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Imaginary Conversation

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Exploring the World Through Dialogue.

もし徳川家康がしゃべくり007に出演したら?天下人が芸人7人に大苦戦!

November 8, 2026 by もしもん Leave a Comment

はじめに:天下を取った男が、芸人7人に負ける日?

「鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス」

日本史上、最も忍耐強い人物の一人として知られる徳川家康。

しかし、もしその家康が、現代の人気バラエティー番組『しゃべくり007』に出演したら、いったい何が起こるのでしょうか?

前回、織田信長を相手に大騒動を巻き起こした上田晋也、有田哲平、名倉潤、原田泰造、堀内健、徳井義実、福田充徳の7人。

今度のゲストは、信長とは正反対ともいえる、穏やかな笑顔の天下人です。

「家康さんって、本当に怒らないんですか?」

有田の何気ない一言から、前代未聞の企画が始まります。

その名も「徳川家康を怒らせろ!天下人の忍耐力選手権」。

堀内健の予測不能な行動、上田の容赦ないツッコミ、福田の細かすぎる経費チェック。

ところが、家康はまったく動じません。

それどころか、芸人たちの性格を次々と見抜き、逆に7人を困らせ始めるのです。

けれども、家康の人生は、単なる我慢の物語ではありませんでした。

幼少期の人質生活、武田信玄との戦いで経験した大敗、信長と秀吉という二人の巨大な存在、そして家族をめぐる悲劇。

彼がどのようにして江戸幕府の基礎を築いたのかは、国立公文書館の徳川家康特別展示からもたどることができます。

また、妻の築山殿と息子の信康をめぐる事件には、歴史研究者・黒田基樹氏による研究が示すように、今なお解明されていない問題があります。

家康は本当に、何でも耐え忍ぶ人物だったのでしょうか?

天下を取るために、何を守り、何を失ったのでしょうか?

そして、自分が生きた時代から四百年以上が過ぎた東京を見たとき、何を思うのでしょうか?

江戸東京博物館が紹介する徳川将軍家の歴史を背景に、今回は教科書の中の偉人ではなく、笑い、迷い、失敗し、ときには悲しみを抱えた一人の人間としての家康に出会います。

芸人7人が天下人の忍耐力を試すはずだった、この特別な一日。

ところが最後には、家康のほうから、現代を生きる私たちに思いがけない問いが投げかけられるかもしれません。

さあ、徳川家康と芸人7人による、笑いと歴史の特別な対談が始まります。

※本記事は、歴史上の徳川家康と実在の芸能人を登場人物とする架空の対談です。実際の番組出演や本人の発言を再現したものではありません。歴史的事実を参考にしていますが、会話や感情表現は創作です。

Insert Video

Table of Contents
はじめに:天下を取った男が、芸人7人に負ける日?
Topic 1:徳川家康の忍耐力は本物か?芸人7人が天下人を徹底検証!
Topic 2:徳川家康が令和の東京を視察!江戸の町はどう変わった?
Topic 3:家康が語る信長・秀吉・家族!天下人が最後に残したかったもの
最後に:天下を取ることより、大切だったもの
読者への質問

Topic 1:徳川家康の忍耐力は本物か?芸人7人が天下人を徹底検証!

オープニング:信長の次は家康!今度の天下人は怒らない?

『しゃべくり007』のスタジオ。

中央には、いつもより少し立派な椅子が置かれている。背もたれには金色の葵の紋。隣には、なぜか小さな砂時計が三つ並んでいた。

上田晋也「さあ、今回のゲストは、前回に引き続き日本史の超大物でございます!」

有田哲平「いやあ、前回は大変でしたね」

名倉潤「織田信長さんな」

有田哲平「僕ら7人、全員家臣に任命されましたから」

福田充徳「しかも給料の話、一切なかったですからね」

上田晋也「お前、まだそこ気にしてんのか!」

堀内健「僕なんか特別遊撃隊長だったんですよ!」

徳井義実「一番任命したらあかん人やったな」

堀内健「今日は部下を30万人連れてきました!」

上田晋也「どこにいるんだよ!」

堀内健「全員、今トイレです!」

名倉潤「トイレ足りへんわ!」

スタジオが笑いに包まれる。

上田晋也「今回は信長さんとは、またタイプが違います。戦国の世を生き抜いて、ついに江戸幕府を開いた方です」

原田泰造「僕、すごく会ってみたかったんですよ」

有田哲平「泰造さん、何か相談したいことでもあるんですか?」

原田泰造「いや、家康さんって、ずっと我慢してきたイメージがあるじゃない。どうやってそんなに我慢できたのかなって」

堀内健「泰造、我慢してることあるの?」

原田泰造「あるよ!」

堀内健「じゃあ、今ここで全部吐き出しちゃいなよ!」

原田泰造「お前が一番の原因だよ!」

上田晋也「珍しく泰造が怒った!」

有田哲平「もう家康さんが来る前に忍耐力テストが始まってますね」

上田晋也「それではお迎えしましょう! 徳川家康さんです!」

華やかな音楽とともに、スタジオの扉が開く。

深い紺色の直垂をまとい、落ち着いた表情をした徳川家康が現れた。

信長のように大股で入ってくるわけではない。周囲を一度見渡し、軽くうなずいてから、ゆっくり歩いてくる。

徳川家康「徳川家康にござる。本日はお招きいただき、かたじけない」

一同が拍手する。

上田晋也「いやあ、家康さん! ようこそお越しくださいました!」

徳川家康「こちらこそ。なかなか賑やかなところじゃな」

有田哲平「家康さん、前回、信長さんが来たんですよ」

徳川家康「ほう。信長公が?」

上田晋也「はい。僕らを家臣にしようとされまして」

徳川家康「……それは難儀であったろうな」

上田晋也「いや、信長さんのほうが難儀してました!」

徳川家康「そうであろうな」

家康が小さく笑う。

有田哲平「家康さん、今、すぐ納得しましたね!」

徳川家康「先ほどから見ておるが、そちらの者など、命令を聞くようには見えぬ」

家康が堀内を指さす。

堀内健「えっ、僕ですか?」

徳川家康「うむ」

堀内健「家康さん、僕、めちゃくちゃ命令聞きますよ!」

徳川家康「では、少し静かにしておれ」

堀内健「はい!」

堀内は直立不動になる。

二秒後。

堀内健「……やっくん!」

上田晋也「早えよ!」

徳川家康「……なるほど」

有田哲平「家康さん、今ので何がわかったんですか?」

徳川家康「この者には、長い命令を出しても無駄じゃ」

スタジオが大爆笑する。

名倉潤「初対面で見抜かれてるやん!」

徳井義実「家康さん、人を見る目がありますね」

徳川家康「戦国の世では、人を見誤ると命に関わることもあるのでな」

上田晋也「いや、ホリケンを見誤っても命までは取られませんけどね!」

堀内健「でも、睡眠時間は取ります!」

福田充徳「それはほんまや!」

家康は再び笑い、用意された椅子に腰を下ろした。

Round 1:徳川家康は本当に「鳴くまで待つ」人だったのか?

上田晋也「家康さん、さっそくなんですが、日本では家康さんの性格を表す有名な言葉があるんですよ」

徳川家康「ほう。何じゃ?」

上田晋也「『鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス』です」

徳川家康「……ほととぎす?」

徳井義実「信長さんは『殺してしまえ』、秀吉さんは『鳴かせてみせよう』、家康さんは『鳴くまで待とう』という、三人の性格を比較した有名な句なんです」

徳川家康「面白いものじゃな。わしがそのような句を詠んだ覚えはないが」

徳井義実「実際、家康さんご本人の句ではなく、後世に広まった人物評なんですよね」

有田哲平「でも、家康さんのイメージにはぴったりじゃないですか?」

徳川家康「そうかのう。わしとて、いつまでも待っておれるわけではないぞ」

上田晋也「えっ、そうなんですか?」

徳川家康「戦で敵が迫っておるときに、ただ待っておれば討たれるであろう」

名倉潤「そらそうやな」

有田哲平「じゃあ、ホトトギスが三年間鳴かなかったら?」

徳川家康「三年も鳴かぬ鳥なら、まず体の具合を確かめる」

原田泰造「優しい!」

上田晋也「いや、そういう質問じゃないんですよ!」

堀内健「家康さん! 僕がホトトギスになります!」

堀内が椅子の上に立とうとする。

上田晋也「立つな! 危ねえだろ!」

堀内健「ホー、ホケキョ!」

徳井義実「それ、ウグイスや!」

堀内健「じゃあ、コケコッコー!」

名倉潤「今度はニワトリや!」

徳川家康「……鳥の種類から教えたほうがよさそうじゃな」

有田哲平「家康さん、教育熱心ですね」

徳川家康「教えて覚えるなら、それに越したことはない」

上田晋也「ただ、覚えるかどうかは別問題です」

堀内健「家康さん! 次はカラス!」

上田晋也「もう鳥のコーナー終わり!」

一同が笑う。

有田哲平「でも、家康さん。今日はせっかく来ていただいたので、どうしてもやりたい企画があるんですよ」

徳川家康「何じゃ?」

有田が立ち上がり、スタッフに合図する。

背後のモニターに大きな文字が映し出された。

『徳川家康を怒らせろ!天下人の忍耐力選手権』

上田晋也「おい! 何だ、この失礼な企画!」

有田哲平「いや、歴史的な実験ですよ!」

徳井義実「歴史の研究者に怒られそうな実験やな」

有田哲平「家康さんがどこまで我慢できるか、僕ら7人で確かめます」

徳川家康「ほう。わしを怒らせるのか」

有田哲平「はい!」

徳川家康「それは、なかなか骨の折れる仕事じゃな」

上田晋也「家康さん、付き合わなくてもいいですよ!」

徳川家康「いや、よい。どのようなことをするのか、見てみたい」

有田哲平「さすが家康さん!」

福田充徳「ちなみに賞品はあるんですか?」

有田哲平「優勝者には、徳川家の家紋入り高級座布団!」

福田充徳「いくらしたんですか?」

有田哲平「特注で18万円です」

福田充徳「高っ!」

家康の眉がわずかに動いた。

上田晋也「あれ? 家康さん?」

徳川家康「……座布団一枚に、十八万円?」

有田哲平「はい!」

徳川家康「それは、どのような布でできておるのじゃ?」

有田哲平「最高級の生地です!」

徳川家康「座れば、疲れが取れるのか?」

有田哲平「普通の座布団と同じぐらいです」

徳川家康「……ならば、何に十八万円も払うのじゃ?」

上田晋也「家康さん、急に目が厳しくなった!」

福田充徳「僕も同じこと思いました!」

有田哲平「ちょっと待ってください! まだ企画始まってないのに!」

徳川家康「無駄な銭の使い方を聞けば、気にもなる」

堀内健「やっくん! じゃあ僕が座布団になります!」

堀内が床に寝転がる。

堀内健「どうぞ!」

徳川家康「……それは無料か?」

堀内健「はい!」

徳川家康「ならば、そちらのほうが安い」

上田晋也「家康さん! 人に座っちゃダメです!」

家康は声を出して笑った。

有田哲平「あれ? 家康さん、僕らが仕掛ける前に逆にボケ始めてません?」

徳川家康「そなたらが何をするか、少しわかってきたのでな」

名倉潤「まだ始まって10分ぐらいやで!」

徳川家康「上田は皆を止める。有田は騒ぎを起こす。名倉は間を取り持つ。泰造は人の気持ちを考える」

家康は順番に顔を見る。

徳川家康「徳井は物事を説明し、福田は銭のことを気にする」

福田充徳「まあ、間違ってないです」

徳川家康「そして堀内は……」

堀内が期待した顔になる。

徳川家康「まだ、何をする者なのかわからぬ」

上田晋也「僕らも長年わかってません!」

大きな笑いが起こる。

有田哲平「でも、家康さん。怒らせる企画ですからね。ここから本気でいきますよ!」

徳川家康「よかろう」

有田哲平「では第一の挑戦! 家康さんが話している途中で、全員が別の話を始めます!」

上田晋也「そんな企画あるか!」

徳川家康「……それは普段からしておるのではないか?」

名倉潤「もう見抜かれてる!」

有田は構わず進行する。

有田哲平「家康さん、江戸幕府を開いたときの気持ちを聞かせてください!」

徳川家康「あのころは、まだ豊臣家も大きな存在であったし、諸大名との関係も……」

堀内健「やっくん! 好きなおにぎりの具は?」

徳川家康「……梅干しも悪くない」

上田晋也「答えるんだ!」

有田哲平「家康さん、今朝何時に起きました?」

徳川家康「日の出より少し前じゃ」

名倉潤「早いなあ!」

福田充徳「朝ご飯は何を?」

徳川家康「飯と汁物じゃ」

徳井義実「健康的ですね」

堀内健「やっくん! 宇宙人に会ったことある?」

徳川家康「……それは、そなたの知り合いか?」

上田晋也「全部普通に返してる!」

有田哲平「家康さん、怒らないんですか?」

徳川家康「怒ってほしいのか?」

有田哲平「はい!」

徳川家康「ならば、もう少し工夫せよ」

上田晋也「家康さんからダメ出しが出た!」

徳川家康「戦でも、同じ手ばかり使えば相手に読まれるぞ」

有田哲平「うわっ! これ、手ごわいな!」

堀内健「じゃあ、次は僕が家康さんの耳元で一時間、童謡を歌います!」

徳川家康「……それは、わしより上田が怒るであろう」

上田晋也「もう怒ってます!」

スタジオは再び大爆笑。

有田は悔しそうに椅子へ戻った。

有田哲平「家康さん、想像以上に強いですね」

徳川家康「まだ、始まったばかりであろう?」

上田晋也「家康さん、ちょっと楽しんでません?」

徳川家康「うむ。なかなか面白い」

しかし、上田が次の質問を口にすると、家康の表情が少し変わった。

上田晋也「家康さん、そんなに落ち着いていられるのも、昔からいろいろな苦労を経験してきたからなんでしょうか?」

徳川家康「……そうかもしれぬな」

原田泰造「家康さん、子どものころから人質だったんですよね」

徳川家康「うむ。竹千代と呼ばれておったころじゃ」

原田泰造「まだ小さかったんですよね」

徳川家康「そうじゃ。幼いころから、家の事情で親元を離れて暮らすことになった」

名倉潤「それは、つらかったでしょうね」

徳川家康「幼いころは、なぜ自分がそのような立場に置かれたのか、すべてを知ることはできぬ。ただ、周りの大人たちの話や様子から、自分の身が自分だけのものではないと知っていく」

