
江原啓之:
「今日という日は、魂の“深層”に触れる時間です」
みなさん、こんにちは。江原啓之です。
この北海道の旅も、いよいよ深みに入ってまいりました。
今日、私たちが訪れる場所は、どれも**“過去と魂が響き合う場所”**です。
網走監獄では「人の罪とは何か」「赦しとは何か」。
知床五湖では、「言葉なき自然に、どんなメッセージが宿るのか」。
そして、羅臼や野付半島では、「自分の本心と向き合うための沈黙」が待っています。
こうした旅路では、“自分を責める声”や“他人の評価”から、そっと離れることが大切です。
私たちは今日、魂の深層に光を当てるために、静けさと再会の地を歩きます。
言葉よりも大切なものがあります。
それを、今日のあなたはきっと、心で感じるはずです。
(本稿に記されている対話はすべて仮想のものであり、実在の人物・発言とは関係ありません。)
網走監獄博物館と“罪と赦しの旅”

テーマ:「人が人であることを、どこで取り戻すか」
層雲峡を出て、およそ3時間半。
旅の一行は、オホーツク海の風を感じる北の町――**網走(あばしり)**へとやってきた。
重い雲が空を覆う中、訪れたのは、かつて“地の果て”と呼ばれた場所に築かれた、網走監獄博物館。
木造の重厚な門をくぐると、そこに待っていたのは――
【地元ガイド:楡木和雄(にれき・かずお)さん】
元・法務省矯正局の教誨師(きょうかいし=受刑者の心のケアを担う宗教者)であり、現在は網走監獄の史実研究員。
囚人の記録と向き合い続けてきた優しい眼差しの持ち主。語り口は静かだが、ひとつひとつの言葉が胸に深く残る。
「罪を背負う人の“目の奥”は、人の中でいちばん神に近い」と語る。
門をくぐった瞬間、空気が変わる。
誰もが自然と背筋を伸ばすその空気の中、楡木さんは一言だけ、こう言った。
「この場所は、“罰の記録”ではなく、“人が戻ろうとした記憶”を保存しています」
案内されたのは、五翼放射状舎房。
かつて実際に使用されていた木造の監獄建築で、中央から五方向に延びる監視廊が、まるで蜘蛛の巣のように張り巡らされている。
「ここで、人は1日に一言も発さず、壁に向かって生きていました。
でも不思議と、この場所には、“静かな希望”が残ってるんです」
綾瀬はるかさんがポツリと、
「ここで、心が壊れなかった人って、何を支えにしてたんでしょう…」とつぶやく。
楡木さんは、当時の受刑者の書いた短歌を見せてくれた。
『夕映えの 窓にうつりし 家族かな
夢かまことか ともに涙す』
「この歌を読んだ人は、仮釈放の日に、涙が止まらなかったそうです。
彼は“過ちを償ったこと”より、“愛を取り戻したこと”の方が嬉しかったと語りました」
出川さんが、「オレ…なんかすごく、わかる気がします…」とポツンと漏らし、
さんまさんも冗談めかして、「オレも毎日、芸能界の監獄で生きてる感じや〜!」と叫び、全員が笑いと涙を交錯させた。
楡木さんが、最後に全員を空き部屋のひとつに案内し、木の床に静かに座らせた。
「罪とは、“戻れないこと”ではありません。
“もう一度、自分に向き合う勇気”を持てるかどうかなんです」
江原啓之さんが続ける。
「この場所は、“魂のリセットボタン”のような空間です。
ここに来て、自分の中にある“許せていない自分”をそっと抱きしめてあげてください」
斎藤一人さんが、静かにポケットから今日の言葉を取り出した。
『あなたがあなたを許したとき、
神さまは“ずっと前から許してたよ”って言ってくれる。
だから今日、そろそろ自分に“おかえり”って言ってあげよう』
全員が深く息を吸い、何かが自分の中でほどけていくのを感じていた。
そして、扉を出たとき、曇っていた空の隙間から、
一筋の光が静かに差し込んでいた。
知床五湖ハイキングと“地球との再会”

テーマ:「沈黙が語る、地球と自分のつながり」
網走監獄を後にした一行は、車でさらに東へ。
雄大なオホーツクの海を横目に走る道を抜け、たどり着いたのは世界自然遺産――知床五湖(しれとこごこ)。
原始の森と湖と山々が、まるで太古の時間のまま、そこに静かに息づいている。
この地で彼らを迎えたのは――
【地元ガイド:風間 仁(かざま・じん)さん】
知床在住のネイチャーガイド。
元・生物学者でありながら、いまは「自然に帰る旅」をテーマに独自のエコツアーを展開。
地球の声を“静けさの中に聴く人”と地元では尊敬されている存在。
