕였다.
「言えない日に無理して言う必要はないと思います。」
“말할 수 없는 날에 억지로 말할 필요는 없다고 생각해요.”
「でも。」
“하지만.”
「自分にひどい言葉を言わない日は作れるかもしれない。」
“자기 자신에게 심한 말을 하지 않는 하루는 만들 수 있을지도 몰라요.”
キム・ミギョンが次の提案をした。
김미경이 다음 제안을 했다.
「三日間だけ。」
“딱 3일 동안.”
「加工アプリを消してみませんか。」
“보정 앱을 지워보는 건 어때요?”
ユナの表情が変わった。
유나의 표정이 달라졌다.
「それは無理です。」
“그건 못 해요.”
「なぜ?」
“왜요?”
「写真を載せられなくなります。」
“사진을 올릴 수 없게 돼요.”
「では、三日間載せなくてもいい。」
“그럼 3일 동안 사진을 안 올리면 됩니다.”
「でも。」
“하지만.”
「みんな載せてるし。」
“다들 올리고.”
「何か置いていかれる感じがします。」
“저만 뒤처지는 느낌이 들어요.”
ウォニョンが言った。
원영이 말했다.
「じゃあ、完全に消すのはやめましょう。」
“그럼 완전히 지우는 건 하지 말아요.”
「一日だけ。」
“하루만.”
「二十四時間。」
“24시간.”
「自分の顔を採点しない日を作ってみませんか。」
“자기 얼굴에 점수를 매기지 않는 하루를 만들어보는 건 어때요?”
ユナが聞いた。
유나가 물었다.
「採点しない?」
“점수를 안 매긴다고요?”
「かわいい。」
“예쁘다.”
「かわいくない。」
“안 예쁘다.”
「太ってる。」
“살쪘다.”
「細い。」
“말랐다.”
「全部、一日休み。」
“그런 평가를 하루만 쉬는 거예요.”
ユナは考え込んだ。
유나는 생각에 잠겼다.
「それなら。」
“그 정도라면.”
少し間を置いた。
잠시 말을 멈췄다.
「やってみたいです。」
“해보고 싶어요.”
ウォニョンが笑った。
원영이 웃었다.
「決まり。」
“좋아요.”
キム・チャンオクも微笑んだ。
김창옥도 미소 지었다.
「今日の競争、ユナさんが一歩リードですね。」
“오늘 경쟁은 유나 씨가 벌써 한발 앞섰네요.”
ユナが笑う。
유나가 웃었다.
「まだ何もしてないのに?」
“아직 아무것도 안 했는데요?”
「やってみると言えたからです。」
“해보겠다고 말했으니까요.”
その日の帰り。
그날 돌아가는 길.
ユナは駅のトイレへ入った。
유나는 지하철역 화장실에 들어갔다.
鏡があった。
거울이 있었다.
いつもの癖で、自分の顔をじっと見る。
평소 습관처럼 자신의 얼굴을 자세히 바라봤다.
目。
눈.
鼻。
코.
輪郭。
얼굴선.
口。
입.
頭の中で、いつもの言葉が出そうになる。
머릿속에서 평소 하던 말이 나오려 했다.
「ここが嫌。」
“여기가 싫어.”
その瞬間。
그 순간.
ユナは止めた。
유나는 멈췄다.
そして、小さく言った。
그리고 작게 말했다.
「今日は採点しない。」
“오늘은 점수 안 매길 거야.”
鏡の中の自分は何も変わっていなかった。
거울 속 자신의 얼굴은 아무것도 달라지지 않았다.
でも。
하지만.
その顔を見ている人の言葉が、ほんの少しだけ変わった。
그 얼굴을 바라보는 사람의 말이 아주 조금 달라졌다.
それが、この日の最初の変化だった。
그것이 그날의 첫 변화였다.
翌朝。
다음 날 아침.
ユナは目を覚ますと、いつものようにスマートフォンを手に取った。
유나는 눈을 뜨자마자 평소처럼 스마트폰을 집어 들었다.
最初に開いたのはSNSだった。
가장 먼저 연 것은 SNS였다.
友達の写真。
친구들의 사진.
インフルエンサーの動画。
인플루언서들의 영상.
美容広告。
뷰티 광고.
加工された顔。
보정된 얼굴들.
いつもなら、そこから比較が始まる。
평소라면 그 순간부터 비교가 시작됐다.
でも今日は違った。
하지만 오늘은 달랐다.
ウォニョンとの約束を思い出した。
원영과 했던 약속이 떠올랐다.
「今日は採点しない。」
“오늘은 점수를 매기지 않는다.”
ユナはSNSを閉じた。
유나는 SNS를 닫았다.
洗面所へ行く。
세면대로 갔다.
鏡を見る。
거울을 봤다.
寝起きの顔。
막 잠에서 깬 얼굴.
少しむくんでいる。
조금 부어 있었다.
髪も乱れている。
머리도 헝클어져 있었다.
いつもの言葉が頭に浮かぶ。
평소 하던 말이 머릿속에 떠올랐다.
「最悪。」
“최악이야.”
でも、口には出さなかった。
하지만 입 밖으로 내지 않았다.
代わりに、小さく言った。
대신 작게 말했다.
「今日は採点しない。」
“오늘은 점수 안 매길 거야.”
それだけだった。
그게 전부였다.
大学へ向かう電車の中。
학교로 가는 지하철 안.
ユナは窓に映る自分の顔を見た。
유나는 창문에 비친 자신의 얼굴을 봤다.
また評価したくなった。
또 평가하고 싶어졌다.
でもやめた。
하지만 멈췄다.
その代わりに。
대신.
「今日も学校へ行ってる。」
“오늘도 학교에 가고 있네.”
そう言った。
그렇게 말했다.
顔の評価ではなかった。
얼굴에 대한 평가는 아니었다.
自分の行動を見ていた。
자신의 행동을 보고 있었다.
昼休み。
점심시간.
友達が言った。
친구가 말했다.
「ユナ、今日写真撮ろうよ。」
“유나야, 오늘 사진 찍자.”
ユナの体が少し固くなった。
유나의 몸이 조금 굳었다.
いつもなら断っていた。
평소 같았으면 거절했을 것이다.
でも今日は。
하지만 오늘은.
「一枚だけなら。」
“한 장만이라면.”
と答えた。
라고 대답했다.
写真を撮った。
사진을 찍었다.
すぐに画面を見る。
곧바로 화면을 봤다.
友達は笑っている。
친구들은 웃고 있었다.
ユナも笑っていた。
유나도 웃고 있었다.
最初に目が行ったのは、自分の顔だった。
가장 먼저 눈에 들어온 것은 자신의 얼굴이었다.
「鼻が。」
“코가…”
言いかけた。
말이 나오려 했다.
でも止めた。
하지만 멈췄다.
代わりに友達を見る。
대신 친구들을 봤다.
みんな楽しそうだった。
모두 즐거워 보였다.
ユナもその中にいた。
유나도 그 안에 있었다.
「この写真、楽しそう。」
“이 사진, 되게 즐거워 보여.”
友達が笑った。
친구가 웃었다.
「それでいいじゃん。」
“그럼 됐지.”
その日の夜。
그날 밤.
ウォニョンからメッセージが届いた。
원영에게서 메시지가 왔다.
「今日は何回、自分を採点しましたか?」
“오늘 몇 번이나 자기 자신에게 점수를 매겼어요?”
ユナは少し考えた。
유나는 잠시 생각했다.
正確には分からない。
정확히는 알 수 없었다.
でも、以前より少なかった。
하지만 예전보다 훨씬 적었다.
「多分、10回くらいです。」
“아마 10번 정도요.”
すぐに返信が来た。
곧 답장이 왔다.
「昨日は?」
“어제는요?”
ユナは笑った。
유나는 웃었다.
「100回くらい。」
“100번쯤이요.”
ウォニョンから。
원영에게서.
「じゃあ今日は90回分ラッキーですね。」
“그럼 오늘은 90번만큼 럭키네요.”
ユナは声を出して笑った。
유나는 소리 내어 웃었다.
翌日。
다음 날.
三人はユナと再び会った。
세 사람은 유나를 다시 만났다.
ウォニョンがすぐ聞いた。
원영이 바로 물었다.
「どうでした?」
“어땠어요?”
「難しかったです。」
“어려웠어요.”
「でも?」
“그래도요?”
「少し楽でした。」
“조금 편했어요.”
キム・ミギョンが聞く。
김미경이 물었다.
「何が一番違いました?」
“가장 달랐던 점은 뭐였어요?”
ユナは考えた。
유나는 생각했다.
「鏡を見る時間が短くなりました。」
“거울 보는 시간이 줄었어요.”
「SNSは?」
“SNS는요?”
「少しだけ。」
“조금 덜 봤어요.”
「加工は?」
“보정은요?”
「昨日はしませんでした。」
“어제는 안 했어요.”
ウォニョンが笑った。
원영이 웃었다.
「それ、かなり大きいです。」
“그건 꽤 큰 변화예요.”
キム・チャンオクが静かに聞いた。
김창옥이 조용히 물었다.
「ユナさん。」
“유나 씨.”
「昨日、自分を責めなかった時間はありましたか?」
“어제 자기 자신을 비난하지 않았던 시간이 있었나요?”