原田泰造「……寂しくなかったですか?」

家康は泰造を見た。

徳川家康「寂しいと感じることは、あったであろうな」

原田泰造「そうですよね」

徳川家康「だが、今川のもとでは学ぶことも多かった。わしの幼少期を、苦しみだけで語ることもできぬ」

徳井義実「家康さんの人質生活は、政治的な立場に縛られていた一方で、教育を受ける時期でもあったんですよね」

徳川家康「そうじゃ。どのような境遇でも、そこで何を学ぶかは大事じゃ」

上田晋也「家康さん、今の話を聞くと、ただ我慢していたというより、状況をよく見ていたんですね」

徳川家康「見ておらねば、自分の立場もわからぬからな」

有田が小さくうなずいた。

有田哲平「なるほど……家康さんは、人を観察するのが得意なんですね」

徳川家康「そなたらのように、わかりやすい者ばかりなら楽なのじゃが」

上田晋也「家康さん、僕らのこと完全に読んでますね!」

堀内健「やっくん! 僕の次の行動もわかる?」

徳川家康「……おそらく、立ち上がる」

堀内は立ち上がりかけていた。

堀内健「うわあ! 当たった!」

名倉潤「誰でもわかるわ!」

Round 2:三方ヶ原の大敗!家康は失敗したとき、どう立ち直ったのか?

スタジオのモニターに、戦国時代の合戦図が映し出された。

上田晋也「家康さん、ここからは人生最大級の失敗について伺いたいと思います」

徳川家康「失敗か。いくつもあるぞ」

有田哲平「えっ、家康さん、そんなに失敗してるんですか?」

徳川家康「失敗せぬ者など、おるのか?」

有田哲平「上田さんは失敗しませんよ」

上田晋也「いや、するわ!」

有田哲平「上田さんの失敗は、僕とコンビを組んだことぐらいです」

上田晋也「それは今も続いてる失敗だな!」

名倉潤「認めるんかい!」

徳川家康「長く続いておるなら、失敗とも言い切れぬな」

有田哲平「家康さん、いいこと言ってくれますね!」

上田晋也「お前が勝手にいい話にするな!」

徳井義実「家康さんの大きな敗北といえば、やはり三方ヶ原の戦いですよね」

徳川家康「うむ。武田信玄との戦じゃ」

上田晋也「1572年ですね」

徳川家康「そうじゃ。信玄の軍勢が遠江へ進み、わしらは三方ヶ原で戦った。結果は大敗であった」

福田充徳「武田信玄って、当時でも相当強かったんですよね」

徳川家康「強かった。兵を動かすにも、戦を進めるにも、手ごわい相手じゃった」

原田泰造「家康さん、戦う前から怖くなかったんですか?」

徳川家康「怖さを知らぬ者が、よい判断をするとは限らぬ。だが、恐れて何もできぬのも困る」

上田晋也「家康さんは、なぜ戦うことを決めたんですか?」

徳川家康「あのときの事情は一つではない。領国を守ること、味方との関係、武田軍の動き。考えるべきことは多かった」

徳井義実「三方ヶ原での出撃判断については、後世の説明にもいろいろな見方がありますよね」

徳川家康「いずれにせよ、わしは戦い、敗れた。それは変わらぬ」

名倉潤「その言い方、重いなあ」

有田哲平「でも、家康さん。負けたあと、めちゃくちゃ悔しかったでしょう?」

徳川家康「無論じゃ」

有田哲平「僕だったら、帰ってから一週間ぐらい誰とも口をきかないですね」

上田晋也「お前、そんなに落ち込むタイプじゃねえだろ!」

有田哲平「いや、負けた相手が武田信玄だったら、さすがに落ち込みますよ」

福田充徳「お前、武田信玄と戦う機会ないやろ!」

堀内健「僕だったら、戦場からこうやって逃げます!」

堀内が突然、椅子の後ろに隠れ、四つん這いで移動し始める。

堀内健「敵が来た! 敵が来た! あっ、僕はただの石です!」

床に丸くなる。

上田晋也「動く石があるか!」

徳川家康「……それでは、かえって目立つな」

堀内健「じゃあ、草になります!」

堀内は両手を頭の上で揺らし始める。

名倉潤「そんな草あるか!」

徳川家康「堀内」

堀内健「はい!」

徳川家康「逃げるなら、まず立って走れ」

上田晋也「基本中の基本!」

有田哲平「家康さん、ホリケンに戦術を教えても無駄ですよ」

徳川家康「……わしも、そう思い始めた」

スタジオが笑いに包まれる。

上田晋也「家康さん、三方ヶ原のあとに、自分の情けない姿を絵に描かせたという有名な話がありますよね」

徳川家康「ほう。そのような話が伝わっておるのか」

徳井義実「『しかみ像』と呼ばれる肖像画のことですね。ただ、敗戦直後に家康さんが戒めとして描かせたという話は、確かな史実としては確認できていないんです」

有田哲平「じゃあ、家康さんが落ち込んだ顔を自撮りしたわけじゃないんですね」

徳川家康「じどり?」

徳井義実「自分の顔を自分で撮影することです」

徳川家康「……自分の顔を、わざわざ?」

有田哲平「はい。現代では、落ち込んだ顔でも写真を撮る人がいます」

徳川家康「不思議な世じゃな」

堀内健「家康さん! 僕、今からしかみ顔やります!」

堀内が顔を思い切りしかめる。

上田晋也「お前、普通に変顔してるだけだろ!」

堀内健「家康さん、これを家宝にしてください!」

徳川家康「……家宝は、もう少し慎重に選びたい」

名倉潤「そらそうや!」

笑いが落ち着くと、泰造が少し真剣な表情になった。

原田泰造「家康さん、でも、三方ヶ原では多くの家臣が亡くなったんですよね」

徳川家康「……そうじゃ」

原田泰造「負けたあと、みんなの顔を見て、何を思ったんですか?」

家康は少し目を伏せた。

徳川家康「わしの判断で兵を動かし、多くの者が命を落とした。大将である以上、その重さから逃れることはできぬ」

原田泰造「……はい」

徳川家康「戦に敗れると、失った土地や兵の数を数える。だが、失ったものは数だけではない。家へ帰らぬ者がおり、その帰りを待つ者がおる」

名倉潤「そうですよね」

徳川家康「負けたことを悔やむだけなら、誰でもできる。残った者をどう守るか、次に同じ過ちを繰り返さぬために何をするか。それを考えねばならぬ」

上田晋也「家康さん、失敗したときに、一番大切なのは何だと思いますか?」

徳川家康「まず、負けたという事実を認めることじゃな」

有田哲平「認めたくないときもありますよね」

徳川家康「あるであろう。人は自分の判断を正しかったと思いたいものじゃ」

福田充徳「仕事でもありますね。うまくいかなかったとき、つい理由を外に探してしまうことが」

徳川家康「天候が悪かった、相手が強かった、味方が動かなかった。そうした事情もあろう。だが、それだけで終われば、次も同じことを繰り返す」

徳井義実「失敗した理由を、自分でも考えなければいけないということですね」

徳川家康「そうじゃ。もっとも、すべてを自分一人の責任と考えすぎても、次の手を打てなくなる」

原田泰造「なるほど……」

徳川家康「生き残った者には、まだできることがある」

泰造が静かにうなずく。

原田泰造「家康さん、失敗した人にとって、救いになる言葉ですね」

家康は少し照れたように笑った。

徳川家康「わし自身、失敗ばかりしてきたのでな」

有田哲平「家康さん、じゃあ失敗の数なら僕らも負けませんよ!」

上田晋也「お前、さっきから何で失敗で張り合おうとするんだよ!」

有田哲平「だって、家康さんが天下を取れたなら、僕もあと400年ぐらい頑張れば天下を取れるかもしれないじゃないですか」

徳川家康「……四百年も生きるつもりか?」

有田哲平「はい!」

徳川家康「ならば、まず健康に気を配れ」

徳井義実「家康さん、健康への関心が高かったことでも知られていますもんね」

徳川家康「体を壊しては、できることもできぬからな」

堀内健「家康さん! 僕、毎日健康のために逆立ちしてます!」

徳川家康「それはよいことなのか?」

福田充徳「本人が勝手にやってるだけです!」

堀内健「じゃあ、今から逆立ちして健康を証明します!」

上田晋也「危ないからやめろ!」

徳川家康「……上田」

上田晋也「はい?」

徳川家康「そなたは、毎日この者の世話をしておるのか?」

上田晋也「そうですよ!」

徳川家康「……それは、三方ヶ原とは別の苦労じゃな」

スタジオが大爆笑する。

有田哲平「家康さん、上田さんにも何か教えてあげてくださいよ。ホリケンに耐える方法を」

家康は堀内をじっと見た。

徳川家康「……一つ、思いついた」

上田晋也「何ですか?」

徳川家康「次は、わしが試す番じゃ」

有田が目を輝かせる。

有田哲平「えっ、家康さんから企画提案ですか?」

徳川家康「うむ。そなたらがどれほど我慢できるか、見てみたい」

堀内健「やる! やる! 僕、絶対勝つ!」

徳川家康「……そうか」

家康は意味ありげに笑った。

Round 3:家康の逆襲!芸人7人は三分間黙っていられるか?