ハイキングコースの入口で、風間さんは軽く一礼し、静かに言った。
「今日、みなさんには“言葉を使わずに会話する方法”を体験していただきます」
「ここ、知床五湖は、“人間が自然に借りている時間”を過ごす場所です。
ですから、声を出す必要はありません。木々、湖、動物たちが、ちゃんとあなたを“見ています”から」
全員、無言で頷いた。
斎藤一人さんがニッコリと笑い、口を閉じたまま“ついてる”と心の中で唱える。
森の中に一歩足を踏み入れると、空気がまるで別物だった。
木漏れ日が葉を透かし、土のにおいがふわりと鼻をくすぐる。
リスが走り、エゾシカがじっとこちらを見ている。
風間さんは、ひとつめの湖の前で立ち止まり、指を空に向ける。
雲が風に流れ、水面には山と空と森が反転するように映っていた。
「…これは、地球が“自分の姿を思い出す鏡”です」
彼はぽつりと、それだけをつぶやいた。
綾瀬はるかさんが、自然と手帳を取り出し、何かを書き始める。
出川さんは、静かに涙ぐんでいた。
「なんか…オレ、こんなに静かな自分に出会ったことないかも…」
高田純次さんが、「静かすぎて俺の人生の騒がしさがバレてしまうな」と笑いをこらえながらつぶやくと、さんまさんが「お前、木の葉よりうるさいって言われてたやろ」とボソッと返す。
風間さんが湖の縁に咲いた小さな白い花を指さして言う。
「これ、“ツルアジサイ”です。5月の終わりにしか咲かない、季節の境界線を知らせてくれる花。
この花が咲いたら、“冬を手放す時期が来た”という合図です」
江原啓之さんがそっと付け加える。
「それは、心の“季節の境界線”でもありますね。
何かを終わらせて、何かを迎える。その“準備の空間”がこの湖なんです」
しばらくして、五湖を回った一行は、最後に展望台に立った。
そこには、オホーツクの海と、はるかに連なる山々。
そして何も言わないけれど、すべてを抱きしめてくれるような風が吹いていた。
斎藤一人さんが、その場で書いた短い言葉を皆に手渡した。
『地球って、ほんとは優しいよ。
人間が勝手に遠ざかってただけ。
こうして静かに会いに来たら、ちゃんと“おかえり”って言ってくれるから』
そして一同は、湖に背を向けず、何度も振り返りながら、来た道を静かに戻っていった。
それはまるで、“地球との再会の余韻”を大事に抱えているようだった。
知床岬クルーズと“境界線の彼方へ”

テーマ:「見えない世界とつながる、静かな海の旅」
午後、一行はウトロ港から船に乗り込んだ。
これから向かうのは、知床半島の最果て・知床岬。
そこは道も電波も届かない、“地図の外側”にある場所――
人間と自然の境界が、最も薄くなる場所だといわれている。
船を操るのは、この地で30年船を出し続ける男――
【地元ガイド(船長):野中 治(のなか・おさむ)さん】
元・商船大学卒の船長。引退後、知床の海に惚れ込み移住。
無口ながらも、動物や自然の変化を読む目に優れ、
「海は言葉を返さない。でも、嘘もつかない」と語る、海の哲学者。
船が出ると、すぐに空と海の“青の濃さ”が変わった。
陸から見る景色とはまったく違う、“水平線だけが支配する世界”。
野中船長が、マイクも使わず、静かに語った。
「この海の下にはね、ヒグマが泳いで通った跡もあるんだよ。
人間は道がなければ行けない。でも動物は、境界なんて持ってない」
出川哲朗さんが「ヒグマ!? 泳ぐの!? それ、人間だったらパニックですよ!」と叫び、
さんまさんが「オレも泳ぐけど…“現実”から逃げるようにしか泳いでへんわ!」とボケる。
綾瀬はるかさんが静かに海を見つめ、
「でもなんか、この海、怖いけど…懐かしい感じがする」とつぶやいた。
江原啓之さんが頷く。
「海は“母なる存在”ですからね。
胎児の頃、誰もが海と同じ塩分濃度の羊水の中にいました。
だから、“海に戻る感覚”は、魂の記憶でもあるんです」
クルーズが進むにつれて、岸壁には無数の断崖絶壁と流れる滝。
岩肌にはワシが舞い、海にはアザラシの群れが浮かぶ。
野中船長が、岬の先端を指差す。
「あそこが、“世界の終わり”だと思う人もいる。
でも、僕は思う。“はじまりの場所”だって。
何もない場所に来ると、人は“本当の自分”とだけ話すしかなくなるからね」
タモリさんが、その言葉を聞いてつぶやく。
「場所が変わると、人間の“内側の言葉”も変わるんだな。
この景色、誰ともシェアしたくないくらい、静かで完璧だ」