ユナは少し考えた。
유나는 잠시 생각했다.
「友達とご飯食べてたとき。」
“친구들이랑 밥 먹을 때요.”
「そのとき、顔のことを考えていました?」
“그때는 얼굴 생각을 하고 있었나요?”
「してませんでした。」
“아니요.”
キム・チャンオクは微笑んだ。
김창옥이 미소 지었다.
「それが大事です。」
“그게 중요합니다.”
「自分の顔を好きになる時間より。」
“자기 얼굴을 좋아하는 시간보다.”
「自分の顔を忘れていられる時間が必要な人もいます。」
“자기 얼굴을 잊고 지낼 수 있는 시간이 더 필요한 사람도 있습니다.”
ユナは少し驚いた。
유나는 조금 놀랐다.
「忘れていいんですか?」
“잊어도 되는 건가요?”
「もちろん。」
“물론입니다.”
「一日中、自分を見なくていい。」
“하루 종일 자기 자신을 바라볼 필요는 없어요.”
「人は鏡のために生きているわけではありません。」
“사람은 거울을 위해 사는 게 아니니까요.”
ユナはその言葉を何度も考えた。
유나는 그 말을 몇 번이나 되새겼다.
キム・ミギョンが新しい提案をした。
김미경이 새로운 제안을 했다.
「次の三日間。」
“앞으로 3일 동안.”
「鏡を見る回数を決めましょう。」
“거울 보는 횟수를 정해봅시다.”
ユナが聞く。
유나가 물었다.
「何回ですか?」
“몇 번이요?”
「朝。」
“아침.”
「外出前。」
“외출 전.”
「必要なら夜。」
“필요하면 밤.”
「それ以外は、確認しない。」
“그 외에는 확인하지 않는 겁니다.”
ユナは少し不安そうだった。
유나는 조금 불안한 표정이었다.
「でも、変だったら?」
“근데 이상하면요?”
キム・ミギョンは笑った。
김미경이 웃었다.
「少し変でも、人は意外と気にしていません。」
“조금 이상해도 다른 사람들은 생각보다 신경 쓰지 않습니다.”
ウォニョンも笑う。
원영도 웃었다.
「みんな、自分のことで忙しいです。」
“다들 자기 자신 신경 쓰느라 바빠요.”
ユナも少し笑った。
유나도 조금 웃었다.
そのとき。
그때.
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「お母さんと、外見の話をしたことはありますか?」
“어머니와 외모에 대한 이야기를 해본 적 있나요?”
ユナの笑顔が消えた。
유나의 미소가 사라졌다.
「ないです。」
“없어요.”
「言いたいですか?」
“말해보고 싶나요?”
ユナは迷った。
유나는 망설였다.
「怖いです。」
“무서워요.”
「なぜ?」
“왜요?”
「悪気なかったって言われそう。」
“나쁜 뜻 아니었다고 할 것 같아요.”
「それで終わるのが嫌です。」
“그렇게 끝나는 게 싫어요.”
キム・チャンオクはうなずいた。
김창옥이 고개를 끄덕였다.
「では、責めるためではなく。」
“그럼 비난하기 위해서가 아니라.”
「自分に何が残ったかを伝えてみませんか。」
“그 말들이 나에게 무엇을 남겼는지 이야기해보는 건 어떨까요.”
数日後。
며칠 뒤.
ユナは母親と向かい合っていた。
유나는 엄마와 마주 앉아 있었다.
三人も少し離れた場所にいた。
세 사람도 조금 떨어진 곳에 함께 있었다.
ユナは何度も手を握り直した。
유나는 몇 번이나 손을 꼭 쥐었다 풀었다.
「お母さん。」
“엄마.”
「何?」
“응?”
「昔、私に。」
“예전에 나한테.”
「痩せたらかわいいとか。」
“살 빼면 더 예쁘겠다거나.”
「鼻がどうとか。」
“코가 어떻다거나.”
「写真写り悪いとか。」
“사진이 잘 안 받는다거나.”
「言ってたの覚えてる?」
“그런 말 했던 거 기억나?”
母親は少し考えた。
엄마는 잠시 생각했다.
「そんなこと言った?」
“내가 그런 말을 했어?”
ユナの顔が少し固くなった。
유나의 표정이 조금 굳었다.
母親は続けた。
엄마는 말을 이어갔다.
「冗談だったと思うけど。」
“아마 장난처럼 말했을 거야.”
ユナの目に涙が浮かんだ。
유나의 눈에 눈물이 맺혔다.
「私は冗談にできなかった。」
“나는 장난으로 못 넘겼어.”
母親の表情が変わった。
엄마의 표정이 바뀌었다.
「ずっと残ってる。」
“계속 남아 있어.”
「鏡見るたびに。」
“거울 볼 때마다.”
「お母さんの声みたいに聞こえる。」
“엄마 목소리처럼 들려.”
母親は何も言えなかった。
엄마는 아무 말도 하지 못했다.
しばらくして。
잠시 뒤.
母親が静かに言った。
엄마가 조용히 말했다.
「ごめん。」
“미안해.”
ユナは顔を上げた。
유나가 고개를 들었다.
「本当に覚えてなかった。」
“정말 기억 못 했어.”
「でも。」
“근데.”
「覚えてないから、傷つけてないことにはならないね。」
“내가 기억하지 못한다고 해서 네가 상처받지 않은 건 아니네.”
ユナの涙が落ちた。
유나의 눈물이 흘러내렸다.
母親も涙を浮かべた。
엄마도 눈물을 글썽였다.
「私は。」
“나는.”
「あなたをもっときれいにしてあげたいと思って言ってたのかもしれない。」
“너를 더 예쁘게 해주고 싶다는 마음으로 그런 말을 했던 것 같아.”
「でも。」
“하지만.”
「そのせいで、あなたが自分を嫌いになったなら。」
“그 때문에 네가 너 자신을 싫어하게 됐다면.”
「本当にごめん。」
“정말 미안해.”
ユナは泣きながら言った。
유나는 울면서 말했다.
「今からでも。」
“지금부터라도.”
「私の顔のこと、あまり言わないでほしい。」
“내 얼굴에 대해서는 너무 많이 말하지 않았으면 좋겠어.”
母親はすぐうなずいた。
엄마는 바로 고개를 끄덕였다.
「分かった。」
“알겠어.”
帰り道。
돌아가는 길.
ウォニョンがユナに聞いた。
원영이 유나에게 물었다.
「少し軽くなりました?」
“조금 가벼워졌어요?”
ユナは正直に答えた。
유나는 솔직하게 대답했다.
「全部は。」
“완전히는 아니요.”
「でも。」
“그래도.”
「鏡の中に、お母さんの声しかなかった感じがしてたけど。」
“거울 속에 엄마 목소리만 있는 느낌이었는데.”
「今日は自分の声も少し入った気がします。」
“오늘은 제 목소리도 조금 들어간 것 같아요.”
ウォニョンは笑った。
원영은 웃었다.
「それ、かなりいいですね。」
“그거 정말 좋은데요.”
一週間後。
일주일 뒤.
ユナは友達とカフェへ行った。
유나는 친구들과 카페에 갔다.
みんなで写真を撮った。
다 같이 사진을 찍었다.
いつものように加工アプリを開いた。
평소처럼 보정 앱을 열었다.
指が止まった。
손가락이 멈췄다.
そして閉じた。
그리고 앱을 닫았다.
友達が聞く。
친구가 물었다.
「加工しないの?」
“보정 안 해?”
ユナは少し笑った。
유나는 조금 웃었다.
「今日はこのままでいい。」
“오늘은 그냥 이대로 괜찮아.”
写真を投稿した。
사진을 올렸다.
以前なら。
예전 같았으면.
何度も確認して。
몇 번이고 확인하고.
誰が「いいね」を押したかを見る。
누가 ‘좋아요’를 눌렀는지 보고.
自分よりかわいい人の写真を探す。
자신보다 예쁜 사람의 사진을 찾아보고.
そして削除していた。
결국 지웠을 것이다.
その日は違った。
그날은 달랐다.
投稿したあと。
사진을 올린 뒤.
スマートフォンをバッグに入れた。
스마트폰을 가방에 넣었다.
そして友達との話へ戻った。
그리고 다시 친구들과 대화했다.
その夜。
그날 밤.
三人へメッセージを送った。
세 사람에게 메시지를 보냈다.
「今日、加工しない写真を載せました。」
“오늘 보정하지 않은 사진을 올렸어요.”
ウォニョンからすぐ返信が来た。
원영에게서 바로 답장이 왔다.
「今日の優勝ですね。」
“오늘 우승이네요.”
ユナが返す。
유나가 답장했다.
「まだ自分の顔、全部好きではないです。」
“아직 제 얼굴을 전부 좋아하는 건 아니에요.”
キム・チャンオクから返信が来た。
김창옥에게서 답장이 왔다.
「好きにならなくても大丈夫です。」
“꼭 좋아해야 하는 건 아닙니다.”
「今日は責めなかった。」
“오늘은 비난하지 않았잖아요.”
キム・ミギョンも続けた。
김미경도 답장을 보냈다.
「それを続ければいいです。」
“그걸 계속하면 됩니다.”