スタッフが中央のテーブルを片づけ、砂時計を一つだけ残した。

上田晋也「さあ、家康さんからの挑戦です。どんな企画でしょうか?」

徳川家康「簡単なことじゃ。三分間、誰も口を開かず、動かず、ただ座っておる」

有田哲平「えっ、それだけですか?」

徳川家康「それだけじゃ」

名倉潤「三分ぐらいならできるやろ」

徳井義実「まあ、普通に考えたら簡単ですね」

福田充徳「僕、こういうの得意ですよ」

原田泰造「僕も大丈夫だと思う」

堀内健「僕なんか三時間でもいけるよ!」

上田晋也「お前、三秒も無理だろ!」

徳川家康「では、始めようか」

有田哲平「ちょっと待ってください。ルールを確認します。しゃべったら失格、動いたら失格ですね?」

徳川家康「うむ」

有田哲平「笑ったら?」

徳川家康「失格じゃ」

有田哲平「くしゃみは?」

徳川家康「仕方あるまい」

有田哲平「おならは?」

上田晋也「そんな細かいこと聞くな!」

徳川家康「……音が出れば、皆が笑うかもしれぬな」

名倉潤「家康さんまで考えんでええです!」

有田哲平「家康さん、なかなか厳しいルールですね」

徳川家康「戦の前にも、決めたことを守れぬ者がおれば困るからな」

堀内健「じゃあ、僕は戦国時代だったらどうなりますか?」

徳川家康「……まず、見張りには使わぬ」

上田晋也「確かに!」

堀内健「何で!?」

徳川家康「敵が来る前に、自分から騒ぎそうじゃ」

有田哲平「家康さん、ホリケンのこと完全にわかってますね!」

上田晋也「それでは、始めましょう! 三分間沈黙チャレンジ!」

砂時計がひっくり返される。

全員が姿勢を正した。

最初の五秒。

誰も動かない。

十秒。

堀内が天井を見上げた。

十五秒。

堀内がゆっくりと両手を上げる。

上田晋也「……」

上田が必死に口を閉じる。

二十秒。

堀内が両手で小さな鳥の形をつくり、家康に向かって動かした。

家康は静かに見つめる。

二十五秒。

堀内が口を開いた。

堀内健「ホトトギス!」

上田晋也「お前、もう失格だろ!」

有田哲平「上田さんもしゃべった!」

名倉潤「有田もや!」

徳井義実「名倉さんも!」

福田充徳「徳井もやん!」

五人が一斉に顔を見合わせた。

家康は微動だにしない。

原田泰造「……あっ」

泰造も思わず声を出した。

徳川家康「……」

家康だけが静かに座っている。

上田晋也「ちょっと待って! まだ三十秒ぐらいしかたってないですよ!」

有田哲平「家康さん、強すぎません?」

徳川家康「……」

名倉潤「家康さん、もう終わってますよ!」

徳川家康「……」

福田充徳「家康さん、砂時計、まだ残ってますけど!」

徳川家康「……」

徳井義実「まさか、全員失格しても三分間続けるつもりですか?」

家康は小さくうなずいた。

上田晋也「律儀すぎるだろ!」

有田が家康の前に回り込む。

有田哲平「家康さん、今から僕が面白い顔をしますよ!」

家康は動かない。

有田が頬を膨らませ、目を寄せる。

家康は無表情。

堀内が横から現れ、奇妙なポーズを取る。

家康は目だけで追う。

堀内健「やっくん! やっくん! 僕、ホトトギスだよ!」

上田晋也「お前、もう鳥やめろ!」

家康は口元をわずかに緩める。

有田哲平「あっ! 今、笑いそうになりました!」

徳川家康「……」

原田泰造「家康さん、すごいなあ」

名倉潤「ほんまに動かへんな」

福田充徳「でも、これ、三分間見てるだけって、番組としてどうなんですか?」

上田晋也「お前、現実的なこと言うな!」

残り一分。

家康は静かに座り続ける。

すると、堀内が突然、家康の隣に座った。

堀内健「僕も、もう一回やる」

堀内は目を閉じる。

五秒。

十秒。

十五秒。

珍しく静かだった。

原田泰造「おっ、ホリケン頑張ってる」

有田哲平「意外といけるんじゃないですか?」

二十秒。

堀内の肩が小さく震え始めた。

三十秒。

堀内が目を開く。

堀内健「……やっくん」

家康は動かない。

堀内健「僕、今、人生で一番頑張ってる」

上田晋也「しゃべっちゃってるだろ!」

堀内健「ああっ!」

スタジオが笑いに包まれる。

やがて、砂時計の砂がすべて落ちた。

家康がゆっくりと口を開く。

徳川家康「……終わったようじゃな」

上田晋也「家康さん、圧勝です!」

有田哲平「いやあ、参りました!」

名倉潤「三分間って、こんなに長いんやな」

福田充徳「普段しゃべってる人間には、難しいですね」

徳川家康「そうであろう。何もせずに待つというのも、案外難しいものじゃ」

徳井義実「でも、家康さん。さっきから僕らのことをずっと見てましたよね」

徳川家康「うむ」

徳井義実「ただ我慢していたわけじゃないんですか?」

徳川家康「そなたらが、いつ、何をするのか見ておった」

上田晋也「なるほど」

徳川家康「堀内は最初に動くと思うた。上田は、それを止めようとして口を開くであろうと」

上田晋也「完全に読まれてた!」

徳川家康「有田は、皆が失格したあとも、何とかしてわしを笑わせようとする」

有田哲平「そのとおりです!」

徳川家康「名倉は周りの様子を気にし、徳井は状況を分析する。福田は、企画として成り立っておるかを考える」

福田充徳「ほんまに全部見てたんですね」

徳川家康「泰造は、堀内が頑張っておるのを応援しておった」

原田泰造「ああ、確かに」

徳川家康「皆、同じ三分間を過ごしておるようで、考えておることは違うのじゃな」

上田晋也「家康さん、すごいですね」

徳川家康「待つというのは、何もしないこととは限らぬ。相手を見て、状況を知り、次に何をするか考える時間にもなる」

徳井義実「家康さんらしい考え方ですね」

徳川家康「もっとも、待ちすぎて機会を逃すこともある。いつ動くかを決めるのが、難しいのじゃ」

有田哲平「家康さん、じゃあ、僕らが待ちすぎて失敗したこともわかります?」

徳川家康「何かあるのか?」

有田哲平「上田さん、昔から僕に『もう少し落ち着け』って言うんですよ」

上田晋也「言うよ!」

有田哲平「それで、今日まで落ち着くのを待ってたんです」

上田晋也「お前、全然落ち着いてねえじゃねえか!」

徳川家康「……それは、待つだけでは変わらぬかもしれぬな」

名倉潤「家康さん、いいこと言うなあ」

堀内健「やっくん! 僕、決めた!」

徳川家康「何をじゃ?」

堀内健「今日から毎日、三分間黙る!」

上田晋也「本当かよ!」

堀内健「はい! まず明日から!」

徳川家康「……今日からではないのか?」

堀内健「今日は忙しいから!」

上田晋也「三分ぐらい取れるだろ!」

徳川家康「……明日を待つのも、ほどほどにせねばな」

一同が大笑いする。

有田が突然、立ち上がった。

有田哲平「家康さん! もう一つだけ聞かせてください!」

徳川家康「何じゃ?」

有田哲平「家康さんは、天下を取るまで長い時間がかかったじゃないですか」

徳川家康「うむ」

有田哲平「その間、信長さんや秀吉さんがどんどん先に進んでいくのを見て、焦らなかったんですか?」

家康は少し考えた。

徳川家康「……焦ることがなかったと言えば、嘘になるであろうな」

上田晋也「えっ、家康さんでも焦るんですか?」

徳川家康「人間じゃからな」

原田泰造「そうですよね」

徳川家康「信長公も秀吉も、それぞれに大きな力を持っておった。わしが同じことをしようとしても、同じ結果になるとは限らぬ」

徳井義実「自分の立場を考えていたんですね」

徳川家康「そうじゃ。人には、それぞれの時機がある。だが、時機が来たときに何もできぬのでは困る」

福田充徳「準備が必要ということですね」

徳川家康「うむ。待つなら、待つ間にできることをせねばならぬ」

名倉潤「なるほどなあ」

徳川家康「それに、わしが天下を取ることになるなど、若いころから決まっておったわけではない」

上田晋也「確かに、そうですよね」

徳川家康「そのとき、そのときに生き残る道を探し、家を守り、できることを重ねてきた。後から見れば、長く待ったように見えるのであろうな」

原田泰造「家康さん、すごく人間らしいですね」

徳川家康「そうか?」

原田泰造「はい。家康さんって、何でも計画どおりに進めた人だと思ってました。でも、実際には迷ったり、焦ったり、失敗したりしてたんですね」

徳川家康「迷わぬ者など、おらぬ。大事なのは、迷ったあとにどうするかじゃ」

少し静かな時間が流れた。

その空気を破ったのは、やはり堀内だった。

堀内健「やっくん! 僕も今、人生の大きな決断をしました!」

上田晋也「何だよ?」

堀内健「明日からホトトギスになります!」

名倉潤「何でやねん!」

徳川家康「……それは、待っておればなれるものなのか?」

堀内健「なれます!」

徳川家康「ならば、楽しみに待つとしよう」

上田晋也「家康さん! そんなの待たなくていいです!」

スタジオが再び笑いに包まれた。

家康はその様子を眺めながら、ゆっくりと笑った。

徳川家康「いやはや。信長公が苦労されたわけが、少しわかった気がする」

有田哲平「家康さん、僕らを家臣にしたくなりました?」

徳川家康「……まだ考えておる」

上田晋也「家康さんまで採用する気なんですか!」

徳川家康「そなたらは、それぞれ違う働きをする。うまく使えば、面白いことができるかもしれぬ」

有田哲平「おっ! 信長さんより評価高い!」

福田充徳「給料は出ますか?」

徳川家康「まず、働きを見てからじゃ」

福田充徳「そこは厳しいんですね!」

堀内健「やっくん! 僕、何の役職?」

家康は少し考えた。

徳川家康「……そなたには、自由に動いてもらうのがよさそうじゃな」

堀内健「やった! 自由大臣!」

上田晋也「そんな役職ねえよ!」

徳川家康「ただし、一つ条件がある」

堀内健「何ですか?」

徳川家康「わしが呼んだときだけは、すぐ戻ってこい」

堀内健「はい!」

堀内は元気よく返事をすると、突然スタジオの出口へ走り始めた。

上田晋也「おい! どこ行くんだよ!」

堀内健「自由大臣だから!」

徳川家康「堀内!」

堀内がぴたりと止まる。

堀内健「はい!」

徳川家康「戻ってまいれ」

堀内はすぐに戻ってきた。

スタジオが拍手と笑いに包まれる。

有田哲平「すごい! 家康さん、ホリケンを動かした!」

名倉潤「信長さんでもできへんかったのに!」

徳川家康「……なるほど。命令の出し方にも、工夫がいるのじゃな」

上田晋也「いや、家康さん。今のはたまたまだと思いますよ!」

堀内健「やっくん! 次はどこ行けばいい?」

徳川家康「……しばらく、ここにおれ」

堀内健「はい!」

家康は満足そうにうなずいた。

しかし、その数秒後、堀内は家康の椅子の後ろに回り込み、突然、耳元でささやいた。

堀内健「……ホトトギス」

上田晋也「だから鳥はもういいんだよ!」

家康はとうとう声を上げて笑った。

徳川家康「ははは! まことに、そなたらは退屈させぬな!」

原田泰造「家康さん、楽しそうですね」

徳川家康「うむ。戦国の世では、これほど気楽に笑える時間は、そう多くなかったかもしれぬ」

上田晋也「家康さん、今日はまだまだいろいろ聞かせてくださいね」

徳川家康「無論じゃ。わしも、この時代のことをもっと知りたい」

徳井義実「家康さん、次は今の東京を見ていただきたいんです」

徳川家康「東京?」

徳井義実「家康さんが拠点にした江戸が、今はものすごい大都市になってるんですよ」

家康の表情が変わった。

徳川家康「……江戸が?」

福田充徳「家康さん、驚きますよ。土地の値段も、建物の高さも、昔とは全然違いますから」

徳川家康「土地の値が?」

有田哲平「家康さん、今の東京でお城を建てようとしたら、とんでもない金額になりますよ!」

徳川家康「……それは、いくらほどじゃ?」

上田晋也「家康さん、またお金の話になると真剣ですね!」

徳川家康「町をつくるには、銭も人も必要じゃからな」

堀内健「やっくん! 東京には地下に電車が走ってるんだよ!」

徳川家康「……地下に、電車?」

堀内健「そう! 地面の下を、鉄の大蛇が走るの!」

徳川家康「……大蛇?」

家康は、初めて少し困った顔をした。

徳川家康「そなたらの時代は、わしが思うた以上に不思議な世のようじゃな」

上田晋也「家康さん、次はもっと驚いていただきますよ!」

有田哲平「いやあ、家康さん。忍耐力テストは勝ちましたけど、令和の東京には耐えられないかもしれませんね!」

徳川家康「……それは、見てから決めよう」

家康は静かに笑った。

芸人7人は、まだ知らなかった。

戦国の世を生き抜いたこの男が、現代の東京を前にして、驚くだけで終わる人物ではないことを。

そして、彼らが次に見せるものが、家康の中に眠っていた「町をつくる者」としての好奇心を呼び覚ますことになるとは。

※本作は、歴史上の徳川家康と実在の『しゃべくり007』出演者を題材にした架空の対談です。会話や番組内の出来事はすべて創作です。三方ヶ原の戦い、家康の人質生活などは史実をもとにしていますが、家康の発言や内面の描写は創作上の解釈です。「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」は後世に広まった人物評であり、家康本人の発言ではありません。

Topic 2:徳川家康が令和の東京を視察!江戸の町はどう変わった?

オープニング:家康、自分が築いた江戸の未来を見る

『しゃべくり007』のスタジオ。

先ほどの忍耐力対決で芸人7人を圧倒した徳川家康は、すっかり番組の雰囲気にも慣れ、落ち着いた表情でお茶を飲んでいた。

しかし、そんな家康に、今度は芸人たちがとんでもないものを見せようとしていた。

上田晋也「さあ、家康さん! ここからは、ちょっと歴史を離れて、現代の日本を見ていただきたいと思います!」

徳川家康「現代の日本か。先ほどから、わしの知らぬものばかりじゃな」

有田哲平「家康さん、驚くのはまだ早いですよ。今から400年後の江戸を見ていただきます!」

徳川家康「四百年後の江戸?」

徳井義実「家康さんが拠点にした江戸は、今では東京と呼ばれているんです」

徳川家康「東京……。江戸の名はなくなったのか?」

名倉潤「地名としては残ってますけど、今は東京ですね」

徳川家康「ほう。では、江戸城はどうなった?」

上田晋也「その話も出てきます。まずは映像をご覧ください!」

スタジオが暗くなる。

巨大なスクリーンに映し出されたのは、空から見た現代の東京だった。

無数の高層ビル。どこまでも続く住宅街。縦横に走る道路。鉄道の線路。そして、巨大な東京スカイツリー。

家康は茶碗を持ったまま、動きを止めた。

徳川家康「…………」

有田哲平「家康さん?」

徳川家康「…………」

上田晋也「家康さん! 今度は三分間黙るゲームじゃないですよ!」

徳川家康「……これは、まことに江戸なのか?」

徳井義実「はい。東京です」

徳川家康「……わしの知る江戸とは、まるで違う」

堀内健「やっくん! すごいでしょ! これ全部、僕が建てたんだよ!」

上田晋也「お前、何歳なんだよ!」

徳川家康「……堀内は、四百年も生きておるのか?」

名倉潤「信じなくてええです!」

堀内健「僕、江戸時代からずっと元気!」

徳川家康「それならば、長寿の秘訣を教えてもらいたいものじゃな」

福田充徳「家康さん、真面目に聞かんといてください!」

笑いが起こる。

しかし家康は、すぐにスクリーンへ視線を戻した。

徳川家康「……これほど多くの人が暮らしておるのか」

徳井義実「東京都全体では、今は約1400万人が暮らしています」

徳川家康「千四百万人……」

有田哲平「家康さん、今の東京には、家康さんの時代の日本全体に近いぐらいの人が住んでいるんですよ」

徳川家康「……それほどか」

上田晋也「家康さん、ちょっと感動してます?」

徳川家康「いや……驚いておる。わしが江戸へ入ったころ、このような町になるとは思いもせなんだ」

原田泰造「家康さん、嬉しいですか?」

家康は少し考えた。

徳川家康「嬉しいというより……不思議じゃな。わしらが生きた時代の先に、これほど大きな町が続いておるとは」

有田が静かにうなずいた。

しかし、堀内が突然手を挙げる。

堀内健「家康さん! でも東京には、まだお城が足りません!」

徳川家康「ほう?」

堀内健「だから、僕が東京の真ん中に巨大なお城を建てます!」

上田晋也「どこに建てるんだよ!」

堀内健「渋谷のスクランブル交差点!」

名倉潤「交通が止まるわ!」

徳川家康「……まず、町の者に相談せねばならぬな」

上田晋也「家康さん、ホリケンよりずっと現代的な考え方ですね!」

家康は笑った。

Round 1:家康、東京の高層ビルと地下鉄に驚く!