高田純次さんが「オレもここで1日黙ってたら、何か悟れるかもな〜」と言うと、
斎藤一人さんが、「いや、アンタの場合、“腹が減ってるだけ”で終わりそうだよ」と笑わせた。
船はゆっくりと岬の先端に到達した。
風が強くなり、空が開ける。
野中船長が、帽子を脱いで一言。
「この風は、“誰のものでもない風”です。
欲しいものも、足りないものも、すべて吹き飛ばしてくれる。
だから、ここで“余計な自分”をいったん下ろしていくといい」
斎藤一人さんが手のひらを海風に向け、
全員にこう言った。
『境界線の向こうには、“本当のあなた”が待ってるよ。
だからいま、何も持たずに、ただ“風の中”に立ってごらん』
船は岬を回り、再び港へ戻る。
羅臼の浜辺と“祈りの貝殻”

テーマ:「小さなものの中に、大切な願いが眠っている」
クルーズを終えた一行は、知床半島の東側――**羅臼(らうす)**に降り立った。
夕暮れの太陽がオホーツク海に沈みかけ、冷たい潮風が肌に触れる。
向かったのは、観光地から少し外れた小さな浜辺。
そこに、波打ち際に腰を下ろしていた一人の女性が立ち上がった。
【地元ガイド:浜野 織恵(はまの・おりえ)さん】
70代前半。漁師の家に生まれ育ち、若いころから“貝殻で願いを託す祈り”を続けてきた女性。
旅人に「海に何を手放し、何を受け取るのか」を問う、“潮の祈り人”。
現在は子どもたちに“海と話す授業”を開きながら、静かに貝と生きている。
「ようこそ。今日はね、“言葉にできない願い”を、海に届ける方法を教えます」
そう言って、織恵さんは、一人ひとりに小さな白い貝殻を手渡した。
「これは“ヤツシロガイ”。静かに波の中で磨かれた貝です。
持った瞬間に“最初に浮かんだ願い”が、きっとあなたの“本当の願い”ですよ」
全員がそっと目を閉じた。
さんまさんも、真剣な表情で黙り込み、
出川さんが「なんで…なんで涙出てくるんだろ…」とこぼした。
斎藤一人さんがぽつりとつぶやく。
「願いってのはね、“叶えるもの”じゃなくて、“認めるもの”なんだよ。
自分が何を欲しいと思ってるかを、素直に認めるだけで、運が動き始めるの」
高田純次さんが、ふざけながらもどこか本気で言った。
「俺、人生で“ちゃんと願ったこと”なんて、あったかな…
笑ってたら、いつか叶うと思ってたけどなぁ」
タモリさんが、海を見つめたまま静かに言う。
「願いって、“誰にも言わないうちに叶ってた”っていうのが、いちばん素敵かもな」
そして、綾瀬はるかさんが波打ち際に立ち、
手のひらに貝殻をのせて、そっと海に流した。
「ありがとう。いまの私がちゃんと願えたこと、それだけで、なんか救われました」
浜辺に小さな“光る貝の道”ができていく。
それはまるで、心の深い場所に届いた祈りの列のようだった。
織恵さんが最後に言った。
「海は、何も応えてくれないように見えるけどね。
でも、願いが“本物”なら、ちゃんと返ってくるよ。
風かもしれないし、出会いかもしれないし――
“もう一度笑える日”かもしれない」
斎藤一人さんが短冊に書いた言葉を、全員で声に出した。
『小さな願いが、大きな海を動かす。
信じたら、それで十分。
海は、ちゃんと見てくれてるから』
そして、夕焼けが海を赤く染めたとき、
誰もが足元の砂の温かさに気づいていた。
野付半島の夕日と“あしたの自分へ”

テーマ:「今日のあなたが、あしたのあなたを照らす」
羅臼を出た一行が到着したのは、道東の果て――野付半島。
ここは“トドワラ”と呼ばれる奇景で知られ、海と空と大地の境界があいまいになるような、幻想の世界。
到着した頃には太陽が傾き、潮風が肌をなでていた。
今日の案内人は――
【地元ガイド:風見 陽子(かざみ・ようこ)さん】
気象と心の変化をつなぐ旅を提供する“自然詩人”。
10年以上にわたり、野付半島の空と風を詩として記録し続けてきた。
「今日の空は、未来のあなたへの手紙」と語りかける、優しき風の人。
風見さんは、一行をトドワラの展望木道へと導く。
そこには、風にさらされた白骨のような木々が並び、海と空が地上を映し込む。
「ここはね、かつて豊かな森だった場所です。
でも海水の侵食で、森は少しずつ枯れていった。
でも、それを“消えた”とは言わない。“変わった”って言うんです」
綾瀬はるかさんが、白く立ち尽くす木を見つめながら、
「…でも、こんなふうに枯れても、美しいって…不思議ですね」と呟く。
江原啓之さんが答える。