数週間後。
몇 주 뒤.
ユナは、次に予定していた美容施術を延期した。
유나는 다음에 예정했던 미용 시술을 미뤘다.
「やめた」ではなかった。
‘영원히 안 하겠다’고 한 것은 아니었다.
「今は決めない。」
“지금은 결정하지 않겠다.”
そう決めた。
그렇게 결정했다.
それだけでも、以前のユナには大きな変化だった。
그것만으로도 예전의 유나에게는 큰 변화였다.
三人と最後に会った日。
세 사람과 마지막으로 만난 날.
ウォニョンが聞いた。
원영이 물었다.
「鏡を見るのは、まだ嫌ですか?」
“아직도 거울 보는 게 싫어요?”
ユナは少し考えた。
유나는 잠시 생각했다.
「嫌な日もあります。」
“싫은 날도 있어요.”
「でも。」
“하지만.”
「前みたいに、毎回戦わなくなりました。」
“예전처럼 매번 싸우지는 않아요.”
キム・チャンオクが笑った。
김창옥이 웃었다.
「それは大きいですね。」
“그건 큰 변화네요.”
キム・ミギョンが聞いた。
김미경이 물었다.
「今、鏡を見たら何と言います?」
“지금 거울을 보면 뭐라고 말할 것 같아요?”
ユナは少し笑った。
유나는 조금 웃었다.
「前は。」
“예전에는.”
「最悪。」
“최악.”
「って言ってました。」
“이라고 했어요.”
「今は?」
“지금은요?”
ユナは少し考えた。
유나는 잠시 생각했다.
「今日もよろしく。」
“오늘도 잘 부탁해.”
三人が笑った。
세 사람이 웃었다.
ウォニョンが拍手した。
원영이 박수를 쳤다.
「それ、すごくいいです。」
“그거 정말 좋아요.”
ユナも笑った。
유나도 웃었다.
「好きでも嫌いでもない。」
“좋아하는 것도 아니고 싫어하는 것도 아니고.”
「一緒に生きる顔だから。」
“그냥 같이 살아가는 얼굴이니까요.”
キム・チャンオクが静かにうなずいた。
김창옥이 조용히 고개를 끄덕였다.
その夜。
그날 밤.
ユナは鏡の前に立った。
유나는 거울 앞에 섰다.
以前と同じ顔。
예전과 같은 얼굴.
目も。
눈도.
鼻も。
코도.
輪郭も。
얼굴선도.
何も突然変わってはいない。
갑자기 달라진 것은 아무것도 없었다.
でも。
하지만.
鏡の前に立っている人が、少し変わっていた。
거울 앞에 서 있는 사람이 조금 달라져 있었다.
ユナは小さく笑った。
유나는 작게 웃었다.
そして言った。
그리고 말했다.
「今日もよろしく。」
“오늘도 잘 부탁해.”
自分を愛せない日があってもいい。
자기 자신을 사랑하지 못하는 날이 있어도 괜찮다.
でも、自分を傷つけない日は作れる。
하지만 자기 자신을 상처 입히지 않는 하루는 만들 수 있다.
そして、その一日が積み重なると。
그리고 그런 하루가 쌓이면.
いつか鏡は、敵ではなくなるのかもしれない。
언젠가 거울은 더 이상 적이 아니게 될지도 모른다.
第10話 強くなければならない青年 - 제10화 강해야만 하는 청년

午後六時半。
오후 6시 30분.
釜山。
부산.
港には夕方の風が吹いていた。
항구에는 저녁 바람이 불고 있었다.
フェリーの音。
여객선 소리.
カモメ。
갈매기.
遠くに見える大きな橋。
멀리 보이는 큰 다리.
その海沿いのベンチに、一人の青年が座っていた。
바닷가 벤치에 한 청년이 앉아 있었다.
21歳。
스물한 살.
名前はヒョヌ。
이름은 현우.
数週間後、兵役へ行く予定だった。
몇 주 뒤 군 복무를 시작할 예정이었다.
ヒョヌは子どものころから、よく言われてきた。
현우는 어릴 때부터 이런 말을 자주 들으며 자랐다.
「男なんだから。」
“남자잖아.”
「しっかりしなさい。」
“정신 차려야지.”
「弱いことを言うな。」
“약한 소리 하지 마.”
「家族を守れる男になれ。」
“가족을 지킬 수 있는 남자가 돼야지.”
誰かが悪意を持って言ったわけではない。
누군가 악의를 가지고 한 말은 아니었다.
父親も。
아버지도.
祖父も。
할아버지도.
学校の先生も。
학교 선생님도.
友人たちも。
친구들도.
似たような言葉を使っていた。
비슷한 말을 했다.
だからヒョヌも、それが普通だと思っていた。
그래서 현우도 그것이 당연하다고 생각했다.
怖くても言わない。
무서워도 말하지 않는다.
泣きたくても泣かない。
울고 싶어도 울지 않는다.
分からなくても分かったふりをする。
몰라도 아는 척한다.
疲れても大丈夫と言う。
지쳐도 괜찮다고 말한다.
それが「強い男」だと思っていた。
그게 ‘강한 남자’라고 생각했다.
ところが、兵役の日が近づくにつれて、眠れなくなった。
하지만 입대 날짜가 가까워질수록 잠을 잘 수 없게 됐다.
夜中に何度も目が覚める。
새벽에 몇 번이나 잠에서 깼다.
胸が苦しくなる。
가슴이 답답해졌다.
未来のことばかり考える。
앞날 생각만 계속 났다.
軍隊。
군대.
就職。
취업.
大学復学。
대학 복학.
父親の店。
아버지의 가게.
家族。
가족.
全部が一度に押し寄せてくる。
모든 것이 한꺼번에 밀려왔다.
ある夜。
어느 날 밤.
父親が食卓で言った。
아버지가 식탁에서 말했다.
「行けば慣れる。」
“가면 다 적응해.”
ヒョヌはうなずいた。
현우는 고개를 끄덕였다.
「うん。」
“응.”
「男なら一回は通る道だ。」
“남자라면 한 번은 겪는 일이야.”
「うん。」
“응.”
「帰ってきたら就職も考えないとな。」
“다녀오면 취업도 생각해야지.”
「うん。」
“응.”
ヒョヌは何度も同じ返事をした。
현우는 계속 같은 대답만 했다.
その夜。
그날 밤.
自分の部屋で一人になった。
자기 방에 혼자 남았다.
スマートフォンを開く。
스마트폰을 열었다.
友人とのチャット。
친구들과의 단체 채팅방.
誰かが書いていた。
누군가 메시지를 올렸다.
「軍隊なんてすぐ終わるって。」
“군대 금방 끝나.”
別の友人。
다른 친구가 답했다.
「怖がってるやついる?」
“설마 무서운 사람 있냐?”
笑う絵文字が並んだ。
웃는 이모티콘이 이어졌다.
ヒョヌも笑う絵文字を一つ送った。
현우도 웃는 이모티콘 하나를 보냈다.
本当は。
사실은.
一番怖がっているのは、自分だった。
가장 무서워하고 있는 사람은 자신이었다.
数日後。
며칠 뒤.
ヒョヌは大学の相談員に呼ばれた。
현우는 대학 상담사와 이야기를 나누게 됐다.
理由は、友人の一人が心配したからだった。
한 친구가 걱정되어 상담실에 알렸기 때문이었다.
最近ほとんど眠っていない。
최근 거의 잠을 자지 못하고 있다.
酒を飲む回数が増えた。
술을 마시는 횟수가 늘었다.
誰とも会わない日がある。
아무도 만나지 않는 날이 생겼다.
それでも本人は、
그런데도 본인은,
「大丈夫です。」
“괜찮습니다.”
と言い続けている。
라고 계속 말했다.
その相談が、三人へ届いた。
그 상담 내용이 세 사람에게 전달됐다.
チャン・ウォニョン。
장원영.
キム・チャンオク。
김창옥.
キム・ミギョン。
김미경.
三人は釜山へ向かった。
세 사람은 부산으로 향했다.
移動中。
이동하는 동안.
ウォニョンが聞いた。
원영이 물었다.
「今回は、どういうポジティブ競争にします?」
“이번에는 어떤 긍정 경쟁을 할까요?”
キム・ミギョンが少し考えた。
김미경이 잠시 생각했다.
「誰が一番早く、彼を強くするか。」
“누가 가장 빨리 그를 강하게 만드는지.”
ウォニョンがうなずきかけた。
원영은 고개를 끄덕이려 했다.
でもキム・チャンオクが笑った。
하지만 김창옥이 웃었다.
「今回は、それをやめましょう。」
“이번에는 그걸 하지 맙시다.”
二人が見る。
두 사람이 바라봤다.
「彼はもう、強くなろうとしすぎています。」
“그는 이미 너무 오랫동안 강해지려고 애써왔습니다.”
「では何を競うんですか?」
“그럼 뭘 겨루죠?”
キム・チャンオクは答えた。
김창옥이 대답했다.
「誰が一番早く、弱いことを言っても安全だと思わせられるか。」
“누가 가장 먼저 약한 말을 해도 안전하다고 느끼게 할 수 있는지 해봅시다.”
ウォニョンは笑った。
원영은 미소 지었다.