徳井義実「家康さん、まずこちらをご覧ください」

スクリーンに東京駅の映像が映る。

赤レンガの駅舎。その周囲にそびえる高層ビル。そして、次々と到着する列車。

徳川家康「……これは何じゃ?」

徳井義実「東京駅です。鉄道という乗り物が、全国各地へ人を運んでいるんです」

徳川家康「鉄道?」

有田哲平「家康さん、馬よりずっと速いんですよ!」

徳川家康「馬より速い?」

堀内健「馬が百頭ぐらい合体した感じ!」

上田晋也「余計わかりにくいわ!」

徳井義実「例えば新幹線なら、東京から京都まで二時間ちょっとで行けるんです」

徳川家康「……京都まで?」

徳井義実「はい」

徳川家康「二時間ほどで?」

徳井義実「そうです」

家康は目を大きく見開いた。

徳川家康「……信じがたい」

福田充徳「家康さんの時代なら、何日もかかりますもんね」

徳川家康「それはそうじゃ。人を動かすにも、物を運ぶにも、道と宿が必要じゃった」

徳井義実「江戸時代には東海道をはじめとする街道や宿場町が整備されましたね」

徳川家康「うむ。道が整えば、人も物も動きやすくなる。だが、この鉄道とやらは、わしらの考えておったものをはるかに超えておる」

有田哲平「家康さん、これがあったら関ヶ原の戦いも楽だったんじゃないですか?」

徳川家康「……戦場まで兵を運ぶということか?」

有田哲平「はい! 東軍全員、新幹線で関ヶ原へ!」

上田晋也「何で新幹線で出陣するんだよ!」

堀内健「西軍は自由席!」

名倉潤「何の差やねん!」

徳川家康「……それでは、兵の数より切符の数が問題になりそうじゃな」

福田充徳「家康さん、そこ気にするんですね!」

有田哲平「しかも、関ヶ原駅で全員降りるんですよ!」

上田晋也「駅が大混雑するだろ!」

徳川家康「……戦う前に疲れてしまいそうじゃ」

スタジオが大笑いする。

次に、地下鉄の映像が映し出された。

地下深くのホーム。到着する電車。自動改札を通る大勢の人々。

徳川家康「……これは、地下か?」

徳井義実「はい。地面の下に鉄道が走っているんです」

徳川家康「地下に道をつくったのか?」

徳井義実「そうです」

徳川家康「……それも、これほど大きなものを?」

有田哲平「家康さん、東京の地下は迷路みたいですよ」

福田充徳「実際、駅によっては乗り換えが複雑ですからね」

堀内健「やっくん! 僕、この前、新宿駅で三日間迷った!」

上田晋也「そんなわけねえだろ!」

徳川家康「……食べ物はどうした?」

堀内健「駅弁!」

徳川家康「それならば、しばらくは生きられるな」

名倉潤「家康さん、乗っからんといてください!」

徳井義実「家康さん、今の東京には、こうした地下鉄が何路線も走っているんです」

徳川家康「……地上にも地下にも道がある。実に面白い」

家康は画面をじっと見つめた。

徳川家康「だが、一つ聞きたい」

上田晋也「何でしょう?」

徳川家康「これほど多くの者が行き交って、事故は起こらぬのか?」

徳井義実「もちろん事故がゼロというわけではありません。でも、信号や運行管理、安全設備など、いろいろな仕組みがあります」

徳川家康「なるほど。速く動かすだけではなく、安全に動かす仕組みも必要ということじゃな」

福田充徳「そうですね」

徳川家康「町が大きくなれば、人の数も増える。人が増えれば、問題も増える。それをどう治めるかが大事じゃ」

上田晋也「家康さん、もう東京の都市計画を考え始めてますね!」

有田哲平「家康さん、東京都知事になりません?」

徳川家康「都知事?」

徳井義実「今の東京都の行政を担う知事です。選挙で選ばれるんですよ」

徳川家康「選挙……民が選ぶのか」

上田晋也「そうです」

徳川家康「それは、わしの時代とは大きく違うな」

有田哲平「家康さんが立候補したら、僕、選挙ポスターつくりますよ!」

堀内健「僕も出る! 僕の公約は、東京中の信号を全部青にする!」

上田晋也「事故だらけになるわ!」

徳川家康「……それは、民の命を危うくする政策じゃな」

名倉潤「家康さん、真面目に政策審査してる!」

有田哲平「じゃあ、家康さんの公約は?」

家康は少し考えた。

徳川家康「まず、町の者が何に困っておるかを聞きたい」

原田泰造「いいですね」

徳川家康「道が混むのか。住む場所が足りぬのか。水や食べ物は十分か。災害への備えはあるのか」

徳井義実「現代の東京でも、まさにそういう課題があります」

徳川家康「四百年たっても、人が暮らす町の基本は変わらぬのかもしれぬな」

上田晋也「家康さん、もう都知事っぽい!」

堀内健「やっくん! 僕を副知事にして!」

徳川家康「……まず、信号を全部青にする案を取り下げよ」

堀内健「じゃあ、全部赤!」

上田晋也「もっとダメだろ!」

スタジオは笑いに包まれた。

そのとき、スクリーンに皇居の航空映像が映し出された。

緑豊かな敷地。堀。石垣。そして、周囲に広がる東京の街。

徳井義実「家康さん、こちらをご覧ください」

徳川家康「……これは?」

徳井義実「皇居です。かつて江戸城があった場所です」

家康は黙って画面を見つめた。

徳川家康「……江戸城の跡か」

徳井義実「はい。今も石垣や堀、門などが残っています」

徳川家康「そうか……」

原田泰造「家康さん、懐かしいですか?」

徳川家康「懐かしいというより、不思議な気持ちじゃな。わしらが築き、後の者たちが手を加えた城の跡が、こうして残っておる」

徳井義実「江戸城は家康さんの時代から、その後の将軍たちの時代にかけて整備されました。明治以降は皇居として使われています」

徳川家康「……時代が変われば、城の役目も変わるのじゃな」

原田泰造「家康さん、寂しくないですか?」

家康は少し考えた。

徳川家康「形あるものは、いつか変わる。だが、そこに人が暮らし、町が続いておるなら、それも悪くない」

泰造は静かにうなずいた。

有田哲平「家康さん、ちなみに今の東京でお城を建てるとしたら、どこがいいですか?」

徳川家康「……まず、土地を見ねばならぬな」

有田哲平「おっ! 本気で考えてる!」

徳川家康「水、道、周りの地形、人の動き。城を建てる場所は、見た目だけでは決められぬ」

堀内健「じゃあ、僕の家の庭!」

徳川家康「……広いのか?」

堀内健「畳二枚分!」

徳川家康「……茶室にしたほうがよさそうじゃな」

上田晋也「家康さん、判断が早い!」

Round 2:家康と福田の節約対決!天下人は本当にケチだったのか?