「この場所は、“変化を肯定するエネルギー”を持っています。
“今の自分で大丈夫か”と悩む人に、“それでも光は届くよ”と語りかけてくれる場所なんです」
斎藤一人さんが、風を背にして笑いながら言った。
「人生ってのは、“きのうの自分”を“今日の自分”が抱きしめて、
“あしたの自分”を信じるってだけで、もう十分だよ」
出川哲朗さんが、「なんか…自分のこと、ちょっと好きになれそう」と照れたように笑った。
さんまさんが空を見上げながら、
「でもやっぱり、最後に笑ってる自分を想像できる旅って、ええな」とぼそっと言う。
そして、風見さんが一人ひとりに小さなメモ帳と鉛筆を渡す。
「いまここで、“あしたの自分に向けた一言”を書いてください。
明日のあなたが、これを読み返すとき、きっと少し優しくなれます」
全員が無言で書きはじめる。
波音、風の音、鳥の羽ばたき――すべてがその時間を包み込む。
書き終えたメモを、風見さんが一冊のノートにまとめ、こう言った。
「このノートは、半島の小さな祈り箱に収めます。
またここに来たとき、“あなたが書いた言葉”と再会できますよ」
そして、夕日がゆっくりと海に沈んでいった。
斎藤一人さんが、静かにまとめる。
『自分に優しくなれた日から、運はひらく。
今日の夕日が、“明日の自分の背中”を押してくれるから』
静かで、力強い1日が、光とともに閉じていった。
あとがき
「沈黙は、最も誠実な祈りです」
今日一日、たくさんの“声なきもの”と出会いました。
網走では、過去の罪や苦しみの記憶と、
知床では、言葉を持たない大自然の叡智と、
羅臼や野付では、自分の中にある“答えの出ない問い”と――。
私たちは、日常のなかでつい“言葉”に頼ってしまいます。
でも、本当に大切な気づきや変化は、
沈黙の中、誰にも言わず、自分の中で静かに始まっていくものです。
祈りとは、願いではありません。
“自分が、いまここにあること”を、そっと認めることです。
風連湖の夕暮れの中で、あなたが何も言わずに感じたもの。
それが今日、あなたの魂に刻まれた“真の旅の成果”です。
どうか、これからの日々でふと立ち止まったとき、
今日感じた静けさと再会してみてください。
そのとき、きっと――心の奥で、“答え”がやってきます。
Short Bios:
斎藤一人
“ついてる”の言霊を広めた実業家であり開運の達人。旅の中では、場に光を差し込みながら、人生の本質をやさしい言葉で届ける存在。
明石家さんま
抜群のトーク力と笑いで、沈黙も空気も一瞬で和ませる日本のお笑い界の象徴。どんな場所でも「場を明るくする力」を発揮する。
江原啓之
スピリチュアル・カウンセラー。自然や空間の“氣”を読み取る力に優れ、その場の見えない記憶を言葉にする。旅の深層に導く精神的ガイド。
綾瀬はるか
繊細な感性と素直な心で風景や人の想いを深く受け取る俳優。旅のなかでは、無意識に共感の輪を広げ、場を温かく包む存在。
出川哲朗
感情表現が豊かで、飾らない人間味が旅に温度を与えるリアクション芸人。笑って泣いて、誰よりも真っ直ぐな気持ちを見せる。
高田純次
“適当男”のキャラクターで知られつつも、旅では場の緊張を自然にゆるめ、心地よい笑いと軽やかさをもたらすバランサー。
タモリ
知識と無言の深みを持ち合わせた観察者。歴史や地形にまつわる“深い視点”をさりげなく語り、空気を静かに引き締める存在。
木島 裕一(網走監獄ガイド)
網走監獄博物館の元学芸員。受刑者たちの人生や“人間の回復”をテーマに語る、優しくも芯のある解説者。罪と赦しの語り部。
風間 仁(知床五湖ガイド)
元・生物学者であり自然哲学者。言葉少なに、自然そのものが語りかけてくることを伝える。知床の“沈黙の意味”を教える人物。
野中 治(知床岬クルーズ船長)
30年以上にわたり知床の海を案内してきたベテラン船長。“海に言葉はいらない”を信条に、自然との対話を静かに促す存在。
浜野 織恵(羅臼の浜辺・語り人)
羅臼に伝わる“貝殻に願いを託す”文化を継承する女性。潮と共に祈るその姿は、過去と現在をつなぐ小さな灯のような存在。
風見 陽子(野付半島ガイド・自然詩人)
野付半島の空と風を詩に綴る案内人。「空は未来のあなたへの手紙」が信条。沈黙の中に言葉以上のものを感じさせてくれる人。
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