「それ、いいですね。」
“그거 좋네요.”
三人がヒョヌと会ったのは、海沿いの小さな食堂だった。
세 사람이 현우를 만난 곳은 바닷가의 작은 식당이었다.
ヒョヌは少し緊張していた。
현우는 조금 긴장해 있었다.
「今日はありがとうございます。」
“오늘 와주셔서 감사합니다.”
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「緊張してます?」
“긴장돼요?”
ヒョヌはすぐ答えた。
현우는 바로 대답했다.
「大丈夫です。」
“괜찮습니다.”
三人が顔を見合わせた。
세 사람이 서로를 바라봤다.
ウォニョンが少し笑った。
원영이 조금 웃었다.
「一回目ですね。」
“첫 번째네요.”
ヒョヌが首をかしげる。
현우가 고개를 갸웃했다.
「何がですか?」
“뭐가요?”
「『大丈夫です』。」
“‘괜찮습니다’요.”
ヒョヌも少し笑った。
현우도 조금 웃었다.
料理が運ばれてきた。
음식이 나왔다.
温かいスープ。
따뜻한 국.
ご飯。
밥.
魚。
생선.
四人はしばらく普通に食事をした。
네 사람은 한동안 평범하게 식사를 했다.
兵役の話はしなかった。
군대 이야기는 하지 않았다.
就職の話もしなかった。
취업 이야기도 하지 않았다.
食事の途中。
식사 도중.
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「ヒョヌさん。」
“현우 씨.”
「最近、一番よく聞かれる質問は何ですか?」
“요즘 가장 자주 듣는 질문이 뭔가요?”
ヒョヌは考えた。
현우는 생각했다.
「軍隊、怖くない?」
“군대 안 무섭냐?”
「どう答えます?」
“뭐라고 대답해요?”
「別に。」
“별로.”
「本当は?」
“진짜는요?”
ヒョヌは笑った。
현우는 웃었다.
「別に。」
“별로요.”
キム・チャンオクも笑った。
김창옥도 웃었다.
「二回聞いて同じなら、三回目いきます。」
“두 번 물어도 같으니 세 번째로 가볼게요.”
「本当は?」
“진짜로요?”
ヒョヌの笑顔が少し止まった。
현우의 웃음이 조금 멈췄다.
長い沈黙。
긴 침묵.
そして小さく答えた。
그리고 작게 대답했다.
「怖いです。」
“무서워요.”
三人とも、すぐには何も言わなかった。
세 사람 모두 바로 아무 말도 하지 않았다.
ヒョヌは続けた。
현우는 말을 이어갔다.
「かなり。」
“많이요.”
ウォニョンが静かに言った。
원영이 조용히 말했다.
「今のほうが、ずっと自然に聞こえました。」
“지금 말이 훨씬 자연스럽게 들렸어요.”
ヒョヌは少し笑った。
현우는 조금 웃었다.
「でも、言ったところで変わらないですよね。」
“그래도 말한다고 달라지는 건 없잖아요.”
「怖さは残ると思います。」
“두려움은 남아 있을 거예요.”
ウォニョンはうなずいた。
원영은 고개를 끄덕였다.
「でも、一人で怖がるのと。」
“하지만 혼자 무서워하는 것과.”
「誰かに怖いと言って怖がるのは、少し違うと思います。」
“누군가에게 무섭다고 말한 뒤 무서워하는 건 조금 다를 수 있어요.”
キム・ミギョンが聞いた。
김미경이 물었다.
「軍隊だけが怖いですか?」
“군대만 무서운가요?”
ヒョヌは首を横に振った。
현우는 고개를 저었다.
「帰ってきたあとも怖いです。」
“다녀온 뒤도 무서워요.”
「何が?」
“뭐가요?”
「就職。」
“취업.”
「大学。」
“학교.”
「父の店。」
“아버지 가게.”
「全部です。」
“다요.”
「父親からは何と言われています?」
“아버지는 뭐라고 하세요?”
「帰ったら大人になってるだろって。」
“다녀오면 어른이 되어 있을 거라고요.”
キム・ミギョンが聞く。
김미경이 물었다.
「ヒョヌさんは、帰ってきたら全部分かると思っています?」
“현우 씨도 다녀오면 모든 답을 알게 될 거라고 생각해요?”
ヒョヌは苦笑した。
현우는 쓴웃음을 지었다.
「そんなわけないですよね。」
“그럴 리 없겠죠.”
「その通りです。」
“맞습니다.”
キム・ミギョンも笑った。
김미경도 웃었다.
「兵役は人生の答えを全部くれる場所ではありません。」
“군 복무가 인생의 모든 답을 주는 곳은 아닙니다.”
「戻ってきて分からないことがあっても普通です。」
“돌아와도 모르는 게 있는 건 자연스러운 일입니다.”
ヒョヌは少し安心したように笑った。
현우는 조금 안심한 듯 웃었다.
「そんなこと、初めて言われました。」
“그런 말은 처음 들어요.”
「みんな、行けば変わるって言うから。」
“다들 가면 달라진다고만 해서요.”
キム・ミギョンが答えた。
김미경이 대답했다.
「変わる部分もあるでしょう。」
“달라지는 부분도 있겠죠.”
「変わらない部分もあります。」
“달라지지 않는 부분도 있습니다.”
「それでいいです。」
“그래도 괜찮습니다.”
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「お父さんに怖いと言ったことは?」
“아버지에게 무섭다고 말해본 적 있나요?”
ヒョヌはすぐ首を横に振った。
현우는 바로 고개를 저었다.
「絶対言えないです。」
“절대 못 해요.”
「なぜ?」
“왜요?”
「父は。」
“아버지는.”
少し考えた。
잠시 생각했다.
「強い人だから。」
“강한 사람이니까요.”
「泣いてるところ見たことないです。」
“우는 것도 본 적 없고요.”
「弱音も聞いたことない。」
“약한 소리도 들은 적 없어요.”
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「では、もしお父さんも怖かったことがあるとしたら?」
“그런데 만약 아버지도 무서웠던 적이 있다면요?”
ヒョヌは首を振る。
현우는 고개를 저었다.
「ないと思います。」
“없었을 것 같아요.”
「本当に?」
“정말요?”
ヒョヌは答えられなかった。
현우는 대답하지 못했다.
ウォニョンが少し笑った。
원영이 조금 웃었다.
「では今日のポジティブ競争。」
“그럼 오늘 긍정 경쟁.”
ヒョヌも笑う。
현우도 웃었다.
「聞いてます。」
“들었습니다.”
「今回は。」
“이번에는.”
「一番強そうな弱音を考えます。」
“가장 강한 약한 말을 생각해 봐요.”
ヒョヌが笑った。
현우가 웃었다.
「矛盾してません?」
“모순 아닌가요?”
「そこがポイントです。」
“그게 포인트예요.”
キム・ミギョンが先に言った。
김미경이 먼저 말했다.
「分からないから、教えてください。」
“모르겠으니 알려주세요.”
キム・チャンオク。
김창옥.
「怖いので、そばにいてください。」
“무서우니 곁에 있어주세요.”
ウォニョン。
원영.
少し考えた。
잠시 생각했다.
「今日は無理です。でも、明日はもう一度やります。」
“오늘은 못 하겠어요. 그래도 내일 다시 해볼게요.”
三人がヒョヌを見る。
세 사람이 현우를 바라봤다.
「ヒョヌさんは?」
“현우 씨는요?”
ヒョヌはしばらく考えた。
현우는 한동안 생각했다.
そして言った。
그리고 말했다.
「怖いけど。」
“무섭지만.”
少し息を吸った。
조금 숨을 들이쉬었다.
「逃げたいわけではないです。」
“도망가고 싶은 건 아니에요.”
三人は黙って聞いた。
세 사람은 조용히 들었다.
「怖いって言ったまま、行ってもいいですか?」
“무섭다고 말한 채로 가도 될까요?”
キム・チャンオクがすぐ答えた。
김창옥이 바로 대답했다.
「もちろんです。」
“물론입니다.”
「勇気って、怖くないことではありません。」
“용기는 무섭지 않은 게 아닙니다.”
「怖いままでも、自分で選んで進むことです。」
“무서운 상태에서도 스스로 선택해서 가는 겁니다.”
その夜。
그날 밤.
ヒョヌは久しぶりに父親と二人で歩いた。
현우는 오랜만에 아버지와 둘이 걸었다.
港の近くだった。
항구 근처였다.
父親が聞いた。
아버지가 물었다.
「準備はできたか?」
“준비는 다 했냐?”
いつものヒョヌなら。
평소의 현우라면.
「うん。」
“응.”
と答えて終わっていた。
이라고 대답하고 끝냈을 것이다.
今日は違った。
하지만 오늘은 달랐다.
「父さん。」
“아빠.”
「ん?」
“응?”
「俺。」
“나.”
言葉が止まる。
말이 멈췄다.
「軍隊、怖い。」
“군대 가는 거 무서워.”
父親の足が止まった。
아버지의 발걸음이 멈췄다.
ヒョヌは下を向いた。
현우는 고개를 숙였다.
「情けないと思う?」
“한심해?”
父親はすぐには答えなかった。
아버지는 바로 대답하지 않았다.