スタジオ中央に、大きなテーブルが運び込まれた。

その上には、高級腕時計、ブランドバッグ、最新型のスマートフォン、豪華な椅子、そして小さな防災セットが並んでいる。

上田晋也「さあ、続いては家康さんのお金の使い方について伺いたいと思います!」

福田充徳「これは僕、楽しみにしてました!」

有田哲平「福田さん、今日一番テンション高いですね」

福田充徳「家康さんって、倹約家だったと言われてるじゃないですか。僕、考え方を聞いてみたいんですよ」

徳川家康「倹約か。無駄を慎むことは、大事じゃな」

有田哲平「でも、家康さん。今日は現代の高級品を見ていただいて、買うか買わないかを判断してもらいます!」

徳川家康「ほう。面白そうじゃ」

上田晋也「家康さん、現代の物価に驚くかもしれませんよ」

有田哲平「まずはこちら! 高級腕時計! お値段、なんと500万円!」

徳川家康「……五百万円?」

福田充徳「高いですねえ」

有田哲平「家康さん、これ、時間がわかるんですよ!」

徳川家康「時計なら、時間がわかるのは当然であろう」

上田晋也「家康さん、そのとおりです!」

有田哲平「でも、これをつけると、みんなにすごいと思われます!」

徳川家康「……誰にじゃ?」

有田哲平「周りの人に!」

徳川家康「その者たちは、時計を見て人を判断するのか?」

有田哲平「まあ、そういう人もいますね」

徳川家康「ならば、わしは別のことで判断してもらいたいものじゃな」

福田充徳「家康さん! 僕もそう思います!」

上田晋也「福田、家康さんに弟子入りしそうだな!」

徳井義実「でも、家康さん。高級時計には職人の技術や希少性、芸術的な価値もあるんですよ」

徳川家康「ほう。それならば話は違う。優れた職人の技を守るために銭を使うことには、意味がある」

徳井義実「なるほど」

徳川家康「ただ、わし自身がそれを必要とするかどうかは、別の話じゃ」

名倉潤「家康さん、意外と柔軟やな」

有田哲平「じゃあ、次はこちら! 一脚100万円の椅子!」

徳川家康「……椅子?」

有田哲平「はい! 世界的なデザイナーがつくった椅子です!」

徳川家康「座り心地はよいのか?」

有田哲平「最高です!」

徳川家康「長く使えるのか?」

有田哲平「はい!」

徳川家康「修理はできるのか?」

有田哲平「えっ?」

徳川家康「壊れたとき、直して使えるのかと聞いておる」

有田哲平「……それは確認してません」

徳川家康「では、まず確かめよ」

上田晋也「家康さん、購入前の質問が具体的すぎる!」

福田充徳「いや、でも大事ですよ。高い物ほど長く使えるかどうかが重要ですから」

有田哲平「福田さん、家康さんと完全に意気投合してる!」

堀内健「やっくん! 僕の椅子は無料だよ!」

堀内が四つん這いになる。

堀内健「どうぞ!」

徳川家康「……そなたは、何年使えるのじゃ?」

堀内健「あと300年!」

徳川家康「それならば、たいした耐久性じゃな」

上田晋也「人間を家具として評価するな!」

スタジオが大笑いする。

有田哲平「では、次はこちら! 最新型のスマートフォン!」

徳川家康「……すまあとふぉん?」

徳井義実「電話もできるし、文字も送れるし、地図も見られる小さな機械です」

徳井がスマートフォンを手渡す。

家康は慎重に受け取った。

徳川家康「……ずいぶん小さいのう」

徳井義実「ここを触ると、地図が出ます」

画面に日本地図が現れる。

徳川家康「……おお!」

有田哲平「家康さん、ここを押すと江戸城の跡も見られますよ!」

徳川家康「これは……実に便利じゃな」

福田充徳「家康さん、これは買います?」

徳川家康「うむ。用途によっては、十分に価値がある」

有田哲平「えっ! 家康さん、買うんですか?」

徳川家康「離れた者と話ができ、地図も見られ、知らせも届くのであろう?」

徳井義実「そうです」

徳川家康「ならば、戦国の世にあれば、喉から手が出るほど欲しい道具じゃ」

上田晋也「家康さん、戦国武将の目になってますね!」

徳川家康「ただし、敵にも同じものがあれば、こちらの動きも知られるかもしれぬな」

徳井義実「情報の安全性まで考えてる!」

有田哲平「家康さん、じゃあSNSはどうですか?」

徳川家康「えすえぬえす?」

有田哲平「自分の考えや写真を、たくさんの人に見せられるんです」

徳川家康「ほう。便利そうじゃな」

有田哲平「でも、変なことを書くと、何万人にも怒られることがあります」

徳川家康「……それは、慎重に使わねばならぬな」

上田晋也「家康さん、炎上しなさそう!」

堀内健「やっくん! 僕、今から家康さんのアカウントつくる!」

徳川家康「あかうんと?」

堀内健「名前は『やっくん400年待ちました』!」

有田哲平「いいですね!」

上田晋也「勝手につくるな!」

徳川家康「……四百年待った覚えはないのじゃが」

名倉潤「そこ、ちゃんと訂正するんや!」

次に、有田が小さな防災セットを持ち上げた。

有田哲平「家康さん、最後はこちら。非常用の水、食料、ライト、救急用品などが入った防災セットです」

徳川家康「ほう」

有田哲平「お値段は一万円ほど!」

福田充徳「これはどうですか?」

家康は中身を一つずつ確認した。

徳川家康「……これは、よいと思う」

上田晋也「おっ! 即決ですか?」

徳川家康「備えは、何も起こらぬときには無駄に見えることもある。だが、いざというときに必要なものがなければ困る」

原田泰造「そうですよね」

徳川家康「もっとも、ただ買って置いておくだけではいかぬ。中身を確かめ、使い方を知り、古くなったものは取り替える必要がある」

福田充徳「家康さん、現代の防災アドバイザーみたいですね!」

徳川家康「戦でも、備えを怠れば困る。町を守ることも同じであろう」

徳井義実「家康さん、江戸の町づくりでも、治水や水の確保は大きな課題でしたよね」

徳川家康「うむ。人が集まる町では、水がなければ暮らせぬ。道も橋も必要じゃ。そうしたことには、銭を惜しんではならぬ」

有田哲平「家康さん、じゃあ節約家というより、お金の使い方に厳しい人なんですね」

徳川家康「そういうことじゃな。銭を使わぬことが目的ではない。何のために使うかが大事なのじゃ」

福田充徳「家康さん、僕、今日から弟子になります!」

徳川家康「ほう。何を学びたい?」

福田充徳「無駄な出費をなくす方法です!」

徳川家康「ならば、まず先ほどの十八万円の座布団をどうするか考えよ」

福田充徳「返品します!」

有田哲平「ちょっと! 番組の備品ですよ!」

上田晋也「家康さん、とうとう番組の予算まで管理し始めた!」

堀内健「やっくん! 僕、節約の天才だよ!」

徳川家康「何をしておる?」

堀内健「昨日から、お風呂のお湯を全部飲んでる!」

上田晋也「やめろ! 危ないだろ!」

徳川家康「……それは、節約より先に健康を考えたほうがよいな」

名倉潤「家康さん、正論です!」

Round 3:家康が現代企業の社長になったら?260年続く会社のつくり方

テーブルが片づけられ、今度はスタジオに大きなホワイトボードが運び込まれた。

そこには、こう書かれていた。

『株式会社 徳川』

上田晋也「さあ、最後の企画です!」

有田哲平「家康さんに、現代の会社の社長になっていただきます!」

徳川家康「会社の社長?」

徳井義実「現代では、多くの人が会社という組織で働いているんです。社長は、その経営を担う人ですね」

徳川家康「なるほど。商いをする組織の長ということか」

有田哲平「そうです! そして家康さんには、260年以上続く会社をつくっていただきます!」

徳川家康「……二百六十年?」

徳井義実「家康さんが開いた江戸幕府は、1603年から1867年まで続いたんです」

徳川家康「……そうか」

家康は少し驚いたように、ホワイトボードを見つめた。

原田泰造「家康さん、自分がいなくなったあとも、そんなに長く続いたんですよ」

徳川家康「……それは、わし一人の力ではあるまい。後の者たちが、さまざまな苦労を重ねたのであろうな」

徳井義実「実際、幕府の制度は家康さんの時代だけで完成したわけではなく、秀忠や家光の時代にも整えられていきました」

徳川家康「そうであろう。長く続くものは、一人ではつくれぬ」

有田哲平「ということで、今日は僕ら7人が株式会社徳川の社員になります!」

上田晋也「何で勝手に決めてんだよ!」

有田哲平「家康さんが社長。上田さんが専務。僕が企画部長。福田が財務部長。徳井が広報部長。名倉さんが人事部長。泰造さんが福利厚生部長!」

原田泰造「僕、福利厚生?」

有田哲平「みんなの悩みを聞いてください!」

原田泰造「それならいいけど」

上田晋也「で、ホリケンは?」

有田哲平「ホリケンは……未来開発部長!」

堀内健「やったー!」

徳川家康「……未来開発とは、何をするのじゃ?」

堀内健「300年後の商品を考えるんです!」

徳川家康「ほう。それは面白い」

堀内健「第一号商品! 永久に消えないシャボン玉!」

上田晋也「それ、シャボン玉じゃねえだろ!」

堀内健「第二号商品! 食べても減らないおにぎり!」

福田充徳「それがあったら食費助かるなあ」

徳川家康「……本当にできるのか?」

堀内健「まだ研究中です!」

徳川家康「では、できるまで予算は出せぬな」

上田晋也「家康さん、厳しい!」

有田哲平「社長! 夢のある研究には投資が必要ですよ!」

徳川家康「無論じゃ。だが、夢だけで銭を使い続けるわけにはいかぬ。どこまで試し、何がわかれば次へ進むのかを決めておきたい」

徳井義実「家康さん、現代の経営者みたいな考え方ですね」

徳川家康「大きな組織を動かすなら、何をするかだけでなく、何をしないかも決めねばならぬ」

有田哲平「じゃあ、家康社長! まず、会社を260年続けるために何をしますか?」

家康は少し考えた。

徳川家康「まず、わしがいなくなったときに、誰が次を担うかを決めることじゃな」

上田晋也「後継者ですね」

徳川家康「うむ。わし一人が何でも決めておれば、わしが倒れたときに皆が困る」

徳井義実「家康さんは1605年に将軍職を秀忠へ譲りましたね」

徳川家康「そうじゃ。将軍の職を譲っても、しばらくはわしが政治に関わった。次の者へ、いきなりすべてを任せればよいというものでもない」

名倉潤「引き継ぎが大事なんですね」

徳川家康「そうじゃ。人を育て、任せることを覚えねばならぬ」

有田哲平「じゃあ、上田さんが次の社長ですか?」

徳川家康「……まずは、皆の話を聞いてみたい」

上田晋也「家康さん、僕を飛ばす可能性もあるんですか!」

堀内健「僕が社長! 僕が社長!」

徳川家康「堀内は、まず三分間黙るところからじゃな」

上田晋也「まだ言われてる!」

堀内健「社長になるの、厳しいなあ!」

徳川家康「人の上に立つ者には、自分のしたいことだけでなく、周りの者のことも考えてもらいたい」

原田泰造「家康さん、いいこと言いますね」

徳川家康「ただし、わし自身がいつもそれを十分にできたかと問われれば、胸を張って答えるのは難しい」

上田晋也「えっ、そうなんですか?」

徳川家康「大きな決断をするとき、すべての者を満足させることはできぬ。誰かが利益を得れば、誰かが不満を持つこともある」

名倉潤「それは、現代の会社でも同じですね」

徳川家康「だからこそ、決める者には責任がある」

有田哲平「家康さん、でも、社長が厳しすぎたら社員が辞めちゃいますよ」

徳川家康「それも困るな」

有田哲平「僕だったら、社員全員に毎月一週間の休みをあげます!」

福田充徳「会社回らへんやろ!」

堀内健「僕は毎日休み!」

上田晋也「お前、会社に来る気ねえだろ!」

徳川家康「……では、堀内は何のために社員になるのじゃ?」

堀内健「社長と友達になるため!」

家康は思わず笑った。

徳川家康「それならば、社員でなくともよいではないか」

堀内健「えっ、じゃあ友達でいいの?」

徳川家康「うむ」

堀内健「やった! やっくん、友達!」

堀内が家康の隣に座る。

上田晋也「お前、社長になる夢、もう捨てたのか!」

堀内健「友達のほうが楽しいもん!」

家康は笑いながら、堀内の肩を軽くたたいた。

徳川家康「それも、一つの選び方じゃな」

原田泰造「家康さん、なんかいいですね」

徳川家康「何がじゃ?」

原田泰造「家康さんって、ずっと人の上に立つ立場だったじゃないですか。でも、こうして普通に友達になるって、なかなかできなかったんじゃないかなって」

家康は少し考えた。

徳川家康「……そうかもしれぬな」

原田泰造「家康さん、天下を取ってから、気軽に話せる人はいたんですか?」

徳川家康「家臣もおったし、相談できる者もおった。だが、立場が変われば、相手の言葉も変わることがある」

名倉潤「そうでしょうね」

徳川家康「相手が何を考えておるか、見極めねばならぬことも多かった」

有田哲平「家康さん、僕らは何も考えてませんよ!」

上田晋也「少しは考えろ!」

徳川家康「ははは! それは、よくわかる」

徳井義実「でも、家康さん。現代でも、組織を長く続けるには、信頼関係が大切なんですよね」

徳川家康「うむ。規則も大事じゃが、それだけでは人は動かぬ。人には、それぞれ思いがある」

福田充徳「家康さん、じゃあ、株式会社徳川の経営方針を一言でお願いします!」

家康はホワイトボードを見つめた。

しばらく考えたあと、ゆっくりと答えた。

徳川家康「……わしがいなくなっても、人が安心して働ける組織をつくることじゃな」

上田晋也「おお!」

原田泰造「いいですね」

徳井義実「長く続く組織を考えるなら、大事な視点ですね」

有田哲平「家康社長! じゃあ、社員の給料も上げてください!」

福田充徳「そうや! そこ大事や!」

徳川家康「……まず、会社が何を売っておるのか教えてくれぬか?」

一瞬、沈黙が流れた。

上田晋也「……あっ」

有田哲平「……そういえば」

名倉潤「何の会社なん?」

徳井義実「まだ決めてませんでしたね」

福田充徳「売り上げゼロやん!」

堀内健「永久に消えないシャボン玉!」

上田晋也「だから、それはまだできてねえんだよ!」

家康はとうとう声を上げて笑った。

徳川家康「ははは! そなたら、会社をつくる前に、何をするか決めねばならぬな!」

有田哲平「家康さん、会社経営って難しいですね!」

徳川家康「難しいからこそ、面白いのじゃろう」

上田晋也「家康さん、今日一日で、すっかり現代の経営者みたいになりましたね!」

徳川家康「いや、まだまだ知らぬことばかりじゃ。だが、この時代には学ぶべきことが多い」

徳井義実「家康さん、現代の東京を見て、一番驚いたことは何ですか?」

家康は少し考えた。

徳川家康「高い建物も、地下を走る鉄道も、驚いた。だが、それ以上に驚いたのは、これほど多くの人が、一つの大きな町で暮らしておることじゃ」

原田泰造「そうですね」

徳川家康「わしの時代には、戦があれば町が焼かれ、人が逃げ、暮らしが壊れることも多かった」

スタジオが静かになる。

徳川家康「この町も、後の時代にさまざまな苦難を経験したのであろう。だが、それでも人々が町をつくり直し、暮らしを続けておる」

徳井義実「東京は大きな地震や戦争の被害を経験し、そのたびに復興してきました」

徳川家康「……そうか」

家康は、スクリーンに映る夜の東京を見つめた。

無数の明かりが、街全体に広がっている。

徳川家康「あの明かりの一つ一つに、人の暮らしがあるのじゃな」

原田泰造「そうですね」

徳川家康「……それを思えば、町をつくるというのは、城を建てることより、ずっと大きな仕事なのかもしれぬ」

上田晋也「家康さん、いい言葉ですね」

有田哲平「家康さん、なんか僕まで感動してきました」

福田充徳「ほんまですね」

そのとき、堀内が静かに手を挙げた。

堀内健「やっくん」

徳川家康「何じゃ?」

堀内健「僕、東京の夜景を見て、思ったことがある」

上田晋也「何だよ?」

堀内健「電気代、すごそう!」

福田充徳「それは確かに!」

上田晋也「感動の場面で何を言ってんだよ!」

徳川家康「……福田、調べてみるか?」

福田充徳「はい! 調べましょう!」

上田晋也「家康さんまで乗っかるな!」

スタジオは再び笑いに包まれた。

やがて、上田が家康に向き直った。

上田晋也「家康さん、ここまで現代の東京を見ていただきましたけど、次は家康さんご自身の人生について、もう少し深く聞かせていただきたいんです」

徳川家康「わしの人生か」

上田晋也「はい。信長さんや秀吉さんとの関係、それから、ご家族のことも」

家康の表情が、少しだけ変わった。

徳川家康「……そうか」

原田泰造「家康さん、無理に話さなくてもいいんです。でも、もしよかったら、聞かせてほしいなって」

家康は泰造を見て、静かにうなずいた。

徳川家康「よかろう。長く生きておれば、語れることも、語りにくいこともある」

有田哲平「家康さん、信長さんのことも聞いていいですか?」

徳川家康「うむ」

有田哲平「じゃあ、まず一つだけ。信長さんって、実際、怖かったですか?」

家康は少し目を細めた。

そして、ゆっくりと笑った。

徳川家康「……そなたらは、ずいぶん難しいことを聞くのう」

上田晋也「家康さん、今日は逃がしませんよ!」

徳川家康「ははは。戦場から逃げたことはあるが、ここから逃げるわけにもいかぬな」

名倉潤「家康さん、うまいこと言うなあ!」

堀内健「やっくん! もし逃げたくなったら、僕が地下鉄で連れていくよ!」

徳川家康「……そなた、新宿駅で三日間迷ったのであろう?」

上田晋也「家康さん、ちゃんと覚えてる!」

家康は笑いながら、再び椅子に深く腰を下ろした。

しかし、その笑顔の奥には、戦国の世で出会い、戦い、ともに歩み、そして失ってきた人々の記憶があった。

次に語られるのは、天下人としての成功だけではない。

織田信長への思い。豊臣秀吉との複雑な関係。そして、家族をめぐる忘れがたい出来事。

芸人7人は、まだ知らなかった。

いつも穏やかに笑う家康の人生にも、簡単には言葉にできない悲しみがあったことを。

※本作は、徳川家康と実在の『しゃべくり007』出演者を題材にした架空の対談です。会話、番組企画、家康の感情表現は創作です。江戸から東京への発展、江戸幕府の成立、秀忠への将軍職継承などは歴史的事実をもとにしていますが、現代社会に対する家康の評価は創作上の解釈です。現代の交通・人口・物価に関する描写は物語上の概数や例示を含みます。

