はじめに村田沙耶香『地球星人』の奈月は、自分を地球人ではないと考えました。その設定だけを取り出せば、非常に特殊な人物の物語に見えるかもしれません。けれど第一部で奈月たちの声を聞き、第二部で心理、社会、文学、精神性という異なる角度から考えていくと、別の問いが浮かび上がってきました。奈月は、本当に私たちからそれほど遠い存在なのでしょうか。子どもが家庭で起きていることを理解できず、自分だけの世界を作る。親が子どもの幸せを願うあまり、その子の人生まで決めようとしてしまう。仕事をし、結婚し、家を買い、子どもを育てながら、ある日突然、「これは本当に自分が選んだ人生なのだろうか」と考える。傷つけられた経験を持 … [Read more...] about 村田沙耶香 地球星人から生まれた5つの現代短編|普通とは何か