しばらくして。
잠시 뒤.
父親が言った。
아버지가 말했다.
「俺も怖かったよ。」
“나도 무서웠다.”
ヒョヌが顔を上げる。
현우가 고개를 들었다.
「え?」
“뭐?”
「すごく。」
“많이.”
「父さんが?」
“아빠가?”
父親は少し笑った。
아버지는 조금 웃었다.
「俺だって人間だからな。」
“나도 사람이니까.”
二人は再び歩き始めた。
두 사람은 다시 걷기 시작했다.
父親が続けた。
아버지가 말을 이어갔다.
「昔は。」
“예전에는.”
「怖いって言うなって教わった。」
“무섭다는 말은 하지 말라고 배웠어.”
「だからお前にも、同じこと言ってたかもしれない。」
“그래서 너한테도 비슷하게 말했을지도 모르겠다.”
ヒョヌは黙って聞いていた。
현우는 조용히 듣고 있었다.
「でも。」
“근데.”
「怖くても行った。」
“무서워도 갔고.”
「分からなくても帰ってきた。」
“모르는 게 있어도 돌아왔고.”
「今も分からないことだらけだ。」
“지금도 모르는 게 많다.”
ヒョヌは笑った。
현우는 웃었다.
「父さんでも?」
“아빠도?”
「父さんでも。」
“아빠도.”
ヒョヌの肩から、何かが少し下りた。
현우의 어깨에서 무언가가 조금 내려놓아졌다.
父親が強かったのではなかった。
아버지가 두려움이 없는 사람이었던 것은 아니었다.
怖さを見せなかっただけだった。
두려움을 보여주지 않았을 뿐이었다.
そして今。
그리고 지금.
初めて、その怖さが二人の間で共有された。
처음으로 그 두려움이 두 사람 사이에서 공유됐다.
数日後。
며칠 뒤.
三人はヒョヌと再び会った。
세 사람은 현우를 다시 만났다.
ウォニョンが聞いた。
원영이 물었다.
「どうでした?」
“어땠어요?”
ヒョヌは笑った。
현우는 웃었다.
「父も怖かったらしいです。」
“아빠도 무서웠대요.”
三人が笑う。
세 사람이 웃었다.
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「それを聞いて、弱く見えました?」
“그 말을 듣고 아버지가 약해 보였나요?”
ヒョヌはすぐ首を横に振った。
현우는 바로 고개를 저었다.
「逆です。」
“반대였어요.”
「前より強く見えました。」
“전보다 더 강해 보였어요.”
キム・チャンオクが微笑んだ。
김창옥이 미소 지었다.
「では、今日の答えが出ましたね。」
“그럼 오늘 답이 나왔네요.”
「何ですか?」
“뭔데요?”
「弱さを話せる人は、弱い人ではない。」
“약함을 말할 수 있는 사람은 약한 사람이 아닙니다.”
入隊前日。
입대 전날.
ヒョヌは家族と夕食を食べた。
현우는 가족과 저녁을 먹었다.
父親。
아버지.
母親。
어머니.
妹。
여동생.
以前なら。
예전 같았으면.
みんなを安心させようとしていただろう。
모두를 안심시키려고 했을 것이다.
「大丈夫。」
“괜찮아.”
「心配しないで。」
“걱정하지 마.”
「すぐ帰ってくる。」
“금방 다녀올게.”
そう言ったはずだった。
그렇게 말했을 것이다.
でも。
하지만.
その夜は違った。
그날 밤은 달랐다.
「俺、明日ちょっと怖い。」
“나 내일 좀 무서워.”
母親の目に涙が浮かんだ。
어머니의 눈에 눈물이 맺혔다.
妹が言った。
여동생이 말했다.
「私も寂しい。」
“나도 오빠 가면 허전할 것 같아.”
父親が笑った。
아버지가 웃었다.
「みんな同じだな。」
“다 똑같네.”
ヒョヌも笑った。
현우도 웃었다.
翌朝。
다음 날 아침.
家を出る前。
집을 나서기 전.
ヒョヌはスマートフォンを開いた。
현우는 스마트폰을 열었다.
三人へメッセージを送った。
세 사람에게 메시지를 보냈다.
「行ってきます。」
“다녀오겠습니다.”
その下に。
그 아래에.
「まだ怖いです。」
“아직 무섭습니다.”
数秒後。
몇 초 뒤.
ウォニョンから返信。
원영에게서 답장이 왔다.
「それでも行くなら、十分強いです。」
“그래도 가는 거라면, 충분히 강해요.”
キム・ミギョン。
김미경.
「帰ってきたあとの人生は、帰ってきてから考えましょう。」
“돌아온 뒤의 인생은 돌아온 뒤에 생각합시다.”
最後にキム・チャンオク。
마지막으로 김창옥.
「怖いと言える場所を、なくさないでください。」
“무섭다고 말할 수 있는 곳을 잃지 마세요.”
ヒョヌは画面を見て笑った。
현우는 화면을 보고 웃었다.
そして玄関を出た。
그리고 현관을 나섰다.
未来への不安は消えていなかった。
미래에 대한 불안은 사라지지 않았다.
兵役への怖さも消えていない。
군 복무에 대한 두려움도 남아 있었다.
でも。
하지만.
「怖い」と言ったら弱くなる、という考えは少し消えていた。
‘무섭다’고 말하면 약해진다는 생각은 조금 사라져 있었다.
その日の夜。
그날 밤.
ウォニョンが二人へ言った。
원영이 두 사람에게 말했다.
「韓国編、最後ですね。」
“한국 편은 여기까지네요.”
キム・ミギョンがうなずいた。
김미경이 고개를 끄덕였다.
「受験。」
“입시.”
「夢。」
“꿈.”
「就職。」
“취업.”
「外見。」
“외모.”
「兵役。」
“군 복무.”
キム・チャンオクが続けた。
김창옥이 말을 이었다.
「全部違う問題でした。」
“모두 다른 문제였습니다.”
「でも、共通しているものもありました。」
“하지만 공통점도 있었습니다.”
ウォニョンが聞く。
원영이 물었다.
「何ですか?」
“뭔가요?”
キム・チャンオクは少し考えて答えた。
김창옥은 잠시 생각한 뒤 대답했다.
「『こうでなければならない』です。」
“‘이래야만 한다’는 생각입니다.”
一番でなければならない。
1등이어야 한다.
夢をかなえなければならない。
꿈을 이뤄야 한다.
就職しなければならない。
취업해야 한다.
きれいでなければならない。
예뻐야 한다.
強くなければならない。
강해야 한다.
その「なければならない」に疲れた若者たちへ。
그 ‘해야만 한다’에 지친 청년들에게.
三人が最後に残した答えは、とてもシンプルだった。
세 사람이 마지막으로 남긴 답은 아주 단순했다.
「そのままでは終わらない。でも、そのままから始めていい。」
“지금 이 모습이 끝은 아니지만, 지금의 나로부터 시작해도 된다.”
韓国での旅は、ここで一区切りを迎えた。
한국에서의 여정은 여기서 한 막을 내렸다.
しかし、物語は終わらない。
하지만 이야기는 끝나지 않는다.
次は、日本で若者たちと向き合ってきた三人と、韓国の三人が初めて合流する。
다음에는 일본의 청년들과 함께했던 세 사람과 한국의 세 사람이 처음으로 만난다.
六人が同じ場所に集まったとき。
여섯 사람이 한자리에 모였을 때.
「日本の孤独」と「韓国の孤独」は、本当に違うのか。
‘일본의 외로움’과 ‘한국의 외로움’은 정말 다른 것일까.
それとも、その奥には同じものがあるのか。
아니면 그 깊은 곳에는 같은 것이 있을까.
六人のポジティブ競争は、ここから新しい段階へ入っていく。
여섯 사람의 긍정 경쟁은 이제 새로운 단계로 들어간다.
午後六時半。
오후 6시 30분.
釜山。
부산.
港には夕方の風が吹いていた。
항구에는 저녁 바람이 불고 있었다.
フェリーの音。
여객선 소리.
カモメ。
갈매기.
遠くに見える大きな橋。
멀리 보이는 큰 다리.
その海沿いのベンチに、一人の青年が座っていた。
바닷가 벤치에 한 청년이 앉아 있었다.
21歳。
스물한 살.
名前はヒョヌ。
이름은 현우.
数週間後、兵役へ行く予定だった。
몇 주 뒤 군 복무를 시작할 예정이었다.
ヒョヌは子どものころから、よく言われてきた。
현우는 어릴 때부터 이런 말을 자주 들으며 자랐다.
「男なんだから。」
“남자잖아.”
「しっかりしなさい。」
“정신 차려야지.”
「弱いことを言うな。」
“약한 소리 하지 마.”
「家族を守れる男になれ。」
“가족을 지킬 수 있는 남자가 돼야지.”
誰かが悪意を持って言ったわけではない。
누군가 악의를 가지고 한 말은 아니었다.
父親も。
아버지도.
祖父も。
할아버지도.
学校の先生も。
학교 선생님도.
友人たちも。
친구들도.
似たような言葉を使っていた。
비슷한 말을 했다.
だからヒョヌも、それが普通だと思っていた。
그래서 현우도 그것이 당연하다고 생각했다.