Topic 3:家康が語る信長・秀吉・家族!天下人が最後に残したかったもの

オープニング:天下人の笑顔の奥にあったもの

『しゃべくり007』のスタジオ。

先ほどまで、現代の東京の高層ビルや地下鉄に驚き、芸人7人と「株式会社徳川」の経営について語っていた徳川家康。

しかし、スタジオの雰囲気は少しずつ変わり始めていた。

上田晋也が手元の資料を閉じ、家康に向き直る。

上田晋也

「家康さん、ここまでいろいろなお話を聞かせていただきましたけど、最後は家康さんご自身の人生について、もう少し深く聞いてみたいと思います」

徳川家康

「わしの人生か。さて、どこから話せばよいものか」

有田哲平

「家康さん、今日は遠慮しなくていいですからね。信長さんの悪口でも、秀吉さんの秘密でも!」

上田晋也

「お前、何でいきなり悪口を聞こうとするんだよ!」

徳川家康

「ははは。信長公の悪口か。それは、なかなか勇気のいることじゃな」

名倉潤

「家康さんでも、そう思うんですか?」

徳川家康

「信長公をよく知る者なら、軽々しく語れぬこともある」

堀内健

「やっくん! 僕、信長さんに会ったことあるよ!」

徳川家康

「ほう。そうであったな」

堀内健

「僕ら7人、家臣にされたんだよ!」

徳川家康

「……それで、何日続いた?」

堀内健

「三十分!」

徳川家康

「それは短いのう」

上田晋也

「家康さん、僕らも長続きするとは思ってませんでした!」

徳川家康

「信長公も、さぞ驚かれたであろうな」

有田哲平

「でも家康さん、今日は信長さんも秀吉さんもいませんから、本音を聞かせてください!」

徳川家康

「……おらぬところで人のことを語るのは、少々気が引けるが」

徳井義実

「そこが家康さんらしいですね」

徳川家康

「いや、後で本人に聞かれるのが怖いだけかもしれぬぞ」

上田晋也

「家康さん! 四百年以上たっても気にしてるんですか!」

スタジオに笑いが広がる。

家康は茶碗を置き、少しだけ姿勢を正した。

徳川家康

「では、話そうか。信長公のことも、秀吉のことも。そして、わしが歩んできた道のことも」

Round 1:信長と秀吉、家康にとって本当に怖かったのはどちら?