怖くても言わない。
무서워도 말하지 않는다.
泣きたくても泣かない。
울고 싶어도 울지 않는다.
分からなくても分かったふりをする。
몰라도 아는 척한다.
疲れても大丈夫と言う。
지쳐도 괜찮다고 말한다.
それが「強い男」だと思っていた。
그게 ‘강한 남자’라고 생각했다.
ところが、兵役の日が近づくにつれて、眠れなくなった。
하지만 입대 날짜가 가까워질수록 잠을 잘 수 없게 됐다.
夜中に何度も目が覚める。
새벽에 몇 번이나 잠에서 깼다.
胸が苦しくなる。
가슴이 답답해졌다.
未来のことばかり考える。
앞날 생각만 계속 났다.
軍隊。
군대.
就職。
취업.
大学復学。
대학 복학.
父親の店。
아버지의 가게.
家族。
가족.
全部が一度に押し寄せてくる。
모든 것이 한꺼번에 밀려왔다.
ある夜。
어느 날 밤.
父親が食卓で言った。
아버지가 식탁에서 말했다.
「行けば慣れる。」
“가면 다 적응해.”
ヒョヌはうなずいた。
현우는 고개를 끄덕였다.
「うん。」
“응.”
「男なら一回は通る道だ。」
“남자라면 한 번은 겪는 일이야.”
「うん。」
“응.”
「帰ってきたら就職も考えないとな。」
“다녀오면 취업도 생각해야지.”
「うん。」
“응.”
ヒョヌは何度も同じ返事をした。
현우는 계속 같은 대답만 했다.
その夜。
그날 밤.
自分の部屋で一人になった。
자기 방에 혼자 남았다.
スマートフォンを開く。
스마트폰을 열었다.
友人とのチャット。
친구들과의 단체 채팅방.
誰かが書いていた。
누군가 메시지를 올렸다.
「軍隊なんてすぐ終わるって。」
“군대 금방 끝나.”
別の友人。
다른 친구가 답했다.
「怖がってるやついる?」
“설마 무서운 사람 있냐?”
笑う絵文字が並んだ。
웃는 이모티콘이 이어졌다.
ヒョヌも笑う絵文字を一つ送った。
현우도 웃는 이모티콘 하나를 보냈다.
本当は。
사실은.
一番怖がっているのは、自分だった。
가장 무서워하고 있는 사람은 자신이었다.
数日後。
며칠 뒤.
ヒョヌは大学の相談員に呼ばれた。
현우는 대학 상담사와 이야기를 나누게 됐다.
理由は、友人の一人が心配したからだった。
한 친구가 걱정되어 상담실에 알렸기 때문이었다.
最近ほとんど眠っていない。
최근 거의 잠을 자지 못하고 있다.
酒を飲む回数が増えた。
술을 마시는 횟수가 늘었다.
誰とも会わない日がある。
아무도 만나지 않는 날이 생겼다.
それでも本人は、
그런데도 본인은,
「大丈夫です。」
“괜찮습니다.”
と言い続けている。
라고 계속 말했다.
その相談が、三人へ届いた。
그 상담 내용이 세 사람에게 전달됐다.
チャン・ウォニョン。
장원영.
キム・チャンオク。
김창옥.
キム・ミギョン。
김미경.
三人は釜山へ向かった。
세 사람은 부산으로 향했다.
移動中。
이동하는 동안.
ウォニョンが聞いた。
원영이 물었다.
「今回は、どういうポジティブ競争にします?」
“이번에는 어떤 긍정 경쟁을 할까요?”
キム・ミギョンが少し考えた。
김미경이 잠시 생각했다.
「誰が一番早く、彼を強くするか。」
“누가 가장 빨리 그를 강하게 만드는지.”
ウォニョンがうなずきかけた。
원영은 고개를 끄덕이려 했다.
でもキム・チャンオクが笑った。
하지만 김창옥이 웃었다.
「今回は、それをやめましょう。」
“이번에는 그걸 하지 맙시다.”
二人が見る。
두 사람이 바라봤다.
「彼はもう、強くなろうとしすぎています。」
“그는 이미 너무 오랫동안 강해지려고 애써왔습니다.”
「では何を競うんですか?」
“그럼 뭘 겨루죠?”
キム・チャンオクは答えた。
김창옥이 대답했다.
「誰が一番早く、弱いことを言っても安全だと思わせられるか。」
“누가 가장 먼저 약한 말을 해도 안전하다고 느끼게 할 수 있는지 해봅시다.”
ウォニョンは笑った。
원영은 미소 지었다.
「それ、いいですね。」
“그거 좋네요.”
三人がヒョヌと会ったのは、海沿いの小さな食堂だった。
세 사람이 현우를 만난 곳은 바닷가의 작은 식당이었다.
ヒョヌは少し緊張していた。
현우는 조금 긴장해 있었다.
「今日はありがとうございます。」
“오늘 와주셔서 감사합니다.”
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「緊張してます?」
“긴장돼요?”
ヒョヌはすぐ答えた。
현우는 바로 대답했다.
「大丈夫です。」
“괜찮습니다.”
三人が顔を見合わせた。
세 사람이 서로를 바라봤다.
ウォニョンが少し笑った。
원영이 조금 웃었다.
「一回目ですね。」
“첫 번째네요.”
ヒョヌが首をかしげる。
현우가 고개를 갸웃했다.
「何がですか?」
“뭐가요?”
「『大丈夫です』。」
“‘괜찮습니다’요.”
ヒョヌも少し笑った。
현우도 조금 웃었다.
料理が運ばれてきた。
음식이 나왔다.
温かいスープ。
따뜻한 국.
ご飯。
밥.
魚。
생선.
四人はしばらく普通に食事をした。
네 사람은 한동안 평범하게 식사를 했다.
兵役の話はしなかった。
군대 이야기는 하지 않았다.
就職の話もしなかった。
취업 이야기도 하지 않았다.
食事の途中。
식사 도중.
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「ヒョヌさん。」
“현우 씨.”
「最近、一番よく聞かれる質問は何ですか?」
“요즘 가장 자주 듣는 질문이 뭔가요?”
ヒョヌは考えた。
현우는 생각했다.
「軍隊、怖くない?」
“군대 안 무섭냐?”
「どう答えます?」
“뭐라고 대답해요?”
「別に。」
“별로.”
「本当は?」
“진짜는요?”
ヒョヌは笑った。
현우는 웃었다.
「別に。」
“별로요.”
キム・チャンオクも笑った。
김창옥도 웃었다.
「二回聞いて同じなら、三回目いきます。」
“두 번 물어도 같으니 세 번째로 가볼게요.”
「本当は?」
“진짜로요?”
ヒョヌの笑顔が少し止まった。
현우의 웃음이 조금 멈췄다.
長い沈黙。
긴 침묵.
そして小さく答えた。
그리고 작게 대답했다.
「怖いです。」
“무서워요.”
三人とも、すぐには何も言わなかった。
세 사람 모두 바로 아무 말도 하지 않았다.
ヒョヌは続けた。
현우는 말을 이어갔다.
「かなり。」
“많이요.”
ウォニョンが静かに言った。
원영이 조용히 말했다.
「今のほうが、ずっと自然に聞こえました。」
“지금 말이 훨씬 자연스럽게 들렸어요.”
ヒョヌは少し笑った。
현우는 조금 웃었다.
「でも、言ったところで変わらないですよね。」
“그래도 말한다고 달라지는 건 없잖아요.”
「怖さは残ると思います。」
“두려움은 남아 있을 거예요.”
ウォニョンはうなずいた。
원영은 고개를 끄덕였다.
「でも、一人で怖がるのと。」
“하지만 혼자 무서워하는 것과.”
「誰かに怖いと言って怖がるのは、少し違うと思います。」
“누군가에게 무섭다고 말한 뒤 무서워하는 건 조금 다를 수 있어요.”
キム・ミギョンが聞いた。
김미경이 물었다.
「軍隊だけが怖いですか?」
“군대만 무서운가요?”
ヒョヌは首を横に振った。
현우는 고개를 저었다.
「帰ってきたあとも怖いです。」
“다녀온 뒤도 무서워요.”
「何が?」
“뭐가요?”
「就職。」
“취업.”
「大学。」
“학교.”
「父の店。」
“아버지 가게.”
「全部です。」
“다요.”
「父親からは何と言われています?」
“아버지는 뭐라고 하세요?”
「帰ったら大人になってるだろって。」
“다녀오면 어른이 되어 있을 거라고요.”
キム・ミギョンが聞く。
김미경이 물었다.
「ヒョヌさんは、帰ってきたら全部分かると思っています?」
“현우 씨도 다녀오면 모든 답을 알게 될 거라고 생각해요?”
ヒョヌは苦笑した。
현우는 쓴웃음을 지었다.
「そんなわけないですよね。」
“그럴 리 없겠죠.”
「その通りです。」
“맞습니다.”
キム・ミギョンも笑った。
김미경도 웃었다.
「兵役は人生の答えを全部くれる場所ではありません。」
“군 복무가 인생의 모든 답을 주는 곳은 아닙니다.”
「戻ってきて分からないことがあっても普通です。」
“돌아와도 모르는 게 있는 건 자연스러운 일입니다.”
ヒョヌは少し安心したように笑った。
현우는 조금 안심한 듯 웃었다.
「そんなこと、初めて言われました。」
“그런 말은 처음 들어요.”
「みんな、行けば変わるって言うから。」
“다들 가면 달라진다고만 해서요.”
キム・ミギョンが答えた。
김미경이 대답했다.
「変わる部分もあるでしょう。」
“달라지는 부분도 있겠죠.”
「変わらない部分もあります。」
“달라지지 않는 부분도 있습니다.”
「それでいいです。」
“그래도 괜찮습니다.”
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「お父さんに怖いと言ったことは?」
“아버지에게 무섭다고 말해본 적 있나요?”
ヒョヌはすぐ首を横に振った。
현우는 바로 고개를 저었다.
「絶対言えないです。」
“절대 못 해요.”
「なぜ?」
“왜요?”
「父は。」
“아버지는.”
少し考えた。
잠시 생각했다.
「強い人だから。」
“강한 사람이니까요.”
「泣いてるところ見たことないです。」
“우는 것도 본 적 없고요.”
「弱音も聞いたことない。」
“약한 소리도 들은 적 없어요.”
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「では、もしお父さんも怖かったことがあるとしたら?」
“그런데 만약 아버지도 무서웠던 적이 있다면요?”
ヒョヌは首を振る。
현우는 고개를 저었다.
「ないと思います。」
“없었을 것 같아요.”
「本当に?」
“정말요?”
ヒョヌは答えられなかった。
현우는 대답하지 못했다.
ウォニョンが少し笑った。
원영이 조금 웃었다.
「では今日のポジティブ競争。」
“그럼 오늘 긍정 경쟁.”
ヒョヌも笑う。
현우도 웃었다.
「聞いてます。」
“들었습니다.”
「今回は。」
“이번에는.”
「一番強そうな弱音を考えます。」
“가장 강한 약한 말을 생각해 봐요.”
ヒョヌが笑った。
현우가 웃었다.
「矛盾してません?」
“모순 아닌가요?”
「そこがポイントです。」
“그게 포인트예요.”
キム・ミギョンが先に言った。
김미경이 먼저 말했다.
「分からないから、教えてください。」
“모르겠으니 알려주세요.”
キム・チャンオク。
김창옥.
「怖いので、そばにいてください。」
“무서우니 곁에 있어주세요.”
ウォニョン。
원영.
少し考えた。
잠시 생각했다.
「今日は無理です。でも、明日はもう一度やります。」
“오늘은 못 하겠어요. 그래도 내일 다시 해볼게요.”
三人がヒョヌを見る。
세 사람이 현우를 바라봤다.
「ヒョヌさんは?」
“현우 씨는요?”
ヒョヌはしばらく考えた。
현우는 한동안 생각했다.
そして言った。
그리고 말했다.
「怖いけど。」
“무섭지만.”
少し息を吸った。
조금 숨을 들이쉬었다.
「逃げたいわけではないです。」
“도망가고 싶은 건 아니에요.”
三人は黙って聞いた。
세 사람은 조용히 들었다.
「怖いって言ったまま、行ってもいいですか?」
“무섭다고 말한 채로 가도 될까요?”
キム・チャンオクがすぐ答えた。
김창옥이 바로 대답했다.
「もちろんです。」
“물론입니다.”
「勇気って、怖くないことではありません。」
“용기는 무섭지 않은 게 아닙니다.”
「怖いままでも、自分で選んで進むことです。」
“무서운 상태에서도 스스로 선택해서 가는 겁니다.”
その夜。
그날 밤.
ヒョヌは久しぶりに父親と二人で歩いた。
현우는 오랜만에 아버지와 둘이 걸었다.
港の近くだった。
항구 근처였다.
父親が聞いた。
아버지가 물었다.
「準備はできたか?」
“준비는 다 했냐?”
いつものヒョヌなら。
평소의 현우라면.
「うん。」
“응.”
と答えて終わっていた。
이라고 대답하고 끝냈을 것이다.
今日は違った。
하지만 오늘은 달랐다.
「父さん。」
“아빠.”
「ん?」
“응?”
「俺。」
“나.”
言葉が止まる。
말이 멈췄다.
「軍隊、怖い。」
“군대 가는 거 무서워.”
父親の足が止まった。
아버지의 발걸음이 멈췄다.
ヒョヌは下を向いた。
현우는 고개를 숙였다.
「情けないと思う?」
“한심해?”
父親はすぐには答えなかった。
아버지는 바로 대답하지 않았다.
しばらくして。
잠시 뒤.
父親が言った。
아버지가 말했다.
「俺も怖かったよ。」
“나도 무서웠다.”
ヒョヌが顔を上げる。
현우가 고개를 들었다.
「え?」
“뭐?”
「すごく。」
“많이.”
「父さんが?」
“아빠가?”
父親は少し笑った。
아버지는 조금 웃었다.
「俺だって人間だからな。」
“나도 사람이니까.”
二人は再び歩き始めた。
두 사람은 다시 걷기 시작했다.
父親が続けた。
아버지가 말을 이어갔다.
「昔は。」
“예전에는.”
「怖いって言うなって教わった。」
“무섭다는 말은 하지 말라고 배웠어.”
「だからお前にも、同じこと言ってたかもしれない。」
“그래서 너한테도 비슷하게 말했을지도 모르겠다.”
ヒョヌは黙って聞いていた。
현우는 조용히 듣고 있었다.
「でも。」
“근데.”
「怖くても行った。」
“무서워도 갔고.”
「分からなくても帰ってきた。」
“모르는 게 있어도 돌아왔고.”
「今も分からないことだらけだ。」
“지금도 모르는 게 많다.”
ヒョヌは笑った。
현우는 웃었다.
「父さんでも?」
“아빠도?”
「父さんでも。」
“아빠도.”
ヒョヌの肩から、何かが少し下りた。
현우의 어깨에서 무언가가 조금 내려놓아졌다.
父親が強かったのではなかった。
아버지가 두려움이 없는 사람이었던 것은 아니었다.
怖さを見せなかっただけだった。
두려움을 보여주지 않았을 뿐이었다.
そして今。
그리고 지금.
初めて、その怖さが二人の間で共有された。
처음으로 그 두려움이 두 사람 사이에서 공유됐다.
数日後。
며칠 뒤.
三人はヒョヌと再び会った。
세 사람은 현우를 다시 만났다.
ウォニョンが聞いた。
원영이 물었다.
「どうでした?」
“어땠어요?”
ヒョヌは笑った。
현우는 웃었다.
「父も怖かったらしいです。」
“아빠도 무서웠대요.”
三人が笑う。
세 사람이 웃었다.
キム・チャンオクが聞いた。
김창옥이 물었다.
「それを聞いて、弱く見えました?」
“그 말을 듣고 아버지가 약해 보였나요?”
ヒョヌはすぐ首を横に振った。
현우는 바로 고개를 저었다.
「逆です。」
“반대였어요.”
「前より強く見えました。」
“전보다 더 강해 보였어요.”
キム・チャンオクが微笑んだ。
김창옥이 미소 지었다.
「では、今日の答えが出ましたね。」
“그럼 오늘 답이 나왔네요.”
「何ですか?」
“뭔데요?”
「弱さを話せる人は、弱い人ではない。」
“약함을 말할 수 있는 사람은 약한 사람이 아닙니다.”
入隊前日。
입대 전날.
ヒョヌは家族と夕食を食べた。
현우는 가족과 저녁을 먹었다.
父親。
아버지.
母親。
어머니.
妹。
여동생.
以前なら。
예전 같았으면.
みんなを安心させようとしていただろう。
모두를 안심시키려고 했을 것이다.
「大丈夫。」
“괜찮아.”
「心配しないで。」
“걱정하지 마.”
「すぐ帰ってくる。」
“금방 다녀올게.”
そう言ったはずだった。
그렇게 말했을 것이다.
でも。
하지만.
その夜は違った。
그날 밤은 달랐다.
「俺、明日ちょっと怖い。」
“나 내일 좀 무서워.”
母親の目に涙が浮かんだ。
어머니의 눈에 눈물이 맺혔다.
妹が言った。
여동생이 말했다.
「私も寂しい。」
“나도 오빠 가면 허전할 것 같아.”
父親が笑った。
아버지가 웃었다.
「みんな同じだな。」
“다 똑같네.”
ヒョヌも笑った。
현우도 웃었다.
翌朝。
다음 날 아침.
家を出る前。
집을 나서기 전.
ヒョヌはスマートフォンを開いた。
현우는 스마트폰을 열었다.
三人へメッセージを送った。
세 사람에게 메시지를 보냈다.
「行ってきます。」
“다녀오겠습니다.”
その下に。
그 아래에.
「まだ怖いです。」
“아직 무섭습니다.”
数秒後。
몇 초 뒤.
ウォニョンから返信。
원영에게서 답장이 왔다.
「それでも行くなら、十分強いです。」
“그래도 가는 거라면, 충분히 강해요.”
キム・ミギョン。
김미경.
「帰ってきたあとの人生は、帰ってきてから考えましょう。」
“돌아온 뒤의 인생은 돌아온 뒤에 생각합시다.”
最後にキム・チャンオク。
마지막으로 김창옥.