上田晋也

「家康さん、まずは織田信長さんについて伺います。長い間、同盟関係にあったんですよね?」

徳川家康

「うむ。信長公とは、互いの利害が重なるところも多かった。わしにとって、大きな存在であったことは間違いない」

徳井義実

「家康さんが今川家から自立したあと、信長さんとの同盟が重要な支えになりましたね」

徳川家康

「そうじゃ。三河を治めるにも、東の武田と向き合うにも、西の織田との関係は大切であった」

有田哲平

「でも、家康さん。信長さんって、めちゃくちゃ怖かったんじゃないですか?」

徳川家康

「……怖いという言葉だけでは、足りぬかもしれぬな」

上田晋也

「えっ、どういうことですか?」

徳川家康

「信長公は、他の者が考えぬことを考え、それを実行に移すお方であった。味方であれば心強い。だが、何をなさるかわからぬところもあった」

名倉潤

「なるほどなあ」

有田哲平

「家康さん、信長さんから急に電話がかかってきたら、すぐ出ます?」

徳川家康

「電話?」

徳井義実

「現代の遠くの人と話す道具ですね」

徳川家康

「ああ、先ほどの小さな機械か」

有田哲平

「そうです。夜中の三時に信長さんから電話が来たら?」

徳川家康

「……出るであろうな」

上田晋也

「即答!」

徳川家康

「出なかったときに、何が起こるかわからぬからな」

名倉潤

「やっぱり怖いんや!」

堀内健

「じゃあ、僕が信長さんになります!」

堀内が突然立ち上がり、腕を組む。

堀内健

「家康! 今すぐ来い!」

徳川家康

「……何の用じゃ?」

堀内健

「一緒にプリン食べよう!」

上田晋也

「信長さん、そんなことで呼ばねえよ!」

徳川家康

「……それならば、明日でもよかろう」

堀内健

「ダメ! 今すぐ!」

徳川家康

「ならば、そなたが持ってまいれ」

名倉潤

「家康さん、ホリケン信長には強気やな!」

スタジオが笑いに包まれる。

徳井義実

「家康さん、信長さんとは対等な友人というより、政治的な同盟相手という面が大きかったんですよね」

徳川家康

「そうじゃ。親しく交わることと、政治の上で利害をともにすることは、同じではない」

原田泰造

「でも、長い間一緒に戦ってきたら、情も生まれませんか?」

家康は少し考えた。

徳川家康

「……それは、あったと思いたいのう」

原田泰造

「思いたい?」

徳川家康

「人の心の内は、最後までわからぬものじゃ。わしが信長公をどう見ておったかと、信長公がわしをどう見ておられたかは、必ずしも同じではあるまい」

上田晋也

「家康さん、なんか深いですね」

有田哲平

「でも、家康さん。信長さんが本能寺で亡くなったと聞いたときは、どう思ったんですか?」

家康の表情が少し引き締まる。

徳川家康

「……あれは、まことに大きな出来事であった」

徳井義実

「1582年ですね。家康さんは堺に滞在していて、信長さんの死を知ったあと、危険な道を通って三河へ帰還しました。いわゆる神君伊賀越えです」

徳川家康

「うむ。まずは無事に帰ることを考えねばならなかった」

有田哲平

「家康さん、そのとき『天下を取るチャンスだ!』と思ったんじゃないですか?」

徳川家康

「……有田よ」

有田哲平

「はい?」

徳川家康

「自分の命が危ういときに、そんな先のことばかり考えておれると思うか?」

有田哲平

「……無理ですね」

徳川家康

「まず生きて帰らねば、次のことも考えられぬ」

上田晋也

「家康さん、すごく現実的ですね」

徳川家康

「それに、信長公が亡くなったからといって、すぐに天下がわしのものになるわけではない」

徳井義実

「実際、その後は秀吉さんが急速に勢力を広げましたからね」

徳川家康

「そうじゃ。あの男の動きは、実に速かった」

有田哲平

「出ました! 豊臣秀吉さん!」

上田晋也

「家康さん、秀吉さんってどんな人だったんですか?」

徳川家康

「……人の心をつかむのがうまい男であったな」

名倉潤

「信長さんとは違うタイプだったんですね」

徳川家康

「うむ。信長公は、その力と考えで人を動かすところがあった。秀吉は、人を喜ばせ、相手の望むものを見つけることに長けておった」

有田哲平

「家康さん、秀吉さんからプレゼントもらったことあります?」

徳川家康

「贈り物や儀礼を通じて関係を築くことは、当時の政治では大事なことであった」

有田哲平

「じゃあ、秀吉さんから高級腕時計をもらったら?」

徳川家康

「……まず、何を望んでおるのか考える」

上田晋也

「プレゼントを素直に喜ばない!」

徳川家康

「高価なものには、時として高価な見返りが求められるからな」

福田充徳

「家康さん、それは現代でもありますね」

堀内健

「やっくん! 僕からプレゼント!」

堀内がポケットから小さな紙を取り出す。

徳川家康

「何じゃ?」

堀内健

「僕の似顔絵!」

家康が紙を見る。

そこには、丸い顔から手足が生えた奇妙な生き物が描かれていた。

徳川家康

「……これは、そなたか?」

堀内健

「そう!」

徳川家康

「見返りは何じゃ?」

堀内健

「お城ちょうだい!」

上田晋也

「見返りがでかすぎるわ!」

徳川家康

「……やはり、贈り物には気をつけねばならぬな」

スタジオが大爆笑する。

徳井義実

「家康さんは1584年、小牧・長久手の戦いで秀吉さんと戦っていますよね」

徳川家康

「うむ。あの戦では、わしらが勝った戦闘もあった。しかし、戦全体の行方は、それだけで決まるものではなかった」

上田晋也

「そのあと、秀吉さんに従うことになったんですよね」

徳川家康

「そうじゃ」

有田哲平

「家康さん、悔しくなかったんですか?」

徳川家康

「悔しさがなかったと言えば、嘘になるであろう。だが、悔しいからといって、勝てぬ戦をいつまでも続けるわけにはいかぬ」

原田泰造

「自分の気持ちより、守らなきゃいけないものがあったんですね」

徳川家康

「三河以来の家臣もおる。領国に暮らす民もおる。わし一人の意地で、皆を危うくすることはできぬ」

名倉潤

「家康さん、そこがすごいですね」

有田哲平

「でも、家康さん。秀吉さんの部下になってから、毎朝『おはようございます、秀吉様!』って言ってたんですか?」

徳川家康

「……そのような毎日ではないぞ」

上田晋也

「お前、現代の会社員みたいに考えるな!」

有田哲平

「じゃあ、秀吉さんから『家康くん、今日ちょっと残業して』って言われたら?」

徳川家康

「まず、何の仕事かを聞く」

福田充徳

「さすが家康さん!」

堀内健

「秀吉社長! 僕、今日は早退します!」

上田晋也

「お前は誰の部下なんだよ!」

家康は笑いながらも、少し真剣な表情に戻った。

徳川家康

「秀吉は、実に大きなことを成し遂げた男じゃ。わしが認めねばならぬところも多かった」

徳井義実

「全国統一を成し遂げた人物ですからね」

徳川家康

「そうじゃ。人の力を見誤れば、自分の判断も誤る」

上田晋也

「家康さん、相手を認めることができたんですね」

徳川家康

「認めることと、すべてに賛成することは違うがな」

有田哲平

「じゃあ、最後に聞きます。信長さんと秀吉さん、どちらが怖かったですか?」

家康は腕を組み、少し考えた。

徳川家康

「……怖さの種類が違う」

上田晋也

「おお!」

徳川家康

「信長公は、何をなさるかわからぬ怖さがあった。秀吉は、気づかぬうちに相手を自分の考えに引き込んでしまう怖さがあった」

徳井義実

「面白い比較ですね」

徳川家康

「もっとも、これは今こうして語る、わしの一つの見方じゃ。二人とも、それだけで語れる人物ではない」

原田泰造

「家康さん自身は、どんな怖さを持っていたんでしょうね」

徳川家康

「……さて。そなたらには、どう見える?」

有田哲平

「家康さんは、ずっと笑顔なのに、いつの間にか全部決めてそうで怖いです!」

名倉潤

「それはわかるわ!」

徳川家康

「ははは。それならば、少しは天下人らしく見えたかのう」

堀内健

「僕は、やっくんが一番怖い!」

上田晋也

「お前、さっき友達になったばっかりだろ!」

堀内健

「だって、三分間黙らされたもん!」

徳川家康

「……まだ根に持っておったか」

一同が笑う。

しかし、泰造は少し考え込んでいた。

原田泰造

「家康さん、信長さんや秀吉さんの話を聞いていて思ったんですけど……家康さんって、ずっと誰かとの関係を考えながら生きてきたんですね」

徳川家康

「そうじゃな」

原田泰造

「でも、その中で、家族のことはどうだったんですか?」

家康の笑顔が、静かに消えた。

Round 2:妻と息子を失った家康、天下を取っても消えなかったもの

スタジオの照明が少し落とされる。

モニターには、若き日の家康が暮らした岡崎城と、戦国時代の三河の風景が映し出された。

上田晋也

「家康さん、ここからは少しつらいお話になるかもしれません」

徳川家康

「……うむ」

原田泰造

「家康さん、無理に答えなくてもいいんです」

徳川家康

「いや、よい。聞いてくれ」

原田泰造

「家康さんは、子どものころにお母さんと離れて暮らしていたんですよね」

徳川家康

「そうじゃ。幼いころ、父と母は離縁し、わしは母と離れて暮らすことになった」

原田泰造

「寂しかったでしょうね」

徳川家康

「……幼いころの寂しさというものは、大人になってから思い返すと、また違って見えるものじゃな」

名倉潤

「そうでしょうね」

徳川家康

「当時は、家の事情も政治の事情も、子どもにはわからぬ。ただ、母がそばにおらぬということだけは、わかる」

泰造が静かにうなずく。

原田泰造

「家康さん、自分が父親になったとき、子どもには寂しい思いをさせたくないと思いませんでしたか?」

家康はしばらく黙っていた。

徳川家康

「……そう願っていたとしても、願いどおりにできたとは言えぬな」

上田晋也

「家康さん……」

徳川家康

「わしの時代、大名の家族は、家族であると同時に、政治の中に置かれておった。婚姻も、子の将来も、家と家との関係に左右された」

徳井義実

「家康さんの正室だった築山殿と、嫡男の松平信康の事件ですね」

徳川家康

「……うむ」

徳井義実

「1579年、築山殿は殺害され、信康は自害しました。事件の経緯や信長さんの関与については、現在もさまざまな研究や議論があります」

上田晋也

「家康さんにとって、本当に大きな出来事だったんですね」

家康はうつむいた。

徳川家康

「……妻と子を失った。それだけは、どのように説明しても変わらぬ」

スタジオが静まり返る。

原田泰造

「家康さん、もし、あのころに戻れるなら……何か変えたいことはありますか?」

家康はすぐには答えなかった。

やがて、ゆっくりと口を開いた。

徳川家康

「……戻れぬ時を考えるのは、難しいものじゃな」

原田泰造

「……はい」

徳川家康

「後からなら、いくらでも別の道を思い描ける。あのとき、こうしておれば。あの言葉をかけておれば。もう少し早く、何かに気づいておれば……」

家康は言葉を止めた。

徳川家康

「だが、そのときの自分には、見えておらぬことも多かったのであろう」

原田泰造

「……そうですよね」

徳川家康

「人は、過ぎたことを変えられぬ。それでも、忘れられぬことはある」

名倉潤

「家康さん……」

徳川家康

「わしは後に、天下を治める立場になった。だが、天下を得たからといって、失った者が戻るわけではない」

泰造は静かに家康を見つめた。

原田泰造

「家康さん、天下人でも、そういう悲しみは変わらないんですね」

徳川家康

「天下人も、人間じゃからな」

しばらく、誰も言葉を発しなかった。

やがて有田が、いつもより穏やかな声で尋ねた。

有田哲平

「家康さん……後悔って、どうすればなくなるんでしょうね」

家康は有田を見た。

徳川家康

「……なくさねばならぬものなのか?」

有田哲平

「えっ?」

徳川家康

「後悔があるということは、何かを大切に思っておったということでもあろう」

有田哲平

「……そうですね」

徳川家康

「無論、後悔にとらわれて何もできなくなるのは、つらいことじゃ。だが、忘れてしまうことだけが、前へ進む道とも限らぬ」

徳井義実

「その経験を、これからどう生かすかということですか?」

徳川家康

「そうじゃな。失ったものを思い、今そばにおる者を大切にする。わしがいつもそれを十分にできたとは言えぬが……」

原田泰造

「家康さん、今の言葉、すごく心に残ります」

家康は少し照れたように笑った。

徳川家康

「わしも、そなたらと話しておるうちに、考えることが増えたようじゃ」

上田晋也

「家康さん、僕らも勉強になります」

徳川家康

「戦国の世では、弱みを見せれば付け込まれることもあった。だが、ここでは、少し違うようじゃな」

名倉潤

「ここでは、無理に強がらなくてもいいですから」

徳川家康

「……そうか」

家康は静かにうなずいた。

そのとき、堀内が小さく手を挙げた。

堀内健

「やっくん」

徳川家康

「何じゃ?」

堀内健

「僕、難しいことはよくわかんないけど……やっくん、今日は楽しい?」

家康は少し驚いたように堀内を見た。

徳川家康

「……楽しいぞ」

堀内健

「よかった!」

堀内は満面の笑顔になった。

堀内健

「じゃあ、今日はいっぱい笑おう!」

家康はしばらく堀内を見つめていた。

そして、ゆっくりと笑った。

徳川家康

「……そうじゃな」

上田晋也

「ホリケン、たまにはいいこと言うな」

堀内健

「たまにはって何だよ!」

有田哲平

「ホリケン、今のところ、今日一番いい仕事しましたよ!」

堀内健

「やった! じゃあ、次は家康さんと一緒に踊る!」

上田晋也

「何でそうなるんだよ!」

徳川家康

「……踊りか」

堀内健

「そう! やっくん音頭!」

堀内が立ち上がり、両手を振り始める。

堀内健

「やっくん、やっくん、天下のやっくん!」

上田晋也

「お前、さっきの感動をどこへ持っていくんだよ!」

家康は思わず声を出して笑った。

徳川家康

「ははは! まことに、そなたは不思議な男じゃ!」

堀内健

「やっくんも一緒に!」

家康は少し迷ったあと、片手をゆっくり上げた。

有田哲平

「うわっ! 家康さんが踊った!」

名倉潤

「歴史的瞬間や!」

福田充徳

「これ、映像残しておきましょう!」

上田晋也

「家康さん! そんなに無理しなくていいですから!」

徳川家康

「いや、よい。たまには、こういうことも悪くない」

スタジオに、温かな笑いが戻ってきた。

Round 3:家康が最後に残したかったものは、天下か、それとも平和か?