「怖いと言える場所を、なくさないでください。」
“무섭다고 말할 수 있는 곳을 잃지 마세요.”
ヒョヌは画面を見て笑った。
현우는 화면을 보고 웃었다.
そして玄関を出た。
그리고 현관을 나섰다.
未来への不安は消えていなかった。
미래에 대한 불안은 사라지지 않았다.
兵役への怖さも消えていない。
군 복무에 대한 두려움도 남아 있었다.
でも。
하지만.
「怖い」と言ったら弱くなる、という考えは少し消えていた。
‘무섭다’고 말하면 약해진다는 생각은 조금 사라져 있었다.
その日の夜。
그날 밤.
ウォニョンが二人へ言った。
원영이 두 사람에게 말했다.
「韓国編、最後ですね。」
“한국 편은 여기까지네요.”
キム・ミギョンがうなずいた。
김미경이 고개를 끄덕였다.
「受験。」
“입시.”
「夢。」
“꿈.”
「就職。」
“취업.”
「外見。」
“외모.”
「兵役。」
“군 복무.”
キム・チャンオクが続けた。
김창옥이 말을 이었다.
「全部違う問題でした。」
“모두 다른 문제였습니다.”
「でも、共通しているものもありました。」
“하지만 공통점도 있었습니다.”
ウォニョンが聞く。
원영이 물었다.
「何ですか?」
“뭔가요?”
キム・チャンオクは少し考えて答えた。
김창옥은 잠시 생각한 뒤 대답했다.
「『こうでなければならない』です。」
“‘이래야만 한다’는 생각입니다.”
一番でなければならない。
1등이어야 한다.
夢をかなえなければならない。
꿈을 이뤄야 한다.
就職しなければならない。
취업해야 한다.
きれいでなければならない。
예뻐야 한다.
強くなければならない。
강해야 한다.
その「なければならない」に疲れた若者たちへ。
그 ‘해야만 한다’에 지친 청년들에게.
三人が最後に残した答えは、とてもシンプルだった。
세 사람이 마지막으로 남긴 답은 아주 단순했다.
「そのままでは終わらない。でも、そのままから始めていい。」
“지금 이 모습이 끝은 아니지만, 지금의 나로부터 시작해도 된다.”
韓国での旅は、ここで一区切りを迎えた。
한국에서의 여정은 여기서 한 막을 내렸다.
しかし、物語は終わらない。
하지만 이야기는 끝나지 않는다.
次は、日本で若者たちと向き合ってきた三人と、韓国の三人が初めて合流する。
다음에는 일본의 청년들과 함께했던 세 사람과 한국의 세 사람이 처음으로 만난다.
六人が同じ場所に集まったとき。
여섯 사람이 한자리에 모였을 때.
「日本の孤独」と「韓国の孤独」は、本当に違うのか。
‘일본의 외로움’과 ‘한국의 외로움’은 정말 다른 것일까.
それとも、その奥には同じものがあるのか。
아니면 그 깊은 곳에는 같은 것이 있을까.
六人のポジティブ競争は、ここから新しい段階へ入っていく。
여섯 사람의 긍정 경쟁은 이제 새로운 단계로 들어간다.
おわりに - 마치며

第6話から第10話まで、5人の若者は「こうでなければならない」という別々の重荷を背負っていました。
제6화부터 제10화까지 다섯 청년은 ‘이래야만 한다’는 서로 다른 짐을 짊어지고 있었습니다.
ソヨンは、一番でなければ自分の価値まで下がると思っていました。
서연은 1등이 아니면 자신의 가치까지 내려간다고 생각했습니다.
ジウンは、夢を守るためなら自分の体を犠牲にしてもいいと思っていました。
지은은 꿈을 지키기 위해서라면 자신의 몸을 희생해도 된다고 생각했습니다.
ミンジュンは、会社から選ばれなければ、自分は社会に必要とされていないと思っていました。
민준은 회사에 선택받지 못하면 자신은 사회에 필요 없는 사람이라고 생각했습니다.
ユナは、外見が気に入らない日は、自分そのものまで嫌っていました。
유나는 외모가 마음에 들지 않는 날이면 자기 자신 전체를 싫어했습니다.
ヒョヌは、怖いと言った瞬間に「強い男」ではなくなると思っていました。
현우는 무섭다고 말하는 순간 ‘강한 남자’가 아니게 된다고 생각했습니다.
けれど、それぞれが小さな選択をしました。
하지만 각자 작은 선택을 했습니다.
順位と自分の価値を分ける。
등수와 자신의 가치를 분리하는 것.
夢を守るために、自分の体も守る。
꿈을 지키기 위해 자신의 몸도 지키는 것.
会社から選ばれる前に、自分が自分を選ぶ。
회사에 선택받기 전에 자신이 자기 자신을 선택하는 것.
自分を好きになれない日でも、自分を攻撃しない。
자신을 좋아하지 못하는 날에도 자신을 공격하지 않는 것.
怖いままでも、前へ進む。
무서운 채로도 앞으로 나아가는 것.
どれも派手な変化ではありません。
어느 것도 화려한 변화는 아닙니다.
でも、その小さな変化が人生の向きを変え始めました。
하지만 그 작은 변화들이 인생의 방향을 바꾸기 시작했습니다.
そして3人自身も変わりました。
그리고 세 사람 자신도 달라졌습니다.
特にウォニョンは、「悪いことの中からラッキーを見つける」という考えから、もう一歩先へ進みます。
특히 원영은 ‘나쁜 일 속에서도 럭키를 찾는 것’이라는 생각에서 한 걸음 더 나아갑니다.
すぐにラッキーと言えない日があってもいい。
바로 럭키라고 말할 수 없는 날이 있어도 괜찮습니다.
すぐに前向きになれなくてもいい。
바로 긍정적으로 생각하지 못해도 괜찮습니다.
自分を責めずに、その日を終えることも一つのポジティブです。
자신을 탓하지 않고 그 하루를 끝내는 것도 하나의 긍정입니다.
韓国編で見つかった答えは、とても単純でした。
한국 편에서 발견한 답은 아주 단순했습니다.
「そのままでは終わらない。でも、そのままから始めていい。」
“지금 이 모습이 끝은 아니지만, 지금의 나로부터 시작해도 된다.”
競争をやめる必要はありません。
경쟁을 완전히 포기할 필요는 없습니다.
夢を捨てる必要もありません。
꿈을 버릴 필요도 없습니다.
もっと良くなりたいと思ってもいい。
더 나아지고 싶다고 생각해도 됩니다.
ただ、その途中で自分自身まで失わないこと。
다만 그 과정에서 자기 자신까지 잃지 않는 것.
それが、5人の若者と3人が一緒に見つけた韓国編のポジティブでした。
그것이 다섯 청년과 세 사람이 함께 발견한 한국 편의 긍정이었습니다.
登場人物紹介 - 등장인물 소개
チャン・ウォニョン
장원영
韓国の歌手・IVEのメンバー。「ラッキービッキー」と呼ばれる前向きな発想でも広く知られています。この物語では、嫌な出来事を無理に否定せず、その中から次へ進む見方を探します。若者たちとの出会いを通じ、彼女自身のポジティブの意味も少しずつ広がっていきます。
한국의 가수이자 IVE 멤버. ‘럭키비키’로 불리는 긍정적인 사고방식으로도 널리 알려져 있습니다. 이 이야기에서는 힘든 일을 억지로 부정하지 않고, 그 안에서 다음으로 나아갈 수 있는 시선을 찾습니다. 청년들과의 만남을 통해 원영 자신이 생각하는 긍정의 의미도 조금씩 넓어집니다.
キム・チャンオク
김창옥
韓国の講演家・コミュニケーション専門家。人間関係、家族、感情、心の傷などをテーマに多くの講演を行っています。この物語では、若者が長い間言えなかった本音を見つけ、それを言葉にする手助けをします。
한국의 강연가이자 소통 전문가. 인간관계, 가족, 감정, 마음의 상처 등을 주제로 많은 강연을 해왔습니다. 이 이야기에서는 청년들이 오랫동안 말하지 못했던 속마음을 발견하고 그것을 말로 표현할 수 있도록 돕습니다.
キム・ミギョン
김미경
韓国の講演家・教育者・著述家。仕事、人生設計、学び、女性の生き方など幅広いテーマを扱ってきました。この物語では、感情だけで終わらず、睡眠、食事、休息、就職活動など、生活そのものを立て直す方法を若者たちと考えます。
한국의 강연가이자 교육자, 저술가. 일, 인생 설계, 배움, 여성의 삶 등 폭넓은 주제를 다뤄왔습니다. 이 이야기에서는 감정적인 위로에서 멈추지 않고 수면, 식사, 휴식, 취업 준비 등 실제 생활을 다시 세우는 방법을 청년들과 함께 고민합니다.
この作品の対話と出来事は、実在する人物の公的なイメージや発信から着想を得て創作した架空の物語です。実際の発言、行動、関係性を再現したものではありません。
이 작품의 대화와 사건은 실존 인물의 공개된 이미지와 발언에서 영감을 받아 창작한 가상의 이야기입니다. 실제 발언, 행동, 관계를 재현한 것이 아닙니다.

Leave a Reply