スタジオのスクリーンに、江戸時代の町並みが映し出された。

日本橋を行き交う人々。商人たちの店。職人の仕事場。寺子屋で学ぶ子どもたち。

そして、時代は移り変わり、現代の東京の映像へとつながっていく。

上田晋也

「家康さん、最後にもう一つ、大きな質問をさせてください」

徳川家康

「うむ。何じゃ?」

上田晋也

「家康さんは、天下を取ったあと、何を残したかったんですか?」

家康は少し考えた。

徳川家康

「……難しい問いじゃな」

徳井義実

「家康さんは1603年に征夷大将軍となり、江戸幕府を開きました。そして1605年には秀忠さんに将軍職を譲りましたね」

徳川家康

「うむ」

徳井義実

「その後、徳川幕府は1867年まで続きました」

徳川家康

「……二百六十年以上か」

上田晋也

「家康さん、すごいことですよね」

徳川家康

「長く続いたことは喜ばしい。だが、その間には、さまざまな出来事があったのであろう」

徳井義実

「そうですね。江戸時代には文化や商業が発展しましたが、飢饉や一揆、厳しい身分秩序、政治的な対立もありました」

徳川家康

「……そうであろうな。どのような世でも、問題がすべてなくなるわけではない」

原田泰造

「家康さん、それでも、大きな戦争が長い間起こらない時代になったんですよね」

徳井義実

「全国の大名同士が大規模に戦う時代は、幕府の成立と統治体制の整備によって、次第に終わっていきました」

徳川家康

「……それは、何よりじゃ」

上田晋也

「家康さん、やっぱり平和な世の中をつくりたかったんですか?」

家康はしばらく黙っていた。

徳川家康

「……わしは、戦の世を生きてきた。戦をして勝つこともあれば、負けることもあった。多くの者が命を落とした」

名倉潤

「はい」

徳川家康

「だが、わし自身も戦を起こし、敵を討ち、厳しい決断をしてきた。わしがただ平和を願うだけの男であったとは言えぬ」

徳井義実

「大坂の陣もありましたね」

徳川家康

「そうじゃ。豊臣家との戦いでは、多くの命が失われた」

上田晋也

「家康さん、それは避けられなかったんでしょうか?」

家康は静かに息をついた。

徳川家康

「……その問いには、簡単には答えられぬ」

原田泰造

「そうですよね」

徳川家康

「当時のわしには、徳川の政権を安定させることが大きな課題であった。豊臣家との関係も、その中で考えねばならなかった」

徳井義実

「大坂の陣に至る政治的な経緯には、いくつもの要因がありましたね」

徳川家康

「そうじゃ。だが、理由があれば、失われた命の重さが消えるわけではない」

スタジオが静かになる。

上田晋也

「家康さん、天下を取ることと、平和をつくることは、同じじゃないんですね」

徳川家康

「……そうじゃな。天下を取ることは、権力を手にすることじゃ。しかし、その権力を使って、どのような世をつくるかは、また別の問題じゃ」

徳井義実

「現代の政治にも通じる話ですね」

徳川家康

「権力を持つ者が、自分の勝利だけを考えておれば、争いは終わらぬかもしれぬ」

名倉潤

「確かになあ」

徳川家康

「だが、権力を持つ者が何もしなければ、秩序が崩れることもある。どこまで力を使い、どこで止めるか。それは、まことに難しい」

有田哲平

「家康さん、もし現代に生まれていたら、政治家になります?」

徳川家康

「……どうであろうな」

有田哲平

「家康さん、選挙に強そうですよ!」

上田晋也

「確かに、じっくり話を聞いてくれそうですもんね」

徳川家康

「だが、今の世では、民が選ぶのであろう?」

徳井義実

「そうです」

徳川家康

「ならば、わしが選ばれるかどうかは、民が決めることじゃ」

有田哲平

「家康さん、選挙ポスターのキャッチコピーは決まってますよ!」

徳川家康

「何じゃ?」

有田哲平

「『鳴くまで待ちます! 徳川家康!』」

上田晋也

「それじゃ何もしない政治家みたいだろ!」

福田充徳

「『無駄遣いを見逃しません!』のほうがええんちゃいます?」

徳川家康

「……それは、わしにもできそうじゃな」

堀内健

「僕は『毎日がお祭り! ホリケン将軍!』」

名倉潤

「国がめちゃくちゃになるわ!」

徳川家康

「……祭りばかりでは、田畑を耕す者が困るであろう」

堀内健

「じゃあ、月曜日だけ働く!」

上田晋也

「もっとダメだろ!」

家康は大きく笑った。

徳川家康

「ははは! そなたらの政治は、なかなか賑やかじゃな!」

原田泰造

「家康さん、でも、今の日本には、家康さんが生きていたころにはなかった自由がたくさんあるんですよ」

徳川家康

「ほう」

原田泰造

「普通の人が政治について意見を言ったり、自分の仕事を選んだり、遠くへ旅行したり、いろいろなことができるんです」

徳川家康

「……それは、大きな違いじゃな」

徳井義実

「もちろん、今でも課題はあります。でも、身分によって人生の選択肢が大きく制限されていた時代とは、社会の仕組みが違います」

徳川家康

「そうか。わしらの時代には、家に生まれたことで、進む道が決まる者も多かった」

上田晋也

「家康さん自身も、そうでしたよね」

徳川家康

「うむ。松平の家に生まれたことで、幼いころから政治の中に置かれた」

原田泰造

「もし家康さんが普通の家庭に生まれていたら、何になりたかったですか?」

家康は少し驚いたように泰造を見た。

徳川家康

「……考えたこともなかったのう」

有田哲平

「家康さん、絶対、会社の社長になってますよ!」

福田充徳

「いや、家康さんなら銀行の頭取とか向いてそうです!」

徳井義実

「都市計画の専門家も面白そうですね」

名倉潤

「学校の先生とかもええんちゃう?」

堀内健

「僕と一緒にお笑い芸人!」

上田晋也

「家康さん、そこだけはやめたほうがいいです!」

徳川家康

「……お笑い芸人か」

堀内健

「コンビ名は『やっくんとホリケン』!」

有田哲平

「いいですね! 家康さんがボケで、ホリケンがツッコミ!」

上田晋也

「絶対逆だろ!」

徳川家康

「……いや、わしがツッコミをしても、堀内には追いつけぬかもしれぬな」

名倉潤

「家康さん、よくわかってますね!」

笑いが広がる。

その後、上田が最後の質問を切り出した。

上田晋也

「家康さん。もし今の日本に、一つだけ残せるとしたら、何を残したいですか?」

家康はすぐには答えなかった。

スクリーンには、現代の東京の夜景が映っている。

高層ビルの明かり。走る電車。家路を急ぐ人々。

家康は、ゆっくりと口を開いた。

徳川家康

「……わしが残したいものか」

上田晋也

「はい」

徳川家康

「城も、土地も、権力も、いつかは人の手を離れる」

徳井義実

「そうですね」

徳川家康

「徳川の世も、いつか終わる。それは、今こうして未来を見れば、よくわかる」

原田泰造

「……はい」

徳川家康

「だが、人が安心して暮らせる仕組みや、次の世代に何かを引き継ごうとする心は、形を変えて残ることがある」

名倉潤

「いい言葉ですね」

徳川家康

「わしが願うとすれば……子どもたちが、明日のことを恐れずに眠れる世であってほしい」

スタジオが静まり返った。

原田泰造

「……家康さん」

徳川家康

「わしの時代には、明日、戦が始まるかもしれぬ。父や母が帰らぬかもしれぬ。そうした不安の中で暮らす者が多かった」

上田晋也

「そうですよね」

徳川家康

「今の世にも、苦しむ者はおるであろう。争いも、悲しみも、なくなってはおるまい」

徳井義実

「残念ながら、世界では今も戦争が起きています」

徳川家康

「……そうか」

家康は少し目を伏せた。

徳川家康

「四百年たっても、人は争うのじゃな」

原田泰造

「でも、家康さん。平和を願っている人も、たくさんいます」

徳川家康

「……そうであろうな」

原田泰造

「僕らも、そういう世界になってほしいと思います」

家康は泰造を見た。

徳川家康

「ならば、その願いを大切にしてほしい」

上田晋也

「家康さん……」

徳川家康

「平和というものは、一人の天下人がつくって終わりではないのかもしれぬ。そこに暮らす者たちが、日々つくり続けるものなのであろう」

誰もすぐには言葉を発しなかった。

やがて、堀内が静かに手を挙げた。

堀内健

「やっくん」

徳川家康

「何じゃ?」

堀内健

「僕、将軍になりたいって言ったけど……やっぱりやめる」

上田晋也

「えっ、どうした?」

堀内健

「将軍になったら、みんなを守らなきゃいけないんでしょ?」

徳川家康

「……そうじゃな」

堀内健

「僕、まだ三分間も黙れないから」

家康は思わず笑った。

徳川家康

「ははは! それを自分でわかっておるなら、立派な一歩じゃ」

堀内健

「だから、僕は将軍じゃなくて……やっくんの友達になる!」

徳川家康

「……それは、もうなっておるであろう?」

堀内健

「えっ! 本当!?」

徳川家康

「うむ」

堀内健

「やったー!」

堀内は飛び上がって喜んだ。

有田哲平

「家康さん、ホリケンを友達にしたら、毎日大変ですよ!」

徳川家康

「そうかもしれぬな」

上田晋也

「家康さん、今からでも断れますよ!」

徳川家康

「いや、よい」

名倉潤

「えっ、ほんまですか?」

徳川家康

「わしは長く生きて、多くのことを考え、いろいろなものを守ろうとしてきた。だが、こうして何も心配せずに笑う時間も、悪くないものじゃな」

原田泰造

「家康さん……」

徳川家康

「そなたらと話しておると、天下を取ることとは違う楽しさがある」

有田哲平

「家康さん、それって、僕らが天下を取ったってことですか?」

上田晋也

「何でそうなるんだよ!」

徳川家康

「……いや、そなたらは、天下を取らぬほうがよさそうじゃ」

名倉潤

「家康さん、最後に厳しい!」

堀内健

「やっくん! 僕が天下を取ったら、毎日プリン食べ放題!」

徳川家康

「……それは、少し魅力的じゃな」

上田晋也

「家康さん! プリンで釣られないでください!」

スタジオが大爆笑する。

有田哲平

「家康さん、最後に一つだけ! 今日は僕ら7人と過ごして、どうでしたか?」

家康は芸人たちの顔を順番に見た。

上田。有田。名倉。泰造。堀内。徳井。福田。

そして、静かに笑った。

徳川家康

「……実に面白かった」

上田晋也

「ありがとうございます!」

徳川家康

「信長公がそなたらを家臣にしようとして苦労されたという話も、今ならよくわかる」

有田哲平

「家康さんも苦労しました?」

徳川家康

「いや。わしは、家臣にしようとは思わぬ」

上田晋也

「おっ、そうなんですか?」

徳川家康

「そなたらは、家臣にするより、こうして自由に話しておるほうが面白い」

原田泰造

「家康さん、いいですね」

徳川家康

「命令せずとも、人と笑い合える。そういう時間があるのは、幸せなことじゃな」

名倉潤

「ほんまですね」

徳川家康

「わしも、もう少し早く、それを知っておればよかったのかもしれぬ」

少しだけ、静かな時間が流れた。

しかし、その空気を破ったのは、やはり堀内だった。

堀内健

「やっくん! 最後に僕からプレゼント!」

徳川家康

「何じゃ?」

堀内が大きな箱を持ってくる。

上田晋也

「おい、何だそれ!」

堀内健

「やっくん専用! 400年間待てる特製座布団!」

福田充徳

「また座布団かい!」

徳川家康

「……いくらした?」

堀内健

「18万円!」

家康の表情が一瞬で変わった。

徳川家康

「……堀内」

堀内健

「はい!」

徳川家康

「その銭があれば、もっと役に立つことができたのではないか?」

堀内健

「えっ?」

徳川家康

「たとえば、皆で食事をするとか、困っておる者のために使うとか」

堀内健

「……じゃあ、返品する!」

福田充徳

「そうしましょう!」

上田晋也

「福田、何でお前が仕切ってんだよ!」

有田哲平

「家康さん、じゃあ返品した18万円で、みんなでご飯行きましょう!」

徳川家康

「うむ。それはよい考えじゃ」

堀内健

「やった! やっくんとご飯!」

名倉潤

「何食べに行く?」

堀内健

「プリン!」

上田晋也

「18万円分のプリン食うのかよ!」

徳川家康

「……それは、少々多すぎるのう」

一同が笑う。

有田哲平

「家康さん、最後に聞きます。信長さん、秀吉さん、家康さん。この三人で、誰が一番お笑いに向いていると思います?」

家康は少し考えた。

徳川家康

「……信長公は、客を驚かせるであろうな」

上田晋也

「確かに!」

徳川家康

「秀吉は、客の心をつかむのがうまかろう」

徳井義実

「わかりますね」

徳川家康

「そして、わしは……」

有田哲平

「家康さんは?」

徳川家康

「……客が笑うまで待つ」

上田晋也

「結局ホトトギスじゃねえか!」

スタジオは、この日一番の笑いに包まれた。

家康も、芸人7人と一緒に声を上げて笑った。

かつて戦国の世で、何度も命の危険にさらされ、失敗を重ね、家族を失い、それでも生き続けた一人の武将。

その男が、四百年後の世界で、何の身分も気にせず、ただ人々と笑い合っている。

そこには、天下人としての威厳も、将軍としての重圧もなかった。

ただ、一人の人間として、楽しい時間を過ごす徳川家康がいた。

そして、番組の最後。

堀内が家康に、もう一度だけ尋ねた。

堀内健

「やっくん! また遊びに来てくれる?」

家康は、満面の笑顔で答えた。

徳川家康

「……うむ。次は、わしがそなたらを招こう」

堀内健

「どこに?」

徳川家康

「江戸城じゃ」

上田晋也

「えっ! 江戸城!?」

有田哲平

「やった! お城でしゃべくり007!」

福田充徳

「交通費、出ますか?」

徳川家康

「……それは、相談して決めよう」

上田晋也

「家康さん! 最後まで経費に厳しいですね!」

笑いと拍手の中、徳川家康はゆっくりと立ち上がった。

そして、芸人7人に向かって、深く頭を下げた。

徳川家康

「今日は、まことに楽しかった。礼を申す」

上田晋也

「こちらこそ、ありがとうございました! 徳川家康さんでした!」

スタジオに大きな拍手が響いた。

家康は最後に一度だけ振り返り、堀内に向かって言った。

徳川家康

「堀内」

堀内健

「はい!」

徳川家康

「三分間の修行、忘れるでないぞ」

堀内健

「はい! 明日から!」

上田晋也

「だから今日からやれよ!」

家康の笑い声が、再びスタジオに響いた。

※本作は、歴史上の徳川家康と実在の『しゃべくり007』出演者を題材にした架空の対談です。会話、番組内の出来事、家康の感情や内面の描写は創作であり、実際の本人の発言や番組出演を示すものではありません。信長・秀吉との関係、築山殿・松平信康事件、関ヶ原の戦い、江戸幕府の成立、大坂の陣などは史実をもとにしていますが、事件の動機や当事者の心情には史料上の不確実性があります。特に築山殿・信康事件の経緯と信長の関与については諸説あります。家康の平和観や後悔についての言葉は、現代の読者が歴史を考えるための創作上の解釈です。

最後に:天下を取ることより、大切だったもの

徳川家康と芸人7人による、笑いと驚きに満ちた対談はいかがでしたか?

最初に登場した家康は、私たちがよく知る「忍耐の人」そのものでした。

有田が何度も話を遮り、堀内が奇妙な行動を繰り返しても、家康は落ち着いた表情を崩しません。

ところが、三分間の沈黙対決では、家康がただ我慢していたわけではないことが明らかになります。

彼は待ちながら、相手を観察していたのです。

誰が先に動くのか。誰が周囲につられるのか。誰が最後まで落ち着いていられるのか。

待つ時間を、次の判断のために使っていました。

これは、私たちの日常にも通じる考え方ではないでしょうか。

仕事で思うような成果が出ないとき、人間関係がうまくいかないとき、人生が自分の期待した速さで進まないとき。

ただ我慢して時間が過ぎるのを待つのではなく、その間に学び、考え、準備することもできます。

しかし、今回の対談で最も印象的だったのは、家康の成功ではなく、彼が経験した失敗と喪失でした。

三方ヶ原での敗北。

信長や秀吉との難しい政治的な関係。

そして、築山殿と信康をめぐる悲劇。

歴史上の家康が、それぞれの出来事をどのような感情で受け止めたのか、すべてを知ることはできません。

それでも、今回の架空の対談を通じて、天下人もまた、迷い、恐れ、悲しみを経験する一人の人間だったのではないかと考えることができます。

家康は江戸幕府を開き、その後の日本に長く続く政治体制の基礎を築きました。

しかし、その道のりには戦争もあり、多くの人々の犠牲もありました。彼の功績を考えることは、その厳しい歴史と向き合うことでもあります。

だからこそ、最後に家康が語った架空の言葉が心に残ります。

「子どもたちが、明日のことを恐れずに眠れる世であってほしい」

天下を取ることと、平和をつくることは、同じではありません。

そして平和とは、一人の指導者が完成させるものではなく、次の世代へ引き継ぎ、守り続けるものなのかもしれません。

もう一つ、今回の対談には大切な場面がありました。

家康が堀内健を家臣ではなく、友達として受け入れた場面です。

そこには、将軍も芸人もありません。

互いの立場を超えて笑い合う、二人の人間がいるだけでした。

私たちも、地位や成功、肩書きだけで人を判断するのではなく、目の前の人と心から笑い合う時間を大切にできたら、人生は少し豊かになるのではないでしょうか。

徳川家康の人生から何を学ぶか。

その答えは、読者一人ひとりによって違うはずです。

そして、もし家康が再び現代の日本を訪れることがあれば、次はどんな質問をしてみたいでしょうか?

※本記事の対談と家康の発言は創作です。平和観、後悔、家族への思いなどは、史実として確認された本人の言葉ではなく、歴史を考えるための文学的な解釈です。徳川政権の成立には戦争や政治的抑圧も伴っており、平和への願いを家康の唯一の動機として断定するものではありません。

Short Bios:

徳川家康(1543年~1616年)
戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将・政治家。三河国岡崎に生まれ、織田信長との同盟、豊臣秀吉への臣従、関ヶ原の戦いなどを経て、1603年に江戸幕府を開いた。1605年に将軍職を秀忠へ譲り、徳川政権の基礎を築いた。忍耐強い人物として知られる一方、戦場での積極的な判断や厳しい政治的決断も行った。国立公文書館の人物紹介

上田晋也
お笑いコンビ「くりぃむしちゅー」のツッコミ担当。鋭いツッコミと司会進行で知られる。今回の架空の対談では、歴史上の家康と芸人たちの会話をつなぎ、難しい話題にも率直な質問を投げかける。公式プロフィール

有田哲平
お笑いコンビ「くりぃむしちゅー」のボケ担当。独創的な企画と予測しにくい発想を持ち味とする。今回の対談では、家康の忍耐力を試す企画を提案し、天下人との心理戦を繰り広げる。所属事務所

名倉潤
お笑いトリオ「ネプチューン」のメンバー。鋭いツッコミと落ち着いた会話で、個性の強い出演者たちをまとめる。今回の対談では、家康の現実的な判断や人間的な魅力に共感する。ワタナベエンターテインメント

原田泰造
お笑いトリオ「ネプチューン」のメンバーで、俳優としても活動。親しみやすい人柄と自然な表現力が魅力。今回の対談では、家康の幼少期や家族との関係、失敗や後悔など、人間的な側面を引き出す。ワタナベエンターテインメント

堀内健
お笑いトリオ「ネプチューン」のメンバー。自由奔放で予測不能な笑いを生み出す。今回の対談では、家康を「やっくん」と呼び、天下人の忍耐力を試す最大の挑戦者となる。ワタナベエンターテインメント

徳井義実
お笑いコンビ「チュートリアル」のボケ担当。軽妙な話術と独特の観察力を持つ。今回の対談では、江戸と現代の東京、徳川幕府と現代企業などを比較し、歴史を身近な話題へとつなげる。吉本興業

福田充徳
お笑いコンビ「チュートリアル」のツッコミ担当。現実的な視点と的確なツッコミが持ち味。今回の対談では、家康と節約やお金の使い方について意気投合し、番組の予算にも厳しい目を向ける。吉本興業

読者への質問

あなたが徳川家康に直接会えるとしたら、何を聞いてみたいですか?

「天下を取るために最も大切だったことは?」

「信長と秀吉、どちらから多くを学んだ?」

「人生で一番後悔していることは?」

それとも、「現代の日本を見て、何を変えたいと思いますか?」でしょうか。

ぜひ、あなたの質問や感想をコメント欄で聞かせてください。

そして、もし今回の架空の対談を楽しんでいただけたなら、前回の「織田信長がしゃべくり007に出演!?」もぜひ読んでみてください。

歴史上の偉人たちが、教科書を飛び出して、私たちと同じように笑い、語り合う。

そんな想像の世界を、これからも一緒に楽しみましょう。

Filed Under: 架空対話, 歴史, 歴史上の人物との対話 Tagged With: しゃべくり007, もしも歴史, 三方ヶ原の戦い, 徳川家康, 徳川秀忠, 戦国三英傑, 戦国時代, 日本史, 松平信康, 架空対談, 歴史エンタメ, 歴史コメディ, 江戸幕府, 江戸時代, 築山殿, 織田信長, 豊臣秀吉, 関ヶ原の戦い